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かわいい読書

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装丁がかわいい本の読書感想文。
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2014年4月の記事一覧

伊藤たかみ『誰かと暮らすということ』(角川文庫)
下井草周辺に暮らす人々の「不満」「孤独」に焦点を当てた作品。会社に馴染めない「セージ」と「虫」の二人の距離が縮まっていく、微妙な空気感が好き。読了後にものすごく人恋しくなった。温もりある作品。

瀧波ユカリ『臨死‼︎江古田ちゃん』

瀧波ユカリ『臨死‼江古田ちゃん』(1)~(7)(アフタヌーンKC)

「月刊アフタヌーン」で連載中。

主人公は東京都練馬区にある江古田駅周辺でひとり暮らしをするフリーター「江古田ちゃん」。

江古田ちゃんは家の中では全裸の「裸族」で、はじまりは「全裸でご挨拶」が定番。

(第七巻 3頁)

このコマが江古田ちゃんに惹かれる人とそうでない人を分ける指標みたいなものになっている。わたしは勿論

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雨宮まみ『女子をこじらせて』

雨宮まみ『女子をこじらせて』(ポット出版)

AVライター・雨宮まみの自伝的エッセイ。一番興味深いのは、タイトルにもなっている「女子」と「こじらせる」という言葉。なぜ、彼女は「こじらせる」という言葉を使うのか。

彼女の物語は中学生まで遡る。「スクールカースト最下層」、いわゆる地味めの女子層にいたとする彼女は、可愛い女子への憧れと、アイデンティティの迷走を語る。
「かわいい女」というのが、彼女の言

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