【所感】BABYMETALが自身初のメキシコ公演を完遂!
2015年5月11日 Text by Kotaro MASUDA a.k.a. TAROMETAL
BABYMETALのワールド・ツアーが5月9日、メキシコの地で幕を開けた。公演開始は日本時間だと10日(日)の午前10時だったので、リアルタイムでTwitterのタイムラインを監視したり、YouTubeやInstagramをチェックするには打ってつけだったのではないだろうか。
会場となるCirco Voladorがあるメキシコ・シティの標高は2,240m。高地なので3人の体力が持つのかという不安があったが、どうやら杞憂に終わったようだ。現地からのツイートを見ているかぎりでは、最後まで元気一杯、笑顔あふれるパフォーマンスを見せてくれた模様(実際のところ、高地対策をしていたのかどうかが気になるが)。
いろいろと見所があったBABYMETAL初の中米公演は、いかにもラテン系らしいファン達の熱いノリ(とにかくでかい声で歌う!)と、非公式グッズを平然と並べた屋台やテントが会場周辺のそこかしこで見られた様子が実に印象的だった(KOBAMETALがバッタ物屋を写真に撮っている姿もあった)。
▼明らかに非公式なグッズが堂々と売られている……
▼撮影するKOBAMETAL。はたしてのその真意は?
メキシコ公演が決まった時には、メキシコのメタル市場に疎い私は「どれだけ盛り上がるんだろう」と一抹の不安を感じたのだが、これも杞憂だった。キャパ4,000人近い会場は8割がた埋まったと聞く。メタルの需要があるかないかなんて関係ない。BABYMETALが愛されているかどうかが問題なのであり、メキシコには間違いなく熱いメタルハートを持ったBABYMETALファンが多数存在していたのだ。
さて、次々とネットに上げられたFanCam動画を見ていて特に印象に残ったのは、次の5点。
①3人の笑顔
SU-METAL、YUIMETAL、MOAMETALの3人が、かつてないほど満面の笑みを浮かべているシーンが数多く見られたと思う。演技ではなく、心の底からステージを楽しんでいることがよくわかる、とても素敵で魅力的な笑顔があふれていた。今までのライブでは見たことがないような表情を目にすることもできた。
メタルの聖少女達の辞書には、「初めて訪れる国でパフォーマンスを披露することの緊張感」などという言葉は存在しないのかもしれない。
②"ヘドバンギャー!!"の振り付け
「15の夜を~」の所で、YUIMETALとMOAMETALが両手両足を大きく広げてジャンプする振り付けが、お立ち台に片足をかけて拳を振り上げるようなスタイルに変わっていた。体力の消耗を防ぐ狙いがあったのではという声も聞かれたが、はたして真相はいかに。
③"Road Of Resistance"のイントロでの出来事
MOAMETALが手にしたフラッグのポールを勢いよくお立ち台に突き立てる所で、突き立てた瞬間に「コンッ!」と大きな音がしたこと。そんなに力を入れていたんだと驚くとともに、その音を拾えるくらいステージにかじりついていた人がいたことにもビックリした。
④神バンドのソロ
"Catch Me If You Can"に入る前のソロタイム。藤岡神は変態的とも言える高速フレーズを紡ぎ出し、大村神はメキシコ国家を散りばめ、BOH神は見た目もかっこいいスラッピングを披露。圧巻は青山神のドラム。両手を高々と掲げながらのツーバス連打はインパクト絶大だった。
「俺たちも進化している!」「まだまだ、こんなもんじゃない!」ーーまるで3人の成長ぶりに触発されたかのような、神々の怒涛のソロタイム。底知れぬポテンシャルを秘めていたのは、3人だけではなかったのだ。
神々がミュージシャンとして一流であり、その技量が極めて高いことは周知の事実。「Metal Hammer」誌の編集長が去年放送されたNHK特番のインタビューで語っていたように、ハックバンドの演奏スキルの高さはBABYMETALが世界で「本物のメタル」として受け入れられている要因の1つだ。
その神々の技量が、今なお進化し、向上しているとは……。BABYMETALとの出会いが、神々のミュージシャンとしての成長をも促していることを実感した。
⑤コールの変化
"ギミチョコ!!"でのコール&レスポンス際に,のYUIMETALのセリフが「らうだー!らうだー!」から「Make some noise!」に代わっていた。また,"RoR"の最後で「We are BABYMETAL!」と叫ぶ所がスペイン語の叫び(たぶん「メヒコ!」と言っていたような気がする)になっていた。
他にも,"いいね!"でSU-METALが「カモン!」と言わなかったり,"ド・キ・ド・キ☆モーニング"で「今何時?」の前に「Say!」と言わなかったりといったマイナーチェンジがあった。
さあ、次は5月12日のトロントだ(日本時間の13日)。チームBABYMETALも現地入りした模様。会場のDanforth Music Hallはキャパが約1,300人と小さく、日本のO-EASTクラス。小さな会場ならではの盛り上がりを見せてくれることに期待しよう。
最後に、すでにご存知の方も多いと思うが、メキシコ公演のセットリストと、ライブの様子がとてもよくわかる写真が掲載されているサイトを紹介する。
【Set List】
BABYMETAL WORLD TOUR 2015
May 9 2015 at Circo Volador, Mexico City
01.BABYMETAL DEATH
02.いいね!
03.メギツネ
04.悪夢の輪舞曲
05.おねだり大作戦
-神バンド・ソロ-
06.Catch me if you can
07.紅月-アカツキ-
08.4の歌
09.ド・キ・ド・キ☆モーニング
10.ギミチョコ!!
11.イジメ、ダメ、ゼッタイ
-ENCORE-
12.ヘドバンギャー!!
13.Road of Resistance
予定では"いいね!"の次に"ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト"を演る予定だったが,技術的トラブルにより飛ばされた模様。
▼Twitterに上がっていたセットリストの写真。確かに3曲目に"Uki Uki ★ Midnight"とある。
【Photos】
Toni Francoisさんによる超高品質な写真が25枚公開されている。3人の表情や動きが上手く捉えられていて、会場の臨場感がリアルに伝わるものばかりだ。
→"FOTOS:BABYMETAL EN EL CIRCO VOLADOR"
ちなみに同氏のflickrにはJUDAS PRIESTのかっこいい写真も多数アップされているので、ぜひチェックしてみてほしい。→www.flickr.com/photos/tonifrancois
それにしても、ワールド・ツアー公式フォトグラファーを務めるDanaさんによる写真を早く見たい!
See you!
※アメブロからの転載です。
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