なんやそれ

「映画で見たあの光景」と全く同じものと言わないまでも、好きなあのシーンを再現?体験?したい気持ちがお相撲さんのようにどっしり構えて頭の中で対戦相手を待っている。
よくあるのは薄暗いシックな雰囲気のバーで飲んだりだとか、ジャズの演奏を聴きながらお食事したりだとか、どちらかというと洋画で多く見られるもの。
お気に入りのお酒を注文して、その場の雰囲気を楽しみつつぼーっとしたいものだ。なんてかっこいいんだろう。

そんな憧憬とは裏腹に友人に連れられるのは、アッパーな若者が集まるバー。
こちらもまたアッパーでないと、経過時間に比例してどんどんと居づらくなってくる。柔らかいお尻が椅子の硬さを感じ始めたら終わりの合図。帰りたくとも僕を連れてきた友人は時間が経つにつれ「出来上がっていく」。2人で来ているにも関わらず、僕を1人にして他の客の席に出向いている。「こんなはずじゃなかったのにな」と少しダウナーな気持ちになっていると、寂しそうな雰囲気が体から発せられ、余計に誰からも話しかけづらいご愁傷様状態に。
それに耐えれなくなって帰るのもムカつくし、今からテンション上げるのも見てられない。完全に詰んだわ最悪や、どうしようかと考えていると、こちらを見ていた男と目があった、何か話したそうな顔をしていたので、無視して帰った。



にゃーん