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アラフィフあかねちゃんの憂鬱

アラフィフの友人あかねちゃんからメッセージ。

週末に友人たちと友人の別荘にお泊まり会。
そこでの会話がよほどショックだったらしく
話を聞いてほしいと言うので
長時間チャットした。

あかねちゃん曰く、

それぞれの業界でそれなりのポジションまで登りつめた
同世代の男友だちたちが話すのは
いくら稼いでいるか
業界でどのくらい有名か
どんな著名人とコネクションがあるか

ということばかり。

すべての基準は自分の稼ぐお金とステータス
すべては人との比較。

一人だけはお金にはとんと縁のない学者だけれど
彼は彼なりに名声への欲望が沼のように澱んでいるという。

そんな話をさんざん聞かされて
ついでに「女に向上心なんて求めない」という
極めつきミソジニー発言まで飛び出して
(実はあかねちゃんもかなり有名人な某シンクタンク研究員)

「貧しさに苦しんでいる人たちのために何かをしたい」
と常々悩み
退職してNGO活動に専念しようと計画している自分は
ひょっとして異常じゃないか
と思えてきたというのである。

「私の考え方っておかしいのかなー?」
いつになく自信をなくしてしまったあかねちゃん。
「いや、あかねちゃんの方がずっとまともだと思うけどね」
と即答する私。

もちろん自分や家族の生活のためにお金は必要だし
何のために仕事するかと聞かれたら
誰もがお金を稼ぐためと答えるだろう。

けれどお金のためだけに
人生のすべてを費やせない。

ちょっと大げさに言えばだけれど
自分のしている仕事が社会の役に立つ
人類の発展に貢献していると思えること

が、一番の仕事の喜びじゃないだろうか。

しかも50代ともなれば
後進に道を譲り
静かにフェイドアウトしていく未来はすぐそこに迫っている。

よしんば大会社の役員やサラリーマン社長まで昇りつめたとしても
いつか必ずその座を降りる日が訪れる。

その時に自分に残るものは何だろうと考えてみるといい。

お金→今どれだけ稼いでいても引退したら収入激減。みんな年金暮らし。
最後の地位→一生元〇〇株式会社の〇〇部長です、と自己紹介するつもり?
著名人の知り合い→賭けてもいいけど、退職したら誰もあなたを相手にしなくなる。

派手に使えるお金もなく、誰もが羨む肩書もなく
きらびやかな有名人の知り合いもいないあなたを相手にしてくれるのは

家族
長年の友
趣味のサークル仲間や地域の人たち

くらいだろう。

元同僚だって趣味が同じでプライベートで付き合ったりしていなければ
せいぜい年1度の同期会やOB会で会うのが関の山。
会社の人間関係は退職したら終わりだと思ったほうがいい。

だからあかねちゃん
あなたは全然おかしくないよ。
むしろわかっていないのは彼らの方だから。
可哀そうだと思って受け流しておいでよ。

会社という組織の中にいる時には
なかなか気がつかないけれど
実はその場所はとても狭くて
そこから抜け出したときに初めて
社会の中の自分の位置がわかるのだよ。

それがリタイアするということ。

お金も肩書もなくなり
人間関係もリセット。

でも、そこからが本当の自分の人生の出発点。

お金にも肩書にもとらわれず
自分ひとりの力だけで
構築していける世界がそこにある。

そんなリタイア後の人生には
お金よりステータスより何より
「人間力」が一番大事だと思うよ。

ベストセラーのカナダ発FIRE本。
早期リタイアするためのテクニックも参考にはなるけれど
一番共感できたのは
なぜ著者カップルがFIREしようと思ったのか
という章だった。

人生、長いようで短い。
お互い人間力を磨こう。

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