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JFL移籍情報まとめ2021〜その1(V大分、ソニー仙台、Honda FC、鈴鹿PG)

今年もこの季節がやってきました。
そう、JFL移籍情報まとめの時間です。

昨年は緊急事態宣言中の暇つぶしとしてまとめたこの記事。
じわじわとアクセス数を稼ぎ、最終的に4記事合計で8000PVほどになりました!

渾身のサウナ記事より断然たくさん読まれてて複雑な気持ちです!

去年の評判に気を良くして、調べるのにとんでもない時間がかかるこの企画を今年もまとまとめました!今日から少しずつ更新していきます!

4回に分けて更新予定のこのまとめ、まずは昨年のJFL1位〜5位からどうぞ!
(2位の宮崎はJ3参入のため除外しています。)

注:データは2/28現在のものです。随時更新予定ですが、一部未反映の場合がございます。出場試合のデータは各リーグの公式の試合結果や各種データサイト等から引用しておりますが、大学・地域リーグ等については試合結果を手計算している場合もございます。データの不備・間違いについてはご容赦ください。

ヴェルスパ大分(昨シーズン:優勝)

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昨年はJFL初優勝を飾ったヴェルスパ大分。コロナ禍によって半期のみの変則シーズンとなった2020年を見事に制しました。開幕4連勝でスタートダッシュに成功すると、試合延期や天皇杯もありながらも勝利を積み重ねて24節で首位に立ち、終盤にはHonda、宮崎の上位対決を制し優勝を一気に手繰り寄せました。

これまでのJFL最高順位は7位、シーズン勝ち越しも無かったチームが躍進できた要因は得点力の向上にあると思います。元々守備面には定評があるチームでしたが、反面得点力が伴わず引き分けの多い印象がありました。しかし、昨年は得点力が大きく向上。全チームトップの27得点を叩き出したことで、引き分けを勝ちにすることができたのではないでしょうか。利根瑠偉の5得点、中村真人、薮内健人、前田央樹が4得点と多くの得点源があったのもチームの攻撃陣の充実ぶりを示しています。

ディフェンディングチャンピオンとして臨む2021年シーズンは、須藤監督が勇退。現役時代はC大阪・札幌などでプレーし昨年まで日本サッカー協会に在籍した山橋貴史氏が監督に就任しました。全国リーグのチームでの監督経験は初。昨シーズンのスタイルを踏襲するのか、変えていくのかも気になるところです。

退団選手は9人。上記の攻撃陣は全員残留したものの、主力選手が複数退団しました。昨年のJFLでMVPを受賞したアシストメーカー瓜生昂勢がJ3沼津へ、ボランチの金子雄祐が奈良へ、過去にはキャプテンも務めた福元考佑が九州リーグのジェイリースFCへ移籍。ジェイリースFCは大分トリニータのスポンサーでもあるジェイリース株式会社の実業団チーム。大分トリニータや栃木SCで活躍した永芳卓磨氏が選手兼任監督を勤めるほか、池田達哉・木島悠・井福晃紀などヴェルスパ、トリニータ両チーム出身の選手も多く在籍しています。永芳選手と木島選手とは大学・Jチームでの同僚でもあります。

一方の加入選手は大卒選手を中心に9人。移籍によって空いた穴を即戦力で埋めながら、新卒選手で厚みを増した効率的な補強となりました。
GKではJ1から地域リーグまで経験のある渡辺泰広と東福岡高ー日本経済大と九州で生まれ育った大卒新人の中村駿介の2人が加入。昨年のベストイレブンGK、絶対的守護神の姫野に挑みます。DFではJ1チームから2選手をレンタルで獲得。大分トリニータから移籍の高橋祐翔は世代別代表選出経験を持つ左利きCB。189cmの恵まれた体格で福元が抜けた穴を埋められれば、チームとしても個人としてもレベルアップできるはず。東洋大学から加入した土田直輝は大宮ユースの出身。1年生から関東大学リーグで研鑽を積み、最終学年ではキャプテンとしてチームを引っ張った実力派だけに、即戦力での活躍に期待したいところ。

