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売るとは何か−−#NovelJam における販促活動について

初対面の著者・編集・デザイナーがチームを組み、お題に沿った短編小説を超短期間で執筆・編集・デザイン、さらに電子書籍出版までまとめて行う文芸ハッカソン「NovelJam」。

▲上記は私の小説。各種電子書店で好評発売中!

前回・今回と著者で参加して、現在は出版された小説の売上を競う販促フェーズなわけですが、各チーム様々な取り組みをしているようです。

私も必死こいてやらなきゃなのですが、公私ともに多忙&毎度のことながら体調がめちゃ悪で、やりたいこと/やらなきゃいけないことが全然できていない状態です(これを世の中的には言い訳という)
12/19(木)がグランプリ発表ということを考えると、来週末が審査対象のデッドラインでしょうか。

普段SP会社内でなんかやっている人として、また一参加者として、この販促フェーズについての取り組みをちょっと考えてみたいと思います。
まだまだ勉強中の身であるし、私情もかなり入っているので、これが正しいか正しくないかは人によって違うと思います。自分用のメモ程度のものだと思って読んでもらえたら幸いです。


本当に『売りたいもの』は何か

「いや本だよ」って、そりゃそうなんですけど。
各自が様々な目的を持って、今回のNJに参加しているんだと思うのですが、その目標を果たすための施策を適切にしないと、自分をしょんぼりさせてしまうだけなんじゃないかなあ、と。

私が前回参加した目的は「自分の名前の認知度をあげたい」「自分のファンを増やしたい」でした。
森田玲花という作家ブランドを高めたいが一番で、「面白い小説を書き上げる」「文章が上手くなりたい」は二番目以降に設定しました。
もちろん本も売りたいし、普段じゃ知り合えない人脈も作りたいし、GPも欲しかったけど!

なので、売りたいものは『森田玲花自身』にしました。
そこに付随するものが、NJで書いた小説(を売ること)です。
これを基軸にして働きかけることで、目的達成を狙いました。

全部いいとこ取りを狙っても、中途半端にしか手に入らないし、自分の活動軸がブレます。
本当に売りたいものが何かを考えると、あれやろこれやろ、うわー失敗したーは少し防げるのではないでしょうか。


『売りたい人』と『本当に買ってくれる人』を分けて考える

ぶっちゃけ確実に買ってくれるのは、友人・知り合い・家族です。
「自分の創作物を知っている人に読まれるのは恥なんじゃ〜」と思う人も多いですが、本当に売りたかったらまずはそこです。情で買ってくれます。
私は基本全裸芸なので、恥ずかしいことも書いてますが、土下座戦法をかなり使いました。

前回でいうと、男遊びがひどい女の話(半分くらい私小説みたいなもの)だったので、過去の男友達に「あなたのこと、小説で書いたから読んでほしいな(はあと)」と口説き落としたりもしてました。
これが全裸芸人の本気じゃい!!!!!

上記の全裸芸をかましたのは単に販売数を上げるためもありましたが、人に話したくなる文脈を意識した取り組みでもありました。
「昔の女がさ〜小説書いてるらしいんだけど俺の話も出てるらしいんだよね〜」って、話しやすいし話したくならん???
ワシは口軽女だから、そんな面白そうなこと「キッショ」と思っても話しちゃうし、言われたらチェックしちゃう〜!(自画自賛)

自分の世界観がしっかりしている人は、自分の世界に引きずり込むのも良いと思います。
私はベースに詩歌があるので、詩歌に拡張表現した上で個展を開きました(これもブランディングのひとつですね)

それとは反対に「こういう人に読んでほしいな」と心に決めた時、その人に届けるための適切な方法を考えないと、当たり前ですが届きません。
「広告は読まれないものだと思え」「目についた広告は興味がないものなら1秒で見放される」ってのは、業界的によく聞く言葉ですが、本当その通りだと思います。
私たちの身の回りにはありとあらゆる広告が溢れています。パッケージだって広告の一種なんだぜ?(だから書影はチョーーー大切)

売りたい人にとっての興味があるものや関心が向くものに擬態or融合する、もしくはそんなのぶっ飛ばしたインパクトを残すものじゃないと、効果的な販促は不可能です。
自書(自チーム)の書影とQRコードのTシャツを着て生活する自分広告をやっている方が過去にいましたが、それくらいクレイジーなことができないと多分インパクトは残らないんだよな……さすがの私もそこまでは無理……


情報は一人歩きするから接点を増やそう

情報社会において、人々は自分の欲しい情報を選んで生活しています。
発信はいくらでもできても、発信したあとはアンコントロールな存在ですね。
フォロワーが10,000オーバーとかの戦闘力高いインフルエンサーなら、勝手にファンがわちゃわちゃ動いてくれるでしょうが、それは厳しいでしょう。
というか、土下座戦法も無限にできないしね!友達が少ない私はすぐに相手がいなくなるゾ!

