見出し画像

ガス抜き機能つきキャップを牽引したのは造船会社?

今回もトイレ関係

以前、トイレを改装という記事を書きましたが、またまたトイレ起点で、買って良かったもの紹介と特許調査です。

臭い消し目的のスプレー缶の消臭剤の消臭力が買って良かったものです。
消臭能力は文句ありませんが、他社品と比べて突出してるかと言われると大差がないかもw

消臭の強い味方ですw

このスプレー缶は廃棄時のガス抜き機能があります。偶然、別の用途で使ったエアダスターには消臭力とは違うガス抜き機能があり、ちょっと面白そうだなと思い、ガス抜き機能の調査をしてみました。

左:消臭力はキャップを逆さに差す
右:エアダスターは硬貨を差し込む

廃棄時はガス抜き必須

スプレー缶は廃棄時に中身を使い切るように各自治体が求めているためか、最近のスプレー缶には中身を全て出し切るための工夫がされているものが多いように感じます。
ガス抜きキャップの種類は意外と多く、びっくりします。

上記サイトの1番目に紹介がありますが、消臭力は、もともと付いているキャップをひっくり返して差し込むと、中のガスが抜けるという、とても分かりやすいタイプ。

消臭力もエアダスターも最後まで特に不都合なく使えます。
消臭力はガスと薬剤の比率が、ガス多めに設定されているようで、ガスが少し余る感じです。

少し残ったガスだけを抜くために、これらの機能を使うことがありますが、結構便利です。
偶然もしれませんが、自宅にあった他のスプレー缶のガス抜きも消臭力のキャップが嵌り、ガス抜きできました😊

ガス抜きキャップの特許調査

納豆パッケージの記事でも書いたとおり、最終製品を販売するメーカが容器まで考えて特許出願ケースと、容器だけを専門に販売するメーカが付加価値として特許出願するケースの2通りがあります。

今回のガス抜きキャップは、どっちのケースもあるという感じですが、容器メーカが出願しているケースの方がやや多い感じでした。

最終製品を販売するメーカの代表的な例は、マンダム、花王、アサヒペン、アース製薬などがありました。いずれの会社もスプレー缶の製品がありますね。

容器だけを専門に販売するメーカはの例は、吉野工業所、三谷バルブ、ダイゾー、東洋エアゾール工業などがありましたが、不勉強でどんな会社かは知らず(汗)。

中身を全て使い切るには噴射させるボタンをずっと押す仕組みがあれば、事足ります。

ずっとボタンを押すという観点だけだと、古い実用新案出願がありましたが、キャップをひっくり返して差し込むという概念を含めると、特許第2729163号(1995年3月31日優先日出願)が一番古そうです

その名も「エアゾール容器のガス抜き具、ガス抜き装置及びガス抜き兼用エアゾールキャップ」
考えたのは「ガス抜き具」で、それをキャップにつけましたよって感じです。
「ガス抜き兼用エアゾールキャップ」という最後の名称が正にキャップって感じですね。図6、7でもその発想が、よくわかります。

特許第2729163号の図の抜粋

図7のように真上に勢いよく噴射されても困るということで、同じ会社が特許第2947464号を取得しています。
この特許は真上の噴射を抑える構成ですが、名称は「ガス抜き構造を備えた蓋」で、もうキャップ(蓋)に機能をつける大前提となっています。

特許第2947464号の抜粋

これらの特許を出願した会社は(株)大阪造船所です
造船所って、船を作る場所ですよね?
スプレー缶とどうゆう関係なのか、すごく気になります。

この会社はどんな会社なのか?

創業は戦前で、戦中はまだ造船が中心だったようです。現在も造船事業はあるのですが、エアゾール事業を拡大させています。
現在は(株)ダイゾーという名称です(※100均で有名なダイソーとは違う会社です)。
鉄製品って枠で考えれば、船も缶も同じかもしれませんが、どういう経緯でスプレー缶に注力したんですかね?

最終製品を販売するメーカか、容器だけを専門に販売するメーカかの2通りがあると書きましたが、例えば前者のアサヒペンは特許第2941761号を取得しています。

アサヒペンが取得した特許第2941761号

紹介したダイゾーの2つ目の特許は第2947464号でしたから、特許番号だけでいえば、5703番差です。特許番号は発明ジャンルの区分はなく、全ての特許で使う通し番号ですから僅差と言えます。

最後に

最終製品を販売するメーカも猛追というか、切磋琢磨している感じがあります。こういった業種の枠を超えた発明競争も面白いですね。

ガス抜きの方法特許はたくさん出ているのですが、いずれも噴射させるボタンをずっと押すという発想です。
中身が大量に残っている場合は、噴射させるのも一苦労です。全然違うアプローチで、中身が大量に残っていても空にできる発明がブレイクスルーになるかも?

***

最後までお読みいただきありがとうございます!
特許調査に間違いなどがあれば、ご指摘をいただければ幸いです。


趣味と実益を兼ねようと、家電修理を始めようとしています。今はまだ修行ということで、無償で対応します。修理して欲しいものを超・超・大募集中です。第1回の修理の状況はこちらに。

詳細はこちらのHPにも記載しています!!
応募はHP記載のメールからでも、NOTEのメッセージからでもどちらでも結構です♪
よろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?