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#イスラム金融101

”シャリーアコンプライアンス”って日本語で検索しても、
シャリーアコンプライアンスに遵守したホテルをつくる為に、何をクリアしたら良いのか、
わからないのです。

きっとその前段として必要な知識が”イスラム金融”。

”シャリーアコンプライアンス”について知識を深める前に、
簡単に「イスラム金融」について触れておこう。

コーランの教えに基づき、イスラム社会で行われる金融取引。
利子の受け渡しがなく、酒・賭博・ポルノ・武器など、教義に反する事業への投資を行わないのが特徴。
物品の売買価格の差額、リース料、配当金などを組み合わせ、利子の代わりとして扱う。
預金・ローン・投資ファンド・債券・保険など、各種金融サービスがある。非イスラム圏からの投資も多い。
出典:デジタル大辞泉

ムスリム市場の消費額は、
2015年の1兆9,000億ドル(約212兆円)から2021年には3兆ドル(約336兆円)に達すると見込まれている(トムソン・ロイター)。
国際通貨基金(IMF)によると、
イスラム協力機構(OIC)加盟国は2015~2021年にかけて平均4.12%の経済成長となる見込み。
その他地域の平均成長率3.6%に比べて高い事は一目瞭然だ。

”イスラム金融”について少しでも知識があれば、
もっと世界中のあらゆる場所からの資金調達が可能になるかもしれない。

抑えておきたい原理原則は書きの4つ。

①利子の授受の禁止
貨幣は単に交換の手段であり、価値保存としての手段以上の意味を持たない。資金の貸し借りに伴って利子を受け取ることは、搾取的な不労所得として禁じられている。
→伝統的金融では当たり前に行われている「預金」はできない。
②投機的取引の禁止
シャリアは果実(リターン)を生み出す手段として投機的行為や賭博的行為を用いることを禁じている。
③不確実な取引の禁止
シャリアは価格や数量など条件が不確実な取引は、当事者間に不公平をもたらしかねな
いもの、詐欺的要素を含みかねないものとして禁じている。
→「生命保険」等も、少額の払い込みに対して、不確実でかつ膨大な収益
 を得る可能性があるので、伝統的な「保険」は契約できない。
④禁避的行為の禁止
シャリアはムスリムが豚肉、アルコール、タバコ、武器、猥褻
わいせつ物など特定の禁制品を利用、取引することを禁じている。
→豚肉を扱う会企業、アルコールを扱う会企業、また、シャリアコンプライアンスを遵守していない企業等への投資はできない。
 ※また、こうした商品を提供するホテル・レストランなどのサービス業へも、投融資ができない。

なるほど。
これらを遵守したホテルにするには、
ホテルディベロッパー、またはホテルアセットの買主として、
どのようにプロジェクトを進めていけばよいのか。
日本語で書かれた”シャリーアコンプライアンスに遵守するホテル”の考察はほとんどない。

近年、ムスリムの旅行先としてかなりの注目を浴びているマレーシアの取り組みを解説する。


※ちなみに、日本にも1件、”シャリアホテル富士山” がある。本件については別途。


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