LOVEBITESが10月25日（日）に1stアルバムの完全再現スタジオライブを配信した。「AWAKE AGAIN - AWAKENING FROM ABYSS 3RD ANNIVERSARY STUDIO LIVE」という名称からも分かるように，今回の企画には1stアルバム発売3周年記念という意味合いがあったようだが，おそらくそれは後付けなのではないかと思う。コロナ禍にあって予定されていたライブがことごとく中止に追い込まれる中，バンドとしての活動を少しでも前進させていかなければという危機感と，そして何より鬱々とした日々が続いているからこそ楽しい時間をファンと共有したいという熱い思いが，今回の配信ライブ開催の根底にあるに違いない。

配信ライブはほぼ定刻の17時過ぎにスタート。正味およそ1時間の濃密なライブだったが，始まってまずびっくりしたのがメンバーの服装。普段のライブならば白を基調とした上品で華やかなそろいのコスチュームに身を包んでプレイしているわけだが，今回は全員が私服（！）。エレガント系，カッコカワイイ系，クール系などなど，各メンバーの個性が際立つ印象的な装いだったと思う。

日常を感じさせる姿の彼女たちがスタジオでプレイする様子は，一見するとまるでリハーサルのようだった。しかし演奏は完全にガチで，一部のスキもなし。私服姿と本気のプレイというギャップが，何だか面白かった。各メンバーの様子を間近で見ることができたのも配信ならでは。特に普段のライブではドラムセットに埋もれがちになってしまうharunaさんの勇姿を右から左から上から撮ってくれたのが良かった。harunaさん自身もここぞとばかりに満面の笑顔でカメラ目線を連発。後にご自身もカメラ目線を意識したとツイートしていたが，とても貴重なシーンをたくさん見させてもらった。

他のメンバーも良い意味でいつも通りだったと思う。miyakoさんはクールにプレイ。キーボードとギターを同時に演奏する姿をじっくりと見たが，楽器が弾けない私にとっては，いったいどうしたらあのような芸当ができるのか想像すらできない。

mihoさんはスタジオ内で私服という状況でも随所でヘドバンを投下。METALLICAのTシャツ着用ということもあり，バンドのメタル要素をビジュアル面から強烈にプッシュしていたと思う。

midoriさんはメンバーの中で最もアクションが大きかった印象だ（表情の豊かさ含む）。スタジオだとある程度おとなしくしていなければならいので，若干窮屈だったのではないかと推察。ゴールドに輝くトップスと，この日のために１０年ぶりくらいに買ったというスカートが素敵だった。

asamiさんは……スタジオなのにお立ち台が用意されていたのには笑った。スタジオでもライブはライブ。ここぞという場面でお立ち台の上でスクリームするだけでライブっぽさが増す。途中，ちょっと気を抜いたのか頬をプーッとふくらませる姿がキュートだった。そんな瞬間を捉えられてしまうのも配信ライブならではかもしれない。

配信でありながらサウンドも極めて高品質だった点も見逃せない。今回の配信ライブは無料ではなくて有料（一般3,000円，ファンクラブ会員2,500円）。だからこそクオリティが高いコンテンツを提供するのだという，バンド側のプロフェッショナルな意識を強く感じた。配信とはいえこれほどのライブをCD１枚分の金額で楽しめてしまうのだから，ファンとしてはありがたいかぎり。むしろもう少し高めの金額設定でも良かったのではないかと思ってしまうほど素晴らしいライブだった。

ライブ終了後には待望の２０２１年ツアーの日程が発表された。１月に横浜と東京，２月に名古屋，３月に大阪とわずか４日ではあるが，コロナ禍にあってついにライブに向けて始動したというだけでも涙が出るくらいうれしい。感染症防止策を徹底して開催するということなので，参戦するファンも万全の態勢で臨みたいところ。クラスターを絶対に発生させないという強い思いを胸に楽しもう。