MFでは大卒選手のほか、J3盛岡から吉田直矢、ソニー仙台からは九州出身の山﨑一帆が加入。吉田は金子の抜けたボランチの即戦力。筑波大時代には4年次にインカレ優勝という成績も、Jから声は掛からず関東リーグのtonan前橋へ加入し、そこからJリーグへと這い上がった苦労人。また山﨑は登録上はMFですが、ソニー仙台時代はFW登録で10番だった選手。サイドのほか1トップでも起用経験があり、強力な攻撃陣に厚みを増せる存在です。

昨シーズンの躍進でマークもきつくなるだろう今シーズン。2年連続での上位進出となるでしょうか。

ソニー仙台FC(昨シーズン:3位)

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毎年主力選手の流出がありながらも安定して上位成績を残し続ける東北の雄、ソニー仙台。昨年は主力だった杉田(藤枝へ移籍)、鈴木、田中(いわきへ移籍)が移籍した影響もあってか前半戦は負けが先行しましたが、9月後半から6連勝を飾り急浮上。一時は首位争いを演じました。終わってみれば全登録選手がリーグ戦で出場機会を得るなど、全員で勝ち取った成績と言えるでしょう。

シーズンオフは4選手が退団。昨シーズンは主にFWとしてチーム2位となる4得点をマークした山﨑一帆が地元九州のV大分へ移籍。2018年の新卒選手はこれで全員が移籍したことになります。また、荻原に次ぐ古株だった7年目の鈴木吏玖、途中出場からでも前線で結果を残せた4年目の丹代爽弥菅原啓祐が退団となりました。

一方の加入選手ですが、例年よりかなり遅い2月16日に発表がありました。例年2月初日に新入団選手を発表することを考えると異例です。順天堂大から加入の上野瑶介は大学時代はDFとして主に出場していましたが、JFLではFW登録になりました。但し、同じチームの三浦祐希のようにFWへのコンバート後もDFで起用する可能性もあるでしょう。FW陣はここ数年流出・退団が多いだけに、即戦力での活躍に期待です。順天堂大からは4年連続での新戦力加入。杉田真彦、石上輝、鈴木啓太郎と続いています。環太平洋大から加入した佐々木敦河はU-19大学選抜の経験者。昨シーズンは7シュートで5得点という決定力の持ち主のようです。Honda FCに加入した﨑山、V大分に加入した小倉ともに昨年の中国大学サッカーリーグ得点ランキング上位を賑わせた選手たちが、JFLに舞台を変えてしのぎを削ります。

DF登録の2選手はいずれもセンターバックタイプの選手の様子。鈴木友也は関東学院大で昨シーズンリーグ戦全試合フル出場。福宮弘乃介は阪南大で10試合にスタメン出場と、実績を持った選手の確保に成功しました。2枚のCBのうち、昨年のベストイレブンに輝いた荻原健太は不動ですが、その相棒は吉野、金子、松本らが流動的でした。まずはこの争いに割って入れるかが勝負となりそうです。

一昨年と比較するとやや穏やかなシーズンオフとなりました。新卒選手も加入しましたが、保有選手数は25と少なく、優勝には現有戦力のさらなる底上げも不可欠でしょう。残念ながら絶対的なレギュラー獲得とまでは至らなかった2年目の選手の活躍にも期待です。

Honda FC(昨シーズン:4位)

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史上初のJFL5連覇に挑んだ昨シーズン。トップスコアラーだった遠野大弥が移籍しましたが、序盤戦は危なげなく勝ち点を積み上げて9戦負けなしという好成績。「今年もHondaが独走するのか……」と誰もが思いましたが、そこから待っていたのはまさかの暗転でした。10月末の高知戦でシーズン初敗戦を喫して首位から陥落すると、なんとそこからリーグ戦で1勝も挙げれらず最終的には7戦勝ちなしで終幕。失点数はリーグ最少の12も得点数は20と伸びず、引き分けはリーグ最多の7試合。負けないが、勝てないというシーズンになってしまいました。

一方の天皇杯では、アマチュア主体のトーナメントとなったこともあり順当にベスト6まで駒を進めました。準々決勝ではJ2優勝を果たした徳島相手に敗戦しましたが、アマチュアの雄として大会を大きく盛り上げたことは間違いありません。

王者奪還を狙う今シーズン、チームの体制が大きく変更となりました。長くチームを率いた井幡博康監督が退任し、ヘッドコーチの阿部裕之が監督に就任。選手ではプロ契約だった選手が退団し、全選手がアマチュア契約の体制に立ち返ります。

