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【カヌーポロ】2022年ルール改正の話②

前回の記事【カヌーポロ】2022年ルール改正の話①では、カードシステムの変更について詳しく書きました。なかなか文章だけでは難しかったり、そもそも初~中級者の試合ではなかなかカードが出る機会はないかもしれません。(本当はそれではいけないんだけど・・・)
今回の記事ではそれ以外のルール改正についても触れていきたいと思います。

ゴール・ペナルティ・ショットの改正

ゴール・ペナルティ・ショット(以下GPS)とはサッカーでいうところのPKです。確実に得点する場面での反則や、ゴール前での悪質なファウルがあった場合にこのGPSの反則が取られます。
ゴールから4mの距離からフリーショットを行いますが、今までのルールでは
①反則した際にGKがいれば、キーパー有のGPS
②GKがいなかった場合は無人のゴールでGPS
という風に分かれていましたが、今回の改正では全てのGPSがキーパー有で行われます。また、シューターは反則された選手がやらなければいけませんでしたが、改正後は出場選手の誰が撃ってもOKということになりました。

また、今まではGPSの反則には必ずイエローカードが伴い、この場合はパワープレイが適用されず2分間完全退場でしたが、今回の改正で変更されます。GPSにカードが伴うのは変わりませんが、1回目のグリーンカード、2回目のイエローカードではパワープレイが適用されます。
反則 → カード&GPS → 得点 → 即解除 となり、GPSが決まればすぐに5人に戻ります。これは、得点されれば十分制裁は受けたということで即復帰できることになったのでしょう。おそらく退場者が出やすくなる反面、復帰しやすくすることでバランスを取るという考え方じゃないでしょうか。

シュート・パスへの妨害

第91条 第1項 第5号「守備側の選手の片手または両手が、シュートまたはパスを試みる選手の腕またはボールに接触してボールを投げる動作に影響を及ぼす行為をすること(シュートまたはパスを試みる選手が、守備側の選手の静止した状態の手または腕に接触した場合は違反としない)」

シュートやパスをする選手の保護を明確にするために新規に追加された規定です。これにより投げる動作に対してサックする行為はアウトになります。※ICFの新ルールQ&Aで明確に回答されています。

守備側は腕が静止している状態でブロックするのはOKとされていますので、バボちゃん状態なら問題ないということになります。

バボちゃん

審判に対する質疑

これも実は重要な改正ルールです。監督またはキャプテンはハーフタイム、試合終了時、またはコート外にボールアウトした際には質疑することが認められるようになりました。逆に言えば、その他の選手・スタッフは審判に話しかけてはいけないし、決まったタイミングでなければ審判への質疑はできないこととなります。
質疑したからといって判定が変更・無効にはならず、あくまで審判が理由を示すのみとなります。
国内の草大会ではあまり馴染みがないですが、公式大会ではキャプテンマークが必須となりそうです。

競技開始時の反則

最初のボール取りについてのルールです。どちらか一方の選手がボールを手で触れるまでは、他の選手は3m以内に侵入してはいけないことになりました。つまり、艇の横にボールをキープした状態や、パドルで取っただけでは他の選手がアタックを仕掛けることが許されません。ちゃんと手で触れて初めてポゼッションが認められることになります。
ただし、ボール取りの両者がぶつかりボールが水平方向に3m以上跳ねた場合は、他の選手がボールを取りに行ってもOKです。
また、故意に相手選手にぶつかりに行くことは反則、逆にわざと敵の艇の下に潜り込んだ場合は、相手選手は危険なカヤックタックルとみなされません。

道具へのワックスの禁止

全ての装備品の滑りやすくor滑りにくくする物質の塗布は禁止されました。※パドルのシャフト部分のみ認められます。

その他

この他にも大会の運用に関しての細かいルール改正はありますが選手にはあまり関係のないものです。面白いものではサッカーのFIFAランキングのように、ICFランキングができます。世界選手権および大陸選手権の成績でポイントが課され、ランキングに反映されるものです。特にこれが何かに影響することはありあせんが、楽しい制度ですね。

まとめ

いかがだったでしょうか。カヌーポロ競技者でなければ「なんのこっちゃ?」というものも多いかもしれません。もしビギナーの読者の方がいれば、改正ということは気にせず最初からそういうルールだと覚えていけば問題ありません。
まだ、世界的にも本格的な運用が始まっていない状態です。今回の改正がどれだけ影響があって、どういった競技になるのかとても興味深いです。
いずれその辺りをまとめた記事も書きたいなと思っています。

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