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レビュー/DRAGONFORCEの7thアルバム「REACHING INTO INFINITY」

REACHING INTO INFINITY / DRAGONFORCE
2017年5月17日発売

大英帝国が誇るエクストリーム・スピード・メタルの雄DRAGONFORCEが放つ7thアルバム。

「どこを切ってもDRAGONGORCE」的な安心の1枚。いつものように(良い意味で)スピードを極限まで極めながらもキャッチーでメロディアスでキラキラした印象の楽曲が並ぶ。たとえば02"Ashes Of The Dawn"はその典型。

ただしじっくりと聴き込んでいくと,今までのDRAGONFORCEのアルバムではあまり強く感じられなかった要素が目立つことに気付く。90年前後のいわゆるメロディック・パワー・メタル全盛期によく耳にした気がする雰囲気の曲(05"Curse Of Darkness"や11"Our Final Stand")や,Voのマーク・ハドソンの歌い方がHELLOWEENのアンディ・デリスっぽい曲(04"Astral Empire"の冒頭部分や10"The Edge Of The World"),あるいは古き良きスラッシュ・メタルのような曲(08"War!")があるのだ。これは多分に本アルバムではほぼすべての作曲をフレデリク・ルクレールが担っていることが大きな要因だと思う(前作まではフレデリクとサム・トットマンの共作が多かった)。もちろんそれは単なる模倣や真似事といった低レベルの話ではなく,そのような要素や雰囲気を巧みに取り入れてDRAGONFORCEらしく仕上げているという意味での話だ。

どの曲も圧倒的なクオリティを誇るが,おすすめを1曲挙げるとすれば08"WAR!"だ。低音域で吐き捨て気味に歌うマーク。サビの部分で低く邪悪に鳴り響くデス・メタルっぽいバック・コーラス。もの凄い速さで突進するという点では彼ららしいが,終盤でミッド・テンポに転じるところも含めてかなりスラッシュ/デスっぽい雰囲気の曲で,もう単純にかっこいい。

ちなみにボーナス・トラックの12"Hatred And Revenge"はサム・トットマンによる曲だが,80年代~90年代のテイストが色濃く出ていて興味深い。さらに日本盤のボーナス・トラックにはZIGGYの名曲"グロリア"が収録されている。歌詞はもちろん日本語だ。

REACHING INTO INFINITY
01 Reaching Into Infinity
02 Ashes Of The Dawn
03 Judgement Day
04 Astral Empire
05 Curse Of Darkness
06 Silence
07 Midnight Madness
08 War!
09 Land Of Shatterd Dreams
10 The Edge Of The World
11 Our Final Stand
12 Hatred And Revenge (Bonus Track)
13 Evil Dead (Bonus Track)
14 Gloria(日本盤ボーナス・トラック)

※アメブロからの転載です。

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