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レビュー/DragonForceの9thアルバム「WARP SPEED WARRIORS」はバンド史上最速間違いなし

WARP SPEED WARRIORS / DragonForce
2024年3月発売

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エクストリーム・スピード・メタルの王者・DragonForceが通算9作目となるスタジオ・アルバムをリリースした。全10曲,50分弱というコンパクト仕様ながらとても濃密なアルバムである。

DragonForceと言えば“速さ”へのこだわりが尋常ではないことで有名(?)だが,このアルバムはおそらく“DragonForce史上最速”を体感できるクレイジーな1枚なのではないか。タイトルに偽りなし。とんでもなく速い爆速曲が次から次へと繰り出される。

尋常ではない“速さ”を誇りながらも演奏が乱れることは皆無。もたつくこともなければ前のめりになることもなく,もちろん曲が崩壊してしまうこともない。極限状態の連続なのに最後まで緻密な構成の上に成り立っていることがよく分かる鉄壁のパフォーマンスは,実に彼ららしくて素晴らしい。毎度のことながら楽器隊の演奏スキルの高さには驚くばかりである。開いた口がふさがらない(特にドラム)。

たとえば01“Astro Warrior Anthem”や07“The Killer Queen”は典型的なDragonForceタイプの曲で驚異的なスピードを誇るナンバーだが,本作最速は04“Burning Heart”あるいは09“Pixel Prison”だろう。聴けば度肝を抜かれること間違いなし。

“速さ”がDragonForce最大の魅力だとするならば,それに匹敵するもう一つの魅力は“明るさ”だろうか。“速さ”と“明るさ”はDragonForceという名の車の両輪である。キャッチーなメロディに象徴される,能天気とさえ言える超ポジティブで開放的な曲調は,“速さ”を追求することでともすれば生じかねないシリアスな空気をひっくり返し,パーティ・ソングと言っても過言ではない“明るく,楽しい”雰囲気を強烈に醸成している。

最速チューン07“The Killer Queen”に続く08“Doomsday Party”はその象徴と言える曲で,80年代を想起させるディスコ風味が面白い。アルバムの最後を飾る10“Wildest Dreams”もスピード感に満ちてキャッチーな佳曲だが,実はあのテイラー・スウィフトのカバーというから驚きだ。見事なDragonForce流アレンジである。ボーナス・トラックではなくアルバム正規の曲という位置づけであることも納得の出来栄えだと思う。

恐ろしいほどアグレッシヴでありながら底抜けに楽しい爆速メタルは,彼らにしか生み出せないものだ。思わずシンガロングしたくなる曲が満載のアルバムなので,早くライブが見たい。

【収録曲】
01 Astro Warrior Anthem
02 Power OF The Triforce
03 Kingdom Of Steel
04 Burning Heart
05 Space Marine Corp
06 Prelude To Darkness
07 The Killer Queen
08 Doomsday Party
09 Pixel Prison
10 Wildest Dreams (DragonForce's Version)


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