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ダンジョンズ&ドラゴンズ第5版はそろそろ「王道」シナリオが欲しい

ウィザーズによる新展開開始から10ヶ月が経過し、映画『アウトローたちの誇り』やコンピューターゲーム『バルダーズ・ゲート3』によって国内でもさらに注目が集まるD&D。

VTuberによる初プレイの配信も少しずつ増えてきており、私もいくつか拝見させていただきました。
その多くがクトゥルフ神話TRPG方面から来たのでしょう。D&Dは元祖RPG、王道の剣と魔法のファンタジーとして、「王道楽しい」「ファンタジー楽しい」という声が多くありました。
そう思うのなら、やはり王道なシナリオ本が欲しいところです。

しかし、ここまでウィザーズの新体制で発売されたシナリオは初心者向けセットの『竜たちの島ストームレック』(スターターセット)と『アイススパイア山の竜』(デラックスプレイボックス)以外は、児童書風味の『ウィッチライトの彼方へ』だけ。

10月には短編シナリオ&地域設定集として『レイディアント・シタデル:光の城塞より/Journey through the Radiant Citadel』の邦訳が決定していますが、これもエスニックな香り漂うヨーロッパ風をあえて外した国際色豊かなシナリオ&地域設定集です(日本の漁村風の地域の設定も登場するそうですが)。

王道的なシナリオはホビージャパン時代に出てはいますが、今から店頭を探すというのも酷なもの。
ですが、もし私の予想が正しければ、次こそ「王道」のシナリオが登場すると思われます。

「竜槍戦争」来る

日本版の新訳本の発売順は概ねヨーロッパ圏版の流れと一致しています。
ヨーロッパ版では23年に『ウィッチライトの彼方へ』、『フィズバンと竜の宝物庫』が発売され、この後『レイディアント・シタデル』ともう一冊を控えています。

ファンの熱い要望によってか一時『ターシャの万物釜』に移ったものの、『光の城塞』の発売により、「基本的に」同様であることがわかりました。
そして、ヨーロッパ版で『光の城塞』の次に発売が予定されているのは…

『Dragonlance: Shadow of the Dragon Queen』―『ドラゴンランス』の世界観を舞台とした長編戦記物です。

ドラゴンランスの世界には、善悪の竜神に導かれた英雄たち。ドラゴンに乗る暗黒の騎士。過酷な試練を課す魔法使い。この辺が全部あります。ベタもベタすぎるし、混じりっけ無しの真っ向勝負。ですがそれでいいんです。きっと顧客が求めているものなので。

でも一つじゃ物足りない

しかし、一つでは到底足りません。昨年末のように、ホビージャパン時代の本の再販がやはり欲しい所です。つまり、ここからは個人的な願望です。

そこで今筆頭候補に挙がるのは『バルダーズ・ゲート:地獄の戦場アヴェルヌス』(英語版:2020/9/17)―元々『バルダーズ・ゲート3』(以下BG3)のアーリーアクセス開始(2020/10/6)に先立って発売された長編シナリオです。

バルダーズ・ゲート3が多くの日本人ゲーマーの観測範囲外から現れ、注目を集め始めている中、そちらの前日譚にあたるこのシナリオがバルダーズ・ゲート3のPS5での日本語版発売と近い時期に再販されれば、原作D&Dにも注目されること待ったなしでしょう。

そして、このシナリオは地獄でマッドマックスしたりすることはありますが、バルダーズ・ゲート周辺の街並みや、地獄の手先となった堕天使など、光の城塞やウィッチライトに比べれば王道に近い内容なので、不足している王道需要も満たせるのです。

次の年末が迫る中、D&Dは更なる躍進を狙える弾を持っています。問題は、それを的確に発射することができるか。すべてはウィザーズの采配にかかっています。

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