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BtoBサービスの新規リード数の増減分析手法とは?

BtoBビジネスにおいて、新規のリード獲得は非常に重要です。中でも、Web経由でのリード獲得が主になっている企業が多いのではないでしょうか。

そのため、ただなんとなくサイトの運用をしているだけでは、新規獲得リード数が減少しても対策を講じることは困難です。そこで、Web経由の新規リード獲得における、その増減の要因を分析する手法を解説します。

主にWebからリードを獲得している企業は必見です。


CVまでの導線を理解する

まずそもそもですが、ユーザーがCVするまでの導線を理解していますか。分かっているようで、言語化できていない方が多いので伺いました。正確な分析を行う上で、CVまでの導線を理解することは非常に重要です。

CVまでは大きく4つの流れで構成されています。

CV(コンバージョン)までの導線を理解することは、ウェブサイトの成功において非常に重要です。このプロセスは、訪問者が最終的に目的のアクション(例えば、商品購入、サービス登録、資料ダウンロードなど)を完了させるまでの一連のステップを指します。ここでは、CVまでの導線を構成する主要なフローを分かりやすく説明します。

  • サービスサイトへの流入

  • フォーム到達

  • フォーム通過

  • CV

サービスサイトへの流入

CVまでの導線は、まず訪問者がサービスサイトに流入することから始まります。この流入は、検索エンジン結果、ソーシャルメディア、広告、リファラルリンクなど、さまざまなチャネルを通じて行われます。サイトに訪問者を引き寄せるためには、魅力的なコンテンツ、効果的なSEO戦略、ターゲットに合った広告キャンペーンが重要となります。

フォーム到達

サイトに流入した訪問者を、目的のアクションを促すフォームへと導くことが次のステップです。この段階で重要なのは、ユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)の最適化です。訪問者が容易にフォームに到達できるよう、直感的なナビゲーション、明確なCTA(コール・トゥ・アクション)ボタンの配置が必要です。

フォーム通過

フォームに到達した訪問者が、実際にフォームを完成させることが次の目標です。フォームの簡潔さ、入力項目の明確さ、安心感を与えるデザインなどが、この段階でのコンバージョン率を高める要素です。また、フォームの前後にFAQやサポート情報を配置することで、訪問者の不安を解消し、フォーム通過率を向上させることができます。

CV(コンバージョン)

最終的に、訪問者がフォームを通過し、所望のアクションを完了させることで、CVが成立します。この成果は、サイトの目標達成に直結し、ビジネスの成長に貢献します。CVまでの各ステップを最適化することで、より多くの訪問者をコンバージョンへと導くことが可能となります。

CVまでの導線を理解し、それぞれのステップを丁寧に最適化することで、ウェブサイトのパフォーマンスを大きく向上させることができます。

CVを分別する

  • 資料請求

  • 料金表

  • トライアル

  • ウェビナー登録

  • メールマガジン登録

  • アカウント作成

資料請求

資料請求は、潜在顧客がサービスや製品についての詳細情報を求める行動です。このアクションは、顧客がビジネスに興味を持ち、さらに深い関係を築く可能性があることを示しています。資料請求のコンバージョンを追跡することで、マーケティングチームはリードの質を評価し、適切なフォローアップ戦略を立てることができます。

料金表

料金表ページへのアクセスは、潜在顧客が購入を検討していることを示す強い指標です。料金情報を求める行動は、顧客がサービスや製品に対して具体的な関心を持ち、購入に向けてさらに進んでいることを意味します。このコンバージョンを追跡することで、ビジネスは購入意欲の高いリードを特定し、適切なセールスアプローチを行うことができます。

トライアル

トライアルの申し込みは、顧客が製品やサービスを実際に体験し、その価値を評価する機会を提供します。トライアルを通じて、潜在顧客はビジネスの提供する解決策の効果を直接確認することができ、最終的な購入決定に大きく影響します。トライアルのコンバージョンは、高い関心と購入意向を持つリードを捉えるための重要な指標です。

ウェビナー登録

ウェビナーやオンラインセミナーへの登録は、特定のトピックや製品に対する深い関心を示すコンバージョンです。参加者は製品やサービスについて学びたいと考えており、質の高いリードとなる可能性があります。

メールマガジン登録

ニュースレターやメーリングリストへの登録は、製品や業界に関する情報を定期的に受け取りたいという関心を示します。このコンバージョンは、長期的な関係構築やブランド認知度の向上に貢献します。

