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【ビジネスの話・冷凍ピザ販売編②】

【ビジネスの話・冷凍ピザ販売編】

 コラボ商品を作るために色々と調べたりして冷凍ピザを作ったわけだけど、その頃ちょうどライブ配信をしていて、ライブ配信を見てくれているファンやリスナーに向けてまずは販売したいってのがあったから、今度はEコマースの勉強を開始してみた。

 ただ、ライブ配信のが高いうちに販売したかったから、勉強して立ち上げるまでのロスが勿体無いと考えて、所属していたライブ配信の事務所に簡易的なECサイトの構築を委託し、自社のECサイトはそこでの動きを見ながら別で走らせることに。
 タイミング良く配信がプチバズりしたこともあって、3枚セットにした冷凍ピザはバンバン売れ、注文から発送までの流れやデータもある程度稼げたので、それはその後の自社サイトの立ち上げの参考にするには十分だった。
 どんな風にプチバズりしたかは【ライブ配信】を読んでみて。
 しかも配信をしているライバーたちはその冷凍ピザを実際に焼いて食べる配信をしてくれたりもしたので、宣伝にもなるし、なにでどう焼くのか、どんな失敗をするのかの具体的なサンプル集めにもなってこれぞまさに一石二鳥

 結果的に辿り着いたのは商品のクオリティよりも、問題だったのは購入者がそれをどう仕上げるか、どう調理するかというところだった。焼き方の説明書きを添付して発送しても、その通りに焼かないで失敗する人が大勢いたからだ。

 失敗するパターンはいくつかあったが、1番多かったのが冷凍からそのまま焼いて失敗するパターンで、どうも電子レンジ調理のイメージが強いらしく、凍ったまま焼いて、もしくは溶けるのが待ちきれず焼いてカチカチにしてしまう失敗が多発していた。 
 2番目に多かったのが電子レンジでチンして失敗するパターン。もちろん焼き方の説明には解凍してからオーブントースターかオーブンで焼いて下さいと書いてあるのだが、電子レンジでチンすれば良いと思っている人は意外と多い。
 そして合わせ技でレンジでチンして解凍してからトースターで焼くというのもあった。これもけっこうカチカチになるらしい。

 最終調理を購入者に任せているがゆえに、購入者が焼くのに失敗した場合でもネガティブな印象を抱かれるというリスクはどうしようもないものだった。
 ライブ配信の場合はそれを配信中に説明したり、調理している配信を見ながらコメントで指摘したりすることで注意喚起ができたりしたけど、ECサイトで一般に販売した場合にはそうはいかない。

 最近はオーブンレンジも多機能になりすぎて使い勝手が悪くなっているし、オーブン機能は付いてるけど手間で使わない人が多いみたい。
 高性能トースターの流行でアラジンとかバルミューダなんかを持っている人も増えてきてるし、庭に窯があるとか、BBQで焼きたいとか、ニーズも多様化しているのだけど、調理技術や知識というのは昔に比べてだいぶ落ちているという印象。なんとも電子レンジ頼りの日本列島。

 『簡単』、『手軽に』などの方向性の方がビジネスとしては売れ易いのはすぐに理解できた。『電子レンジで5分チンするだけ』、『解凍せずにそのまま焼ける』、そういった謳い文句が舞っているのはそのためだ、そのためだけだ。美味しく仕上げさせたいならそんな風にはならないからね。

 良いんじゃないかな、多少難しくて。

 それが至った結論だった。
 焼き方の説明を読まずにレンジでチンしちゃう人たちは、説明してもレンジでチンしちゃうから、そこを合わせてプロダクトを開発するのは違う人の仕事だと思った。
 ファミレスと専門店みたいな感じで、棲み分けってのも必要。確かにより多くの人にヒットした方が商品は売れるけど、そこはコンビニが得意とするレッドオーシャンだし、そこで溺れに行く気はない。
 日本中のコンビニで売ってる冷凍ピザってのはビジネス的にはすごいことかも知れないけど、ロックンロール的にはカッコ悪い。そっちの道はダサいぞ、という芸術たちに育まれてきたから、多少尖った感じでも良いかなって。

 オンラインとSNSやライブ配信の相性の良さにはかなりの手応えがあった。次はいよいよ北海道物産展に直接乗り込んでみるんだけど、まさかそこから全国ツアーが始まるだなんて、そんなことは夢にも思っていなかったよ。

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