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【レビュー】Road Of Resistance / BABYMETAL

2015年2月3日 Text by Kotaro MASUDA a.k.a. TAROMETAL

Road Of Resistance / BABYMETAL
2015年2月1日発売(オンライン配信限定)

今さらながらBABYMETALの新曲"Road Of Resistance"をレビュー。今までは限定配信だったけど,この度晴れて通常配信されたので,その記念ということで。

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何より衝撃的かつ印象的なのは,この曲のオープニングだ。最初の60秒で茫然自失になること間違いなし。

断言しよう。

ツイン・リードによる美旋律が印象的なイントロから,ブラック・メタルそのまんまの凶悪なブラスト・ビートが炸裂するまでの一連の流れの美しさは,ヘヴィ・メタル史上に燦然と輝くJudas Priestの超名曲"The Hellion”〜”Electric “Eyeに匹敵する。

この曲は(とりわけ最初の60秒強)は,そのくらいの勇壮さ,聴く者の魂を揺さぶる高潔さに満ちていると思う。

歌詞も良い。"イジメ,ダメ,ゼッタイ"のようにメッセージ性があり,しかもそれが「信じる道を突き進め」という激アツなものなのだ。ヘヴィ・メタルを愛する者の魂に響かないわけがない。

終盤の「うおーおーおおー」というパートは,ライブでは会場内で大合唱が沸き起こる印象的なパートだ。ライブ盤ではないのでライブ会場での魂が震えるような一体感は再現されないが,ライブに参戦したことがある人にとってはそのシーンが脳内再生され,勝手に感動するはずだ。

成長著しいSU-METALの旬なヴォーカルを堪能できるのも良い。限界いっぱいまで能力を開放して歌っているというよりは,余裕を持って丁寧に歌い上げている印象だ。さすがにライブで発揮される圧倒的な迫力はやや影を潜めているが,それでも聴く者の耳と心に突き刺さる抜群の存在感は不変。とりわけ最後の絶叫は鳥肌モノだ。

元々がDragonForceのギタリストであるHerman LiとSam Totmanが曲作りに参加したと言われる曲なだけに,「どこを切ってもDragonForce印」であることは事実。演奏力の限界に挑むかの如きテクニカルでスピーディーな曲構成しかり,「ピロピロ」ギター・ソロしかり。ヴォーカルがSU-METALではなかったらDragonForceの曲だと言われても何の不思議もない。曲そのものは一級品のメロディック・スピード・メタルだ。

唯一残念なのは,YUIMETALとMOAMETALのコーラスがあまりフィーチャーされていないこと。ちよっとだけ入ってはいるものの,何となく浮いた感じになってしまっているのでもったいない。曲の雰囲気にマッチしたコーラスだったら,もっと曲がドラマチックになったのではないかと思う。

とはいえ,"Road Of Resistance"がBABYMETALの新たなアンセムであることに変わりはない。ライブ映えのする,屈指の名曲だ。

※アメブロからの転載です。

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