レンタル信号のボタンを押さない人(無意味な文章)
(注:世の中には意味のある文章が多すぎるため、無意味な文章を書いています。決して意味を見出さないでください)
ミレニアル世代やZ世代と呼ばれる新しい世代では『働く』という意味、価値観が大きく移り変わっています。この連載では、新しい働き方を実践する今注目の方々をお招きして、普段の過ごし方から世の中に対するメッセージまで幅広く語っていただいています。第2回の『似顔絵を描いてもらうプロ』敷島さんに続いて、第3回となる今回のゲストは『レンタル信号のボタンを押さない人』で話題のTundreさんです。
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──自己紹介をお願いします。
はい、Tundreです。「タンドレ」と読みます。レンタル信号のボタンを押さない人をやっています。
──Twitterではよくツンデレさんと呼ばれているのを見かけます。
えぇ、まぁ。最初は訂正していたんですけど、もうキリがなくて諦めました(笑)。
──お仕事の内容について説明していただけますか。
はい。私の仕事ですが、主に地方自治体や企業の方から依頼をいただいて、依頼された押しボタン式信号のボタンの近くに立っています。
──どの程度の時間立ち続けるのでしょうか。
だいたい1件につき2時間が基本ですね。ただ、延長されることもあれば、1日に複数件の依頼を受けることもあるので、1日中立っていることもあります。
──ちょっとこう、信号のボタンを押さないことが仕事になるとは、なかなかイメージできない人が大多数だと思います。これまでの経歴と合わせて、今のお仕事を始めたきっかけを教えていただけますか。
はい。私はもともと大分県中津市の出身で、大学進学とともに上京しました。経済学部でしたがぼんやりと講義を受けていたらそのままの流れで就職活動の時期になってしまって、これといってやりたいこともスキルもないまま、結局新卒で不動産系の会社に入社しました。
──就職は今のお仕事とは関係のない分野だったのですね。
そうなります。仕事は楽しいこともあったし大変なこともあったけど、全体的には順調だったのですが……そのまま3年くらい経ってふと、「あれ、自分このままでいいんだっけ?」って思っちゃって。
──目覚めてしまった。
目覚める。そうですね、そういう感覚に近いのかもしれません。ずっといい加減に生きてきて何を今更って思うかもしれませんけど、とにかくもう頭の中が失敗したって気持ちでいっぱいになっちゃって、次の日には上司に会社辞めるって言っていました。
──すごい行動力ですね。
いや、行動力じゃないんですよ(苦笑)。病気です、あれは。そうしないと死んでしまうと思い込む精神病だと思いますよただの。でも、すっぱり辞めてしまった。当然次に何をやるとかは決めていなかったので無職です。
──そこからどのように今のお仕事に繋がったのですか。
その頃住んでいた家からコンビニに行く途中にあったんですよ。
──もしかして、押しボタン式信号ですか?
そうです(笑)。それで、まぁ無職で自炊もしていないので、貯金を崩してはコンビニで飯を買う生活です。1日に何度も行く日だってありました。そうするとたまに、ボタンを押さずに信号を待っている人がいるんですよ。赤信号のまま、じっとスマホを見ていて、でもいつまで経っても青にならないですから、あれ、おかしいなって思うんでしょうね。5分後くらいにやっとボタンの存在に気づくんです。
──お恥ずかしながら、全く同じ事をした経験があります。
いえ、恥ずかしいことではないんです。これは後から色々な方にアンケートを取ってわかったことですが、やはり、皆さんそういう経験をかなりの割合で持っています。つまりそれって、この現象は社会全体に潜んでいる共通の課題という事ではありませんか? それを解決できれば仕事になるんじゃないか──その時はまだ漠然とした予感でしたが、それがきっかけでした。
──最初はボタンを押していたと聞いています。
はい、今でこそレンタル信号のボタンを押さない人をやっていますが、最初はボタンを押していました。でも、それでは1円も稼げませんでした。私はその頃、お金を稼ぐということがどういうことなのか、大きな勘違いをしていたんです。
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Tundreさんがしていた大きな勘違いとは? そして信号のボタンを押さないことで生まれた本当に”価値”のあるものとは──。
注目の後編は今月中旬に公開予定です。お楽しみに。
(EON)
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