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レビュー/時代を超越した不老不死の超名盤 Evanescence「Fallen (20th Anniversary Deluxe Edition)」

Fallen / Evanescence
20th Anniversary Deluxe Edition
2023年11月発売

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アメリカのロック・バンドEvanescenceが1stアルバム「Fallen」を2003年にリリースして今年で20年。累計1400万枚の売り上げを誇るこのモンスター・アルバムの誕生20周年を記念して発売されたのが,本作「Fallen (20th Anniversary Deluxe Edition)」である。その名の通りの特別仕様で,①最新リマスター,②特別アートワーク,③未発表曲やデモ音源など10曲を追加,④日本盤はSHM-CD,という豪華な内容だ。

最新リマスターが施されたことにより,低音域が強化されて全体的に迫力が若干ではあるが増した印象を受ける。曲によってはギター・リフのザクザク感も目立つようになった。もともとヴォーカル・オリエンテッドな作りなので,リマスターされたとはいえ主役はあくまでもエイミーのヴォーカル。楽器隊の音にそこまで大きな変化は見られないというのが,素人としての率直な感想だ。

全11曲を何度か通して聴いて,Evanescenceが唯一無二の個性を持ったバンドであり,この衝撃のデビュー作もまた同様であることを再認識させられた。捨て曲なしの名盤であり,時代や世代を超えて多くの人を魅了する「不老不死」のアルバムである。

どの曲も4分前後というコンパクトな作りながら,それぞれが強烈なドラマ性と美しさを有している。エイミーのファッション・スタイルから“ゴシック”と形容されることが多いが,楽曲自体はゴシックというよりはダークと表現した方が正しいだろう。このバンドが描き出す世界は独特で,「Evanescenceに似た音楽」にはこの20年間お目にかかったことがない。

20年間ほとんど変わらないエイミーの歌声も素晴らしい。さすがにオリジナル版「Fallen」の頃の方がほんの少しだけ若さというか幼さを感じさせるものの,まっすぐで伸びやか,それでいてパワフルな歌声は不変である。エモーショナルで刹那的なエイミーの歌唱こそがEvanescenceなのだ。

【収録曲】
CD-1

01 Going Under
02 Bring Me To Life
03 Everybody’s Fool
04 My Immortal
05 Haunted
06 Tourniquet
07 Imaginary
08 Taking Over Me
09 Hello
10 My Last Breath

11 Whisper

CD-2
01 My Immortal (Band Version)
02 Breathe No More
03 Farther Away
04 Missing
05 My Immortal (Strings Version)
06 Bring Me To Life (Demo)
07 Bring Me To Life (AOL Session - April 15, 2003)
08 Going Under (Live Acoustic - 2003)
09 Bring Me To Life (Live On Triple M’s Garden Session, Australia - June, 2020)
10 My Immortal (Live At O2 Arena, London - November 14, 2022)


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