KNOCKIN' AT HEAVEN'S GATE ～ LIVE IN TOKYO 2023 ～ / LOVEBITES
2023年8月発売

メンバー脱退による活動休止から華麗かつ劇的に復活を遂げたLOVEBITESの，記念すべき新体制初となるライブを収録した映像作品。LOVEBITESの復活公演「WE ARE THE RESURRECTION」は2023年3月11日と12日にEX THEATER ROPPONGIで行わたが，この作品に収録されているのは公演初日の模様だ。なお，ライブそのもののレポートについては「ライブ参戦レポ／メンバー交代を経てLOVEBITESが華麗なる復活を遂げた夜」をご覧いただきたい。

最初から最後まで通して観て感じたのは，ステージ上でプレイする5人のメンバーの笑顔がとても素晴らしいということ。新型コロナウィルス感染症に加えてメンバー脱退という危機を乗り越えて，無事に有観客による声出し解禁ライブを開催できたという喜びが各メンバーの全身から発散されていて，その姿を見ているだけで幸せな気持ちになれる。それくらい多幸感にあふれるライブだったと思う。

笑顔という点では，この公演がLOVEBITESのメンバーとして初のライブとなるFamiさんに触れないわけにはいかない。これだけの観客の前でプレイすることが初めてという事実をまったく感じさせない堂々たるプレイぶりには心底驚かされるが，それと同時に終始笑顔全開でベースを弾きまくるその姿もまた実に素敵でチャーミング。彼女がこのライブを心の底から楽しんでいる様子が，画面から溢れ出てくるようだ。

超攻撃的なセット・リストも強烈なインパクトを放っている。ライブ参戦レポでも触れたが，ライブ冒頭の2曲（“The Awakening”～“The Hammer Of Wrath”）は彼女たちのデビュー・アルバム「AWAKENING FROM ABYSS」の冒頭2曲そのままで，その事実がこのライブの意味を何よりも雄弁に物語っていて鳥肌ものである。まさに原点回帰にして再始動，初心忘るべからずと言うべきか。「ここから再び一歩踏み出すのだ」という心意気を強く感じさせる幕開けだ。その後もスピーディーかつアグレッシブなタイプの曲が次々と繰り出される。

白眉のパフォーマンスだったと思うのが，“Stand And Deliver (Shoot 'em Down)”である。この曲のMVがYouTubeで公開されたときから「これはライブ映えするだろうな」と思っていたのだが，その予想は正しかった。Motörheadを彷彿とさせる迫力満点の突撃型ロックンロールは，ライブ初披露とは思えない圧巻の出来栄えである。メンバーとオーディエンスが一体となって歌う（叫ぶ）サビでは，ライブならではの痺れるような感動を味わうことができる。LOVEBITES随一のかっこいい曲だと断言しておこう。

各メンバーのスキルフルでタイトな演奏にも度肝を抜かれるが，中でもharunaさんの凄さを改めて再認識させられた。手数足数の多さ，最初から最後まで突っ走るスタミナ，そして正確無比なテクニック――。ライブ会場ではその“音”を通してharunaさんのプレイの魅力を体感できるが，この映像作品ではその強烈な“音”を叩き出す鬼神の如きプレイの数々を目で見て楽しむことができるのだ。バンド内で最も小柄なあの体躯のいったいどこに，これほどのパワーが秘められているのだろう。

ちなみに「KNOCKIN' AT HEAVEN'S GATE」には複数の商品タイプが存在する。私が購入したのは「FC限定盤」で，Tシャツ，ハンドタオル，直筆サイン入りバンド・フォトカードがバンドルされていた。さらに初回プレス封入特典として同公演のAAAラミネート・パスのレプリカも付いているという超豪華仕様である。サウンドも良好なので，同時発売のライブCDもおすすめ。

【セット・リスト】
01. Opening (The Five Coffins)
02. The Awakening
03. The Hammer Of Wrath
04. Bravehearted
05. Don't Bite The Dust
06. Stand And Deliver (Shoot 'em Down)
07. Shadowmaker
08. Break The Wall
09. Dancing With The Devil
10. Piano solo (Ballade No.1 In G Minor. Op.23)
11. Liar
12. Judgement Day
13. Nameless Warrior
14. M.D.O.
15. When Destinies Align
16. Holy War
17. Glory To The World