めくれたカーテンの隙間から
イアの街の電灯が見えた。
ブルーの壁にオレンジの光。
軽い踊りの音楽が鳴る。
あたたかい食事。
気を許した仲間たちの声。

オレンジが影に茶色が光になる。
色の帯が重なる、離れる。
顔の見えない声の主。
帰っていく場所。

遠くなる。
目が覚める。
めくれたカーテンの隙間から
パナソニックの電灯が見えた。
もうどこでもない。
だれでもないものへと。
だれでもないものへと。

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