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レビュー/メロデス王の帰還 〜 In Flamesの14thアルバム「FOREGONE」

FOREGONE / In Flames
2023年2月発売

メロデス王の帰還。それ以外にこのアルバムを表現する言葉が見つからない。

“イェテボリ・サウンド”を確立した北欧産メロディック・デス・メタルの始祖でありながら,そのスタイルをフレキシブルに変化・進化させてきたIn Flames。近年ではエモいメロディと硬質なサウンドが一体となったヘヴィ・ロックを聴かせてきたが,ここへきてメタル濃度が非常に高い1枚を生み出した。

前作「I, THE MASK」からおよそ4年ぶりにリリースされた本作「FOREGONE」はメランコリックでメロディアス。それでいてとことんアグレッシヴでブルータル。両極端な要素が極めて高いレベルで融合しており,剛にも柔にもリミッターが振り切れまくる衝撃の作風だ。

比較的ソフトな部類に属する楽曲は近年の彼ららしい曲と言える。その一方で,特筆すべきはメタル濃度濃いめの楽曲群だ。単にヘヴィでメタルっぽいというだけではなく,メロディの乗せ方やギター・リフがまさしく初期のIn Flames,つまりメロディック・デス・メタルのそれなのだ。

メロデス色を強めているもう一つの要素は,アンダース・フリーデンのヴォーカルである。ここ数作ではクリーン・ヴォイスの比重が高まっていて“歌う”ことが多かったのだが,本作では明らかにスクリーム/シャウト系が増えている。激情ほとばしるそのヴォーカルはメロディック・デス・メタルの象徴だ。結果としてクリーンに歌うパートと激しくスクリームするパートのコントラストが強く描き出されており,そのメリハリもまた「FOREGONE]の魅力になっていると思う。

In Flamesは4月に幕張で開催される「KNOTFEST JAPAN」に登場する予定だ。そのステージが“メロデス王の帰還”と呼ぶにふさわしいものになるのかどうか。今から楽しみだ。

【収録曲】
01 The Beggining Of All Things That Will End
02 State Of Slow Decay
03 Meet Your Maker
04 Bleeding Out
05 Foregone Pt.1
06 Foregone Pt.2
07 Pure Light Of Mind
08 The Great Deceiver
09 In The Dark
10 A Dialogue In B Flat Minor
11 Cynosure
11 End The Transmission


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