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2023年8月のSmartHRとアクセシビリティ

これはSmartHRプログレッシブデザイングループのオープン月報です。SmartHRのアクセシビリティ向上の取り組みを紹介します。

最新のアクセシビリティ関連アップデート

8月は分析レポート機能から、アクセシビリティ向上を含むリリースが1件ありました🎉

今回改善が行われたグラフは、グラフ内の各セクションをクリックすることで、グラフの元になるデータを参照できる機能を持っています。

円グラフと棒グラフが横並びになっているページのスクリーンショット
分析レポート機能で作成したグラフのスクリーンショット(画像は https://smarthr.jp/update/50093 より)

データを見るためには、グラフを直接クリックする必要がありましたが、今回の改善でキーボード操作でもデータを参照できるようになりました!

リリースノートで詳しく紹介されていますので、是非見てみてください。

リリースノート: 2023/08/08 グラフから従業員を特定する機能がキーボード操作から使えるようになりました|SmartHR

アツかったトピック🔥

8月のアクセシビリティ関連トピックを紹介します

株式会社ミライロさまのSmartHR導入事例が公開されました。

2022年、ユニバーサルデザインを主軸に研修やコンサルティングの事業をされている株式会社ミライロさまにSmartHRを導入いただき、その導入事例記事が公開されました!記事を一部引用して紹介します。(SmartHRの人事評価機能に関するお話の一部です。)

-- 視覚障害のある従業員の方の人事評価はどのような対応をされていましたか?

梶尾さん:当時の人事評価システムがスクリーンリーダーに対応していなかったため、視覚障害のある従業員には別途Google スプレッドシートで評価シートを展開し、対応してもらっていました。
同時に該当の従業員は数名の部下をマネジメントする立場にあったため、人数分の評価シートも同様の対応をしていました。人事としてはこの別途対応に負担に感じることはありませんし、弊社はこのような合理的配慮自体、当事者にとっては求めやすく、また周囲の人も手を差し伸べやすい文化があります。
しかし、評価期間での対応以外のタイミングで「今、部下の目標設定について確認したい」と、思っても、人事への連絡や評価シートの発行を待つことを考えてしまい、結果的に頼みづらいと感じさせてしまうシーンもあっただろうと思います。

人事・労務を一元管理。障害の有無を問わず単一の評価運用を実現

スクリーンリーダーで使えるSmartHRを選んでくださったという声を聞いたときは本当に嬉しかったです!まだまだ、日本のウェブサービスはアクセシビリティが十分に高くなく、スクリーンリーダーなどの支援技術で使えないものも多いと思います。

いつかは、スクリーンリーダーで使えるウェブアプリケーションが当たり前になり「スクリーンリーダーで使える製品がいくつもある中で、検討した結果、SmartHRを選びました」と言ってもらえるようになるといいなと思います。その日のために、スクリーンリーダーを含めた多様な手段で「ただ使える状態」ではなく「快適に、効率的に使ってもらえる状態」を目指し、品質向上していきます!

アクセシビリティやるぞ!LT祭り #2を開催しました。

8月も多くの方に発表・ご参加いただきまして、ありがとうございました。
発表者のスライドと、当日の様子を撮影したビデオをイベントレポート(note)で公開しています。
「アクセシビリティやるぞ!LT祭り #2」を開催しました|SmartHRアクセシビリティテスター

今回のイベントから、発表する方にはアクセシブルなスライドを用意してもらい、イベント開始前に参加者に配付するようにしてみました。
これにより、参加者は、スライドを見る方法を自分で選べるようになりました。

  • スクリーンに投影されたスライドを見ながら、発表を聴く

  • 手元のラップトップやスマートフォンでスライドを見ながら、発表を聞く

  • 点字ディスプレイでスライドの文字を読みながら、発表を聴く

会場に来てくださった方に、いろいろな方法で、快適に楽しんでいただけるイベントにしていきたいと思っています。

次回、アクセシビリティやるぞ!LT祭り #3を、10月11日(水)に開催します。
SmartHRからは、エンジニアが2名登壇します。SmartHRの「アクセシブルな開発を支える仕組み」について発表があると思います。ご期待ください!

困った!を解決するデザインの読書会のレポートを公開しました

SmartHRのコミュニケーションデザイングループ(コムデ)のメンバーと一緒に、困った!を解決するデザインの読書会を実施しました。読書会の様子をレポートで詳しく紹介しています。

普段、アクセシビリティ関連書籍の読書会はエンジニアに参加してもらうことが多いですが、困った!を解決するデザインは、どの職種の人にも読んで欲しい内容の本だと思います。また、他の職種のメンバーとも、この書籍の読書会をしてみたいなーと思います。

今月のアクセシびと

このコーナーではSmartHRのアクセシビリティ向上に取り組むSmartHRのメンバーを紹介します。今回は、困った!を解決するデザインの読書会を一緒に運営してくれた コムデのmzk(もずく)さんです!