退団選手ではJFLの得点王に5度のベストイレブン、そしてJリーグでもベストイレブンに輝いた大ベテラン古橋達弥が引退。昨シーズンも全試合に出場していましたが、キャリア初のJFLでのシーズン無得点。それでも、JFL252試合で127得点という圧倒的な成績はJFLの歴史に燦然と輝き続けます。もう1人の引退選手も得点王経験者、大町将梧。2018年に得点王を獲得後、得点数自体はここ数年減っていましたが、昨年も出場機会は多かっただけに引退という決断は意外でした。山藤健太は三重へ移籍。金沢U-18だった井幡監督繋がりでの選手獲得も今後は希薄になっていくのかなという感じはあります。さらに、正GKの白坂颯馬が横浜Fマリノスへ移籍(今シーズンは鹿児島にレンタル)。昨オフに個人昇格を果たし福岡を昇格に導いた遠野のように、レンタル先でもインパクトを残せるでしょうか。

新卒では大卒選手を中心に獲得。元得点王2人が抜けたFW陣は中国大学サッカーリーグ得点王、﨑山誉斗が加入。中四国大学選抜の常連だった実力派だけに、JFLで大暴れの期待大。流通経済大から加入の冨永和輝は流経大ドラゴンズでJFLの舞台を経験済みの選手。大学の1年先輩となる岡﨑との連携も楽しみです。GKには唯一の高卒新人、安原哲平が加入。中堅選手が多いGK陣に若い力が加わりました。次世代の正GKを目指して欲しい選手です。


鈴鹿ポイントゲッターズ(昨シーズン:5位)

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ミラグロス監督体制2年目となった昨シーズンは失点数の減少が奏功し、一昨年の12位から大幅ジャンプアップの5位。一昨年の得点王だったエフラインリンタロウは4得点と少々苦しみましたが、地域リーグから移籍した菊島卓が4得点に加えてアシストを量産し結果を残すなど、総力戦でシーズンを走り切りました。同一県内の三重より1つ上の順位でフィニッシュも、直接対決では敗北。今年も実現した三重ダービーは目が離せません。

また、将来のJリーグ参入を目指してJリーグ百年構想クラブのヒアリングを受けている様子。百年構想クラブとなった場合、さらにJ3参入争いも激化することになります。(J3参入の成績要件が「JFLの年間順位が4位以内かつ、百年構想クラブのうちで上位2チーム以内」のため。)


シーズンオフは7選手が退団。ベテラン小澤司が引退し、今シーズンも出場試合の多かった藤田浩平キローラン木鈴が地域リーグのチームへ移籍。出場時間は短いながらスーパーサブとして起用の多かった小口大司が滋賀へ移籍となりました。

一方の加入選手はJ3を中心に、三重や東海地方に縁のある選手を多く獲得しました点が特徴です。鹿児島から加入した川森有真と大卒新人の日根野逹海は三重県出身の選手。さらに熊本からは四日市中央工業高で浅野拓磨と同級生の田村翔太と中京大学卒業の坂本広大が加入。両選手ともサイドアタッカーと攻撃面での貢献に期待の大きな選手です。ライバルチーム三重からは西村仁志北野純也が移籍。西村には藤田の抜けたボランチの即戦力として期待がかかります(ちなみに、前述の坂本と西村は大学の同級生)。北野は地域リーグ時代の2016年以来となるチーム復帰。今シーズンは無得点でしたが、JFLで2桁得点をマークした実績を持つ選手だけに古巣での復活ができるでしょうか。

さらに若手選手では清水から加入した平墳迅は岐阜県出身。180cmを超える左利きの大型FWはU−18日本代表の選出経験もあるポテンシャルの持ち主ですが、リーグ戦未出場での契約満了となりました。大型FWでいえばエフライン、藤沢とライバルは多いものの、左足からの強烈なシュートは魅力的。この選手が活躍できると、鈴鹿の攻撃面はさらに強力になりそうです。


次回は昨年の6位〜10位を紹介します。J3ライセンス持ちもクラブも多数含まれるだけに、各チームの補強具合は気になる方も多いのではないでしょうか?

それでは今回はこの辺で。お楽しみに!



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