死すべき定め-死にゆく人に何ができるか(アトゥール・ガワンデ)

みすず書房  原井 博明訳

医師が患者(クライアント)に対応する基本的なパターンとして以下の3つがあると本書では述べられている。

➀家父長制的 ②情報提供型 ③解釈的

言葉はどうあれ、コンサルタントにも当てはまるものだと思う。

そして、とくに老齢期や終末期にある患者には③(コンサルタント的には適応を要する問題へ対処する場合の姿勢といったほうがよいかもしれない)が適切な方法であるという。

➀については、単に不足する知識や技術を使えば解決できる問題の場合であればスピーディに対応でき、目に見える成果も双方が確認、共有しやすいので、その場合にはもちろん今でも優れた手法だといえると思う。しかし最近では、クライアントが依頼してくる問題は、複雑に様々な事象が関連していて単に知識や技術を教練するだけでは解決の方向に進みすらしないものがほとんどだろう。ましてや②だけで終わってしまう”診断”のみのやり方は、真にクライアントを支援しているとは言えないと思う。

であれば、現代の医師やコンサルタント、トレーナー等は③の手法を身に付けておくことは必須であるといえるだろう。

ちなみに、医師とコンサルタントの対応で決定的に異なることがあるとすれば、医師はどこまで行っても「よく生きることを助ける」ことを目指すべきだが、コンサルタントは「よい終わり方になるよう助ける」ことも考えておく必要があるということである。

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