コミュニケーションデザイングループ Opsユニット mzkさん

maiha: mzkさん〜いつもお世話になっています。mzkさんは、私が入社したばかりの頃「自分の関わっているプロジェクトでもアクセシビリティのことをもっと考えていかないと、と思っている」というような話を聞かせてくれた記憶があります。開発チーム以外の方にも、そんなふうに考えてもらえているなんて、すごいなあ!と驚きました。

mzk: maihaちゃん〜こちらこそいつもお世話になってます!アクセシビリティについて考えるようになったのは、妊娠してからの実体験が大きいです!私はめちゃくちゃ前にお腹が出るタイプで、足元が全く見えなかったため、エレベーターをよく使っていました。事前に駅のエレベーター情報を調べてから行くのですけど、鉄道会社によって情報へのアクセスのしやすさが千差万別で…ウェブサイトに情報を載せる事自体が当たり前になってくれたら良いのに!と思う日々でした。なので、入社してからSmartHRにプログレという組織があり、あらゆる人が使いやすくする思想自体がめっちゃ素敵やん…と思っていました〜!

maiha: なるほど。コムデの、特にディレクションユニットのメンバーはウェブサイトの制作に関わることもあり、ウェブアクセシビリティに関心を持っている人が多い気がします。1月の月報で紹介した株式会社ゆめみさんへのアクセシビリティ研修も、コムデとの取り組みでしたよね!(1月のアクセシびとはコムデのsakikoさんでした)

一方で、ウェブサイトの設計に関わらないメンバーには、アクセシビリティの必要性や、自分の業務の中で何をやったらいいのかということがあまり知られていないかも。というお話があり、そこから読書会の開催に繋がったと思っています。

mzk: アクセシビリティについて考えること自体、体験的なきっかけが必要なのでは、と考えています。(私も妊娠がきっかけでしたし、それまでは知らない世界のことだった)
体験や案件によっては経験値があるメンバーもいたけど、全員のアクセシビリティに関する知識レベルはまちまちでした。日々色々なデザインに携わっているので、単発で終わりな研修ではなく、事例を知ることが出来る場があるといいなぁと思いmaihaちゃんに相談しました。せっかく社内にプロが居るなら、胸をお借りしちゃおう〜と!笑

maiha: 読書会が、多くの人に伝えるためのデザインについて、みんなで考える機会になり本当によかったなと思います。短い時間&期間でしたが、とても濃い時間を過ごせました。今後は、読書会で得た知見から、さらなるアクションも検討していきたいですね。例えば、色に関するガイドラインをつくるとか、発表資料や説明資料の中での図やグラフの使い方についてガイドラインを設けるとか。

mzk: 自分が携わっている案件で「これ、プログレ目線でレビューほしいな」と思った際にシュッとご相談できて助かっています!いつもありがとうございますmm
いつも大助かりな反面、自分たちの知識もアップデートしていかねばなぁ…と思うばかりです。
今後は知見をデザインに反映できる仕組み作りをして、アクセシビリティTips的なものも作っていければ良いなと思っています。
例えば、色の組み合わせ、グラフの差分の出し方(色だけ差分を出すのではなく、柄をいれて色覚特性の方にも伝わりやすくするなど)とか。取り入れられそうなTipsも多そうな気がしているので、今後一緒にやっていきたいなと思っています!

maiha: 私たちはアクセシビリティスペシャリストですが、スペシャリストだけではアクセシビリティって進められなくて。やりやすい・続けやすい方法や効果的な方法って、現場によって少しずつ違いますからね。コムデの領域では、どんなことができそうか、一緒に考えて、やっていけたら嬉しいです。

mzk: もちろんです!maihaちゃんがグイッと入ってきてくれるおかげで、相談の敷居がメチャクチャ下がった気がしています!(いつもありがとう…そして雑談もいつも楽しみです!)
コムデOpsは「ワークフロー改善」「ピープルマネジメント」「ガバナンス管理」「ツール&インフラ」の4本柱を役割として担っているのですが、その4本柱の中でも、ワークフローやピープル(採用/育成など)の改善に取り組むことが多いです。アクセシビリティの考え方を誰でもデザインに取り入れやすい仕組みづくりや、コムデの新しく入ったメンバー向けに、アクセシビリティを自分ごとに感じてもらえるような活動がもっとできたら良いなぁ…!と思っています。構想を練るところからぜひご一緒できれば嬉しいです〜!

maiha: mzkさんありがとうございました!コムデとプログレとしても、それ以外でも、これからも、よろしくおねがいします。


終わりに

記事中でも紹介しましたが、10月11日にLT祭り #3を開催しますので、お近くの方はぜひいらしてください。

10月4日には合同会社Ledesoneさんの企画で、ハッタツソン 1dayワークショップ by SmartHRも開催します。こちらもオフラインのみですが、よかったら参加してください。

その他、10月から年末にかけてイベントを色々企画中です!お会いできると嬉しいです。それでは。

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