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足の速い男たちの思い出

先日、寝る前に、嫁さんと他愛のない小学生時代の思い出話をしていた。

僕は10歳まで福島で育った。


学校から帰るときは、大概「しんすけくん」と一緒だった。


しんすけ君の家はおそば屋さん。
遊びに行くと、よくおそばをごちそうになったのを覚えている。


しんすけ君家のとなりには、駐車場があり、その隣には、だれかの家があった。
その家は、一階が駐車場になっていて、二階が民家という設計になってた。
僕ら二人は、そこにこっそり入り込んで、その一階の駐車場の隅に「秘密基地」を作り始めた。

その駐車場にあったプラスチックのビールのケースを勝手に移動し、秘密基地と駐車場に仕切りを作り、家から、ビールの蓋や、一升瓶の蓋を集めて並べたりした。
やはり男は馬鹿だなあって思うのが、しんすけ君が「俺、いい土あるから持ってくるよ!」って言って、何故か袋一杯に土を持って来た。
その土を、絨毯のように秘密基地に敷いて、そこでおもちゃで遊んだり、お菓子を食べたりしてた。

しかし・・・なぜ土?

まぁ、それでも楽しかった。

ある日、しんすけ君と「今日も秘密基地で遊ぼうぜ!」って行って、そこに行ってみると、並べておいたビールの蓋や日本酒の便の蓋、そして、椅子に使っていた酒瓶のケース、さらには土までもが姿を消していた。


あまりに奇麗に跡形もなく消えていたので、今でも鮮明に覚えている。


そんなしんすけ君とは、怒られるときもいつも一緒だった。
そして、僕らは二人ともクラスではリレーの選手。
足は二人とも速かった。

小学校の帰り道、僕らには、お気に入りの大きな花壇があった。


美しいからお気に入りというわけではなく、そこのお花を取って、花の付け根の部分をチューチュー吸うと、甘い蜜がちょっと味わえる、そんなお花があったから。

花壇は、思いっきり人の家の庭にあったんだが、僕らは、そんなことおかまいなしに、その庭に入り込んで、そこにあった花の半分ぐらいを摘んで、チューチュー吸ってしまった。
もちろん、その家の人にみつかり、思いっきり怒鳴られ、猛ダッシュで逃げた。


蜂よりアホだわな(笑)


これも帰り道だが、昔は良く道ばたにパチンコ玉が落ちていた。
しんすけ君と僕は、競い合ってパチンコ玉を拾っていた。


隠れ家に飾ろう!って意気込んで。


「あれ、俺が先に見つけたんだぞ!」とか言いながら、喧嘩になりながらも拾い続ける。

気づいたら、二人とも両手に持てないぐらい拾っていた。
で、次が最後の一個な!と言って、僕らはパチンコ玉を探していた。

パチンコ玉を見つけた!


「あれ、おれんだぞ!」
「いや、おれのだ!」


って言いながら、二人で走ってそのパチンコ玉に手を伸ばす。
そして、知らないおじさんに大声で怒鳴られた。

「お前等!こんなところで何してるんだ!出てけ!」と・・・。


えぇ、知らない間に、パチンコ屋さんに入ってしまってたんですね(笑)
二人とも、手に持っていたパチンコ玉を投げ捨て、全力で逃げました。

バカだなぁ、男子小学生は(笑)

しんすけ君、今頃達者にしてるんだろうか・・・。
Google Mapで調べたら、そのそば屋はまだ健在なので、きっと元気にしてるんだろうなぁ。

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