アカウント作成

ウェブサイトやプラットフォームでのアカウント作成は、サービスの利用意向が高いことを示すコンバージョンです。アカウントを持つことで、ユーザーは製品やサービスをより深く利用し、ビジネスとの関係を強化することができます。

月次/週次のCV数増減分析

製品のサービスサイト、オウンドメディアの運用を行う場合は週次、少なくとも月次ではCV数のチェックをするようにしましょう。

さらにCV数の増減数の要因分析を行うことで、今後のサイト運用に活かすことができます。ただ一方で、CV数の増減要因は複雑です。

そこで、ここではCV数が増減する要因の分析手法を解説します。ステップごとに解説するので、ぜひ一緒に確認してみてください。

※基本的にはGA4で重要な指標は確認していきます。GA4連携が済んでいない場合、まずはGA4と自社サイトの連携を済ませます。

STEP1.増減幅の大きいCV数を特定する

まずは増減幅の大きいCV数を特定しましょう。サイト経由のCV数に目標がなく、増減の基準を作りにくい場合は直近3ヶ月間の平均、先月の実績と比較して増減を判断するようにしましょう。

先述したように、一言でCVでも中身は細分化されていません。資料請求、アカウント作成、メールマガジン登録のどの増減幅が最も大きいのか確認しましょう。

ここではトライアルが最も減少幅が大きかったと仮定します。ではトライアルが減少している場合、どのような分析を行うのでしょうか。

※ちなみに増減しているCVの中身を明らかにするのは、本質的な課題解決を行うためです。「どの種類のCVが増加しているのか、減少しているのか」を明確にしましょう。

STEP2.トライアルのCV数を分解する

2番目にすることは「分解」です。今回、トライアルが減少しています。トライアルがCVする導線を考えてみましょう。

恐らく、下記の大方下記の流れになるはずです。

①ユーザーが「〇〇(サービス名)」で指名検索する
②ユーザーがサービスサイトに到着する
③サービスサイトからお問い合わせフォームに移動する
④フォームに個人情報を入力する
⑤フォームを送信する
⑥サンクスページが表示される
⑦サンクスメールが届く
⑧製品トライアルの開始

上記フローを頭に入れた上で、ここから先は読み進めてください。

CV数を分解すると次の2つになります。

  • セッション数

  • CVR

ではここから先はセッション数が減少していた時と、CVRが減少していた時とで場合わけして考えていきます。

STEP3-1.セッション数が減少していた場合

セッション数が減少していた場合、まずはサーチコンソールで自社サイトの検索順位が下落していないかを確認しましょう。

次に行うのはセッション数の内訳確認です。セッションは大きく次の5つに分類できます。

GA4で分析し、どのチャネル経由のセッション数が減少しているのかを分析しましょう。例えば、広告経由のセッション数が減少しているのであれば、恐らく広告の予算を減少したのか、ディスプレイ広告用の予算をアロケーションしてリスティング広告の顕在系キーワードに寄せているなども考えれます。

基本的には内的な要因か、外的な要因かに二分できます。オーガニック検索からのセッション数が減少している場合、恐らく外的要因が大きいです。最初に検索順位を確認していると思いますが、サービスサイトの場合検索順位は大きく変わらないからです。

STEP3-2.CVRが減少している場合

CVR減少の場合、もう1段階CVRを分解する必要があります。「フォーム通過率」と「フォーム到達率」です。なぜなら、ユーザーのトライアルCVまでの導線にはフォーム送信とフォーム到達のフローが入っているためです。

◾️フォームの通過率が減少している場合
この場合、フォームに原因があります。フォーム項目を増加したのか、サービスサイトのトンマナとフォームのトンマナがずれているのか等、自社に当てはまりそうな原因を考えてみましょう。

◾️フォームへの到達率が減少している場合
この場合、サービスサイトに問題がある可能性が高いです。サービスサイトでの紹介の仕方が微妙でトライアルに申込みたくならないのか、単純にフォームページへの遷移リンクの設置し忘れなのか、原因を考えてみましょう。

まとめ

自社のCVの定義を確認し、種類わけを行う。そして月次/週次で定点観測を行い、増減要因を分析することは徹底しましょう。分析の際には、どのCVが変動しているのかを特定し、影響を与える変数に分解していきます。

サイトの分析にはGA4がほぼ必須になるので、自社サイトへの適用がお済みでない方は早めに実装するようにしましょう。


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