ということを考えた時にできそうこと。
「コンテキストを伝えた上での積極的な発言」「見知らぬ人との接点を増やす」が有効なのではないでしょうか。

「いやお前情報は選ばれるって言ってたし、適切な戦法取らないと爆死するって言ったやんけ〜」ってなりますが、大きな声を張りあげることはとっても重要です。
いくら念じたって、それは自分の心の中だけの出来事で人に伝わらないし。

ただし、「楽しそう」「自分にとって有益だな」と思わせるプラスの感情が湧かないとダメです。怖い人には近づきたくないし、伝わらない言葉で話されても「わっっっかんね」ってハナホジされて終わりです。

また、媒体によっても伝え方は違うでしょう。
Twitterはスピード感を持って何度も投下する、Instagramは視覚的なインパクトを作り込む、noteはストーリーをしっかり話す、など。

リアルイベントは全く知らない人に対しても売り込めます。
多方面に振り向かせるには、そうした新しい接点地も検討すべきかもしれません。


NovelJamの販促はどうしたらいいのか

所詮は短時間で書いた小説なので、クオリティは普通の小説と比較されるとつらい部分も多いです。
そうした時に語るべきは、おそらく「NovelJam」で作ったという価値です。

実質一日仕上げのクレイジーイベントで爆誕した、というコンテキストがないと、一般小説と比べられて爆死します。
このイベントが持つ熱量まで込み込みで話した方がきっとグッときます。

私はよく「マジで天国が見えた」「あの時間で仕上げられるわけない、奇跡」「瀕死の酒はうまいけど時計の針が進むのが超怖かった」「多分悪魔に魂売ったから今ここにいる」など、頭悪い発言をしながら売り込みをしていますが、「インディーズで小説出版したんだ」って話す時よりも食いつきがいいし、抱き合わせで他の人の本まで買ってもらえる確率が高かったです。

そして、それを著者本人が語った方が絶対に売れます。
書いた本人が一番熱量を持って話せるからです。
他人に推薦してもらうのも超嬉しいけど、文中に込めた想いをまっすぐに余すことなく伝えられるのは絶対著者です。

編集さんとも仲良くやるのが一番ですが、編集さんを頼りきると想いが乖離する可能性がある、婉曲してしまう可能性がことも考慮しましょう。
(自分が伝えたってそうなるリスクは十二分にあるけど、他人の口から出た言葉が脳内通りではないことの方が私は怖いと思ってます)


今後の森田の販促について

とりあえずのめも↓
自チームのチラシ制作(情報拡散、接点づくり)
文フリに出店する(普段接点のない人に直接働きかける)
自書をベースに二次創作をしてもらう(ファン愛を醸成する)
#勝手にNovelJam短歌 をやる(イベント全体の認知度アップ、マイワールドへ引き込む、森田への興味づくり)
全作品のレビューをする(イベント全体の認知度アップ)
自書を詩歌にする(自分の既存ファンへの働きかけ)
読書会の主催(接点づくり、本を手に取る仕組みづくり)
ラジオドラマ化(自書への興味関心を高める、音声という別メディアで小説を読まない人への接点づくり)

もっともらしいことを書いたけど、単にやりたいからやってるだけが本音でした!
今回は時間がなくて見送ったけど、またイベントもやりたいなあ〜。

話もブレブレだし、何言ってるんだろうね。
とにかく楽しく悔いなく、残りの販促期間もその先もやりたいです!森田の小説をよろしくね!

以下リンクは前回と今回の本だよ!立ち読みだけでもしてみてね!

kindle

なぜか楽天やブックウォーカーなど他のサイトが埋め込めませんが、各種電子書店へ飛べますのでこちらからもどうぞ!




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