※2020年2月23日に公開するはずだったのですが，誤ってアメブロに投稿してしまったので，今さらですがnoteでも公開します。

ライブは定刻の19時から10分ほど遅れて開始。およそ2時間にわたるショウはMCらしいMCはほとんどなく，ほぼ楽曲のパフォーマンス一本槍という実にストイックなものだった。その雰囲気はまるで「来日公演」のよう。各メンバーが放つオーラが強烈で，バンド全体としてもスケール感と存在感が以前よりも数段パワーアップしていると感じた。ステージ後方の壁全面に堂々と掲げられたバックドロップの大きさが，バンドの成長を物語る。王者の風格漂う圧巻のパフォーマンスを下手4列目で楽しめたのは幸せのかぎり。

雷鳴轟くSEに導かれて披露された1曲めは“Thunder Vengeance"。ステージ上の5人は3rdアルバム「ELECTRIC PENTAGRAM」のジャケット裏面に載っているのと全く同じ新コスチュームを身にまとっていた。しかもきちんとジャケットを羽織った正装バージョン。ふと気づけばなぜかみんな真顔で演奏しており，笑顔は一切なし。とりわけ私のほぼ正面でプレイするmidoriさんの表情はクールを通り越して怒っているようですらあり，怖いくらいだった。何故だろうと思ったのだが，どうやらこれは演出だったようで，2曲めの“Holy War”になると全員ジャケットを脱ぎ捨てていつものように笑顔でプレイ。何だか安心した。

今回は整理番号が170番代と比較的良番だったので，下手中央寄りの4列目に陣取った。4列目の何がすごいって、ステージ上の各メンバーの表情がよくわかること。midoriさんなんか腕の筋肉がうっすらと盛り上がっている様子まで見てとれた。ステージ中央には花道も設置されており，メンバーがそこでプレイしている姿はまさに「すぐそこ」という近さ。ギター・ソロでmidoriさんとmiyakoさんが来ることが多かったが，フィンガリングやピッキングの様子まで肉眼で視認できた。

ステージ上手はmiyakoさんの持ち場だが，真っ白なグランドピアノが鎮座していてビックリした。Yoshikiのクリスタル・グランドピアノを意識したわけではないだろうが，上品で美しく，とても見栄えが良かった。miyakoさんはそのピアノを随所でプレイ。その綺麗な調べはパフォーマンスでの良いアクセントになっていた。なかでもご本人がとても緊張したと言っていた“革命のエチュード”は素晴らしかったと思う。

そのmiyakoさん。“M.D.O.”の時に下手に来てくれたのだが，「どうも～」という感じで手をひらひら振りながら登場。楽曲の激しさとは裏腹な可愛らしい仕草が微笑ましかった。

asamiさんのパフォーマンスは盤石。2時間の長丁場だったにもかかわらず，そのパワフルな歌声は最初から最後まで揺らぐことがまったくなかった。最も印象に残っているのは“Swan Song”で見せたしなやかな腕の動き。バレエっぽい動作で，白鳥の羽ばたきを感じさせる優美でしなやかな所作に，ほれぼれと見入ってしまった。

本編14曲をほぼノンストップで走り続けたharunaさんの体力にも感服。失礼ながら，あの小さな身体のどこにそんなスタミナが備わっているのだろうと，ライブを見るたびにいつも思ってしまう。今回はドラムが一段高い位置にセッティングされていたので，ゴージャスな機材に半ば埋もれながらも手数足数の多いプレイをこれでもかと笑顔で披露する姿をよく見ることができた。

国内外を問わずライブを重ねることで確実にバンドとしての迫力を増しつつあるLOVEBITES。Zeppクラスの会場の空気は問題なく支配できるようになった。今後のステップアップを見据えたときの課題は動員力だろうか。今日の会場を見るかぎりでは，客層は中年男性が圧倒的多数。まだまだ若者と女性の数が足りない。そこがクリアできれば，もっと大きな会場でのライブも実現すると思うのが。

【セット・リスト】
LOVEBITES ELECTRIC PENTAGRAM TOUR 2020
2020年2月21日（金）
Zepp DiverCity Tokyo
01 Thunder Vengeance
02 Holy War
03 Don't Bite The Dust
04 Rising
05 Raise Some Hell
06 Break The Wall
07 Shadowmaker
08 Swan Song
09 Addicted
10 Dancing With The Devil
11 Signs Of Deliverance
12 M.D.O.
13 Golden Destination
14 When Destinies Align
-Encore-
15 The Awakening
16 The Hammer Of Wrath
17 Edge Of The World
18 We The United