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HerBESTの365 #2019

2019年12月31日。今年も年の瀬。

この日にやると決めていることがあるとすれば、たったひとつ。
2019年の振り返りnoteを書くこと。

そう思って、大崎のスタバにやってきた。

何かがいつもと違う。なんだこの漂う年末年始感は。
そう何が違うって、今年は日本にいる。
思えばここ3年ずっと、私の年末年始はミャンマーだった。

ミャンマーの年末年始は、「ほぼない」に等しい。その代わり4月に「ティンジャン」というミャンマーの年末年始がやってくる。だから例年この時期を日本にいるなんてことはぼぼなかった。それに去年、一昨年のことを思い浮かべてみると、自分がいなくて回るような気は到底しなかったし、だから、あえて現場を離れることもしてこなかった。

それなのに今年、私は、大崎のスターバックスにいる。

季節外れの氷のたっぷり入ったアイスラテ(なぜアイスにしたのか後悔している)を飲みながら、この死ぬほど寒い日本で、振り返りを書いているなんて、それだけでも、ちょっと成長した気がするし、ちょっとだけ前進し他のかもしれない。

さぁ、2019年を振り返ろう。そう思ってまずパソコンを広げ、私はこのnoteを読み始めた。去年書いた振り返りだ。

この中で、私はこんなことを言っている。

今年1年の感想をざっくりいうと、「苦しかった」という感じかもしれない。真っ暗闇の中を進んでいるような気分。日々スタッフのトレーニング、お客様とのコミュニケーション、気をぬくとすぐ低下してしまうクオリティ。どれもこれも初めて出会うものの連続で、スタッフや自分の感情に揉まれて試行錯誤していた。

どうやら去年の私は「苦しかった」らしい。

でも今、このnoteを読んで過去の自分に怒り出しそうなくらい、今年はもっと苦しかった。去年の比じゃない。去年何が苦しかったかなんてすっかり忘れてしまっている。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

と、ここまで書いて気が付いたのだけど、はじめてこの記事を読んでくれている人もいると思う。

だから、ちょっとその前に私が何者で、HerBESTってどんな会社なのか、紹介させて欲しい。せっかく年末だしさ。

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●HerBESTとは
HerBESTはミャンマーのヤンゴンでハウスキーピングのサービスを提供しているまだまだ小さな会社だ。2016年年末、私はヤンゴンにやってきて、そしてサービスを開始した。

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●ヤンゴンのビジネスパーソンの生活をサポートする
ヤンゴンの生活は決して楽なものではない。度々起こる停電や洪水、少し買い物に出ようと思っただけなのに簡単に渋滞にはまってしまう。住居は清潔感がないものが多く、食べ物だってきちんと選ばなければ病院行き。雨季には湿度が80%以上になり、クローゼットの中はカビだらけだ。

生活を少しでも楽にしようと思ってメイドさんを雇う人も少なくない。しかしどうだろう。せっかくメイドさんを雇っても、トレーニングを受けていないためお掃除の知識がないから0から教えなければならないし、無断欠席や遅刻は日常茶飯事だ。物やお金が盗まれてしまうなんてケースもあるけど、補償がされるわけでは全くない。

私たちはだからここで、ハウスキーピングの事業をスタートした。ヤンゴンで活躍するビジネスパーソンの生活をサポートすべく、きちんとトレーニングされたスタッフが、気持ちの良い空間と生活スタイルを届けるのが、私たちのサービスだ。

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●なぜこの事業をするのか
私たちはなぜこの事業をするのか。それは「メイドさん」と呼ばれる職業を変え、貧困層の女性たちがイキイキと働く社会を作るためだ。

ミャンマーでは「お掃除」は最下層の人の仕事だと考えられている。当然給料も安い。メイドさん一人に支払われる給料は月80USDほど。田舎から出てくる彼女たちは、雇い主の家に住みで働くのが一般的だ。彼女たちの労働環境は決して恵まれているものではない。

もちろん仕える家によって差はあれど、みんな休みなく働き、そしてひどい時には、雇い主からの暴力や性暴力などにあってしまう。それでも彼女たちがメイドさんという仕事を選ぶのは、他に選択肢がないからだ。田舎には農業以外の仕事はないし、教育を受けていない彼女たちが他につける仕事はそれこそ、売春婦などで働くことだ。

私たちHerBESTは、そこに一本、「新しい道」を作ろうと思っている。

それは「メイドさんでもきちんと稼げる道」だ。そして彼女たちが「自分の仕事に誇りを持ってイキイキと働ける道」だ。そしてそれをするためには、当然きちんとしたお掃除のスキルや、衛星の知識を身につけなくてはならない。遅刻連絡や欠席連絡などのマナーも身につけなくてはならない。そして何より誠実でなければならない。HerBESTでは日々の習慣やトレーニングのなかで、それらを培っていく。

だから私たちはこの国で事業をしている。

私がこの国にやってきたのは2016年12月のこと。もうあれから3年が経った。HerBESTはその間に少しずつだけど大きくなったし、そして問題だってたくさん抱えた。成し遂げたことも少しはあったと思うし、まだまだ解決しなきゃいけない問題も山積みだ。

さて、そんな私とHerBESTの2019年を、そろそろ振り返り始めようじゃないか。

HerBESTの2019年

起業3年目の今年。
売り上げ〇〇円!○%成長!とかって巷のtwitterに溢れているベンチャー社長みたいなことを書きたいけれど、そんな言葉は到底書けそうにない。

2019年を一言で表すなら「停滞」。今思い返しても、「ああ、苦しかったなあ」という言葉が真っ先に出てきてしまう。苦しい。とにかく苦しい。ほんとはこういう「振り返り」とかってもっと明るいことを書くものなんでしょ。そんなことわかっているんだけど、やっぱり来年みた時に、これは嘘だったな、なんて思いたくないので、正直に書いておこうと思う。

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