「1on1は多くの企業でうまくいってない」という現実と、これから
12/5に開催された1on1カンファレンスで講演しました。
下記は参加者の @nakayama_san さんに描いていただいたものです。一目でどのようなものか分かりますね。ありがとうございます。掲載許可をいただいたので転載します。
1on1のイベントというと人事や、採用した部門長、リーダーが話をするケースが多くなりそうですが、今回の1on1カンファレンスでは、1on1に限らず人と向き合う仕事をしている専門家の人たち、臨床心理士や産業カウンセラー、認知科学の研究をされている大学教授と相互交流するという、ちょっと変わったカンファレンスでした。
(第一回目にもかかわらず、運営のスタッフの方はプロジェクトマネジメントに秀でている方ばかりで、少人数運営にもかかわらず、非常にスムーズな体験となりました。非常にありがたいことです。)
今回、私は1on1の現実と、1on1の目的、どのように達成するかをお話をしました。企業の人事や管理職の方々の企業施策のお話しという場ではなかったこともあり、ネガティブな部分も含めて、よいしょ成分ゼロでお話しさせてもらったのは有りがたいことでした。
人によって冷や水となりかねないお話しもしましたが、実行委員長の尾澤さんには「好きなようにお話しなさってください」と後押ししてもらいました。参加者の人の感想を見ると楽しんでいただいたようで何よりでした。
「1on1は多くの企業でうまくいってない」という現実
さて、1on1は広まってきていますが、多くの企業でうまくいっていないお話を聞きます。というよりもほとんどです。
忙しくなると後回しになったり、なんのためにやっているのか分からなくなって、実施後まもなく形骸化してしまうようです。
5分だけ雑談して、1on1していることにしている場合もありますし、やっていないのにやったレポートを提出している場合すらあります。
一方で1on1がうまくいっている企業は、1on1が広まる前から実施していたり、人の能力を発揮させることに並々ならぬ関心を抱いている方のたまものです。会話を通じて人の能力を発揮させるスキルは高度な専門技術ですので、ちょっと講習を受けたらできるわけではありません。
流行っているからといって制度のみを導入しても、モチベーションが上がったかといった漠然とした評価…制度として成立するための評価指標にしてしまったり、現場にとっても1on1をしていることにしている嘘のレポートを上げるようになってしまいます。
もちろん、ちゃんとやりたいのはやまやまだけれども、時間をかけて学ぶ時間もない…という現実もあります。
詳しいことはプレゼン資料を眺めていただきたいと思いますが、大切なことは
・1on1をやれば仕事が楽になる
・企業として儲かる
などの、会社の中で毎月176時間も時間を使っている日々のなかで、現場にとっても経営陣にとっても、関心のあることが実現できていないと形骸化してしまうというところです。
こういった重要なポイントを実現できれば、傾聴がどうだとか、レポーティングがどうだ、といったことは些細なお話しだと私は考えます。1on1はあくまで大切な何かを実現するための手段ですから。これから普及に伴って、効果を上げられるところが残っていくと思います。
やってるふりではなく、しっかりと効果を上げるという観点の1on1をスライド資料の形ですが公開しています。参考になれば嬉しいです。
今回の話で出てきた質の高い問いかけをどう作るかについて、菅ケンイチさんとお話ししましたので、合わせて聞いてみてください。
今回の発表のベースとなっている1on1大全はこちらから購入できますので、スライドがお役立ちになりそうでしたらどうぞ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?