見出し画像

#6  システム作成のポイント

さて、kintoneでシステムを作り始める前に、デイサービスシステムの全体構造と、どんなことができるのかを説明していこうかな~と思います。

すごーく簡単に書くと、

図1

画像1

こんな感じの構造です(実際はもっと沢山スペースがあります)。

スペースってなんだろう?

はて、スペースとは何でしょう?

ここもつまづきポイントです。

スペースは、チーム内でのコミュニケーションをとる場所です。参加者を選んでスペースを作り、参加者同士で議論したり、アプリ等を活用して情報を共有したりできます。

スペースとは私の中では「場」です。

そこに集まった人たちがコミュニケーションを取ったり、アプリ経由で整理された情報のやり取り等を行う「場」です。

スペースの中に実際に情報を入力したり参照したりするデータベース、いわゆるアプリを作っていくわけです…が、

スペースはただアプリを収納する入れ物ではありません。

そこにはお知らせのエリアがあったり、スレッドというスペースに所属するメンバーがコミュニケーションをとるエリアがあります。

図2

画像2

スペースの概念はわかりずらいものです。

考え方としては、誰と情報共有しコミュニケーションをとる「場」なのかを意識すると構築のきっかけになると思います。

基本的にスペースに所属している方のみがスペース内のアプリやスレッドにアクセスできます。

図の1でいうと、赤くなっている職員(以下犬山さん)はマスタスペースとレクスペース内の情報のみ参照できるわけです。

リハスペースと集計スペース内の情報にはアクセスできません。

マスタスペースってなに?

ところで図1の中ででてくるマスタスペースとそこから引かれている矢印にはどんな意味があるのでしょう?

マスタスペースにあるアプリとは、静的な情報といって動きのない情報が登録されています。

例えば「名前」「性別」「生年月日」なんかはあまり変わる事のない情報になりますよね。

レクスペースにあるアプリは定期的に変化していく情報です。

例えば選択したレクや趣味活動が変更になればその都度情報の入れ替えが行われます。

先程私は

基本的にスペースに所属している方のみがスペース内のアプリやスレッドにアクセスできます。

と書きました。ですが、アプリに関して言えばスペースをまたいで情報を取ってくることができます(どちらのスペースにも所属している前提です)。

わかりやすく単純化した図をのせます

画像3

犬山さんはマスタスペースにある「利用者基本情報アプリ」にも

レクスペースにある「趣味活動アプリ」「レク活動アプリ」にもアクセスする事ができます。
(繰り返しになりますが、リハスペースと集計スペース内の情報には犬山さんはアクセスできません。)


そこで・・・

新規利用者のAさんがデイサービスに来ることになりました。

Aさんは趣味活動もレク活動もされる方です。
犬山さんは趣味活動とレク活動担当職員です。

犬山さんはどのように情報を整理したらいいでしょう?

①マスタを利用しないで「趣味活動アプリ」「レク活動アプリ」それぞれにAさんの情報を入力していく。

②Aさんに関わる静的な情報を、マスタから「趣味活動アプリ」「レク活動アプリ」に引っ張ってきた後に、趣味活動やレク活動に関する情報を入力していく。

当デイサービスでは②のやり方で情報の整理をしています。

その理由はを以下に説明していきます。

同じ情報を二度入力させない!(できるだけ)

手書きは言わずもがなですが、エクセルで情報管理をしていると、利用者様の名前やケアマネ事業所の名称等、ファイル毎に何度も打ち直す手間があると思います。そして各ファイルの情報の整合性がとれなくて、デイサービスはパニック!になりがちですよね。

各ファイルの情報を揃えるために残業…とほほ…なんて状況も考えられます。

しかし!kintoneではマスタスペース内にあるアプリに入力した情報を活用しながら各アプリを作っていきます。

一度利用者様の名前や生年月日を入力すれば、「入力」する作業はなくなります。プラグインを使ってマスタの情報を更新すればそれに紐づくアプリの情報も自動で変わるのです。

たとえば、A利用者様が引っ越しして住所が変わった、要介護度が変わった、そんな時は「マスタスペース」内にある「利用者基本情報アプリ」のA利用者様のレコードを編集すれば、それに紐づくA利用者様情報が入力されているアプリの中身(例えば「趣味活動アプリ」「レク活動アプリ」)は、なにもしなくても情報が更新されるのです(プラグインの導入が必要)。

そして、システム作成のちょっとしたポイントその2は…

アウトプットを意識してインプットする!

情報は何のために入力しているか??

書く→ファイリングする→倉庫にしまう…

ためではありません。

活用するためにあるのです。

人が見て解釈しサービスの向上に生かすために情報を入力するわけです。

なんでマスタを作成することとアウトプットが関係するのか?

マスタスペース内にあるアプリの各レコードには「主キー」という、他のレコードと絶対に被らない記号が割り振られています。

この主キーは情報を括る紐のような役割をします。

例えば、

A居宅事業所の利用者様 

とか

利用者Aさんの日々の報告情報を一覧にする 

とか

B職員の報告だけ抽出 

とか

いろいろできるというわけです。

なので、一番最初はこのマスタ系アプリから作成していく事をお勧めします。

※マスタ系アプリをスペースに含めるのはあくまで当デイサービスのやり方です。
 マスタ系アプリはそもそもスペースに含めない等イロイロな考え方があります。

ルックアップ機能

自分の環境はライトコース契約なのでプラグインが利用できない・・・という皆様にも、自動更新はできませんが、マスタから情報を引っ張ってこれるルックアップ機能というものがkintone標準機能であります。

自働更新ができないだけで、マスタから情報を引っ張ってくる流れは同じです。

こちらはサイボウズさんから動画での説明もあるので、是非ご覧ください。

捕捉

自働で更新されるプラグインについてはこちらで説明しています。

マスタと参照についても説明してますので、少しややこしいですが、興味のある方はどうぞ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?