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NISEKO EXPEDITION 2023~蛇走の軌跡:第1章 蛇走


迷走メンバー選定

アドベンチャーレースは準備がとても重要である。競技種目が多いこともさることながら、様々なトラブルにどのように対処するのか、それを準備しておかなければ、素早い対処ができない。

そんな中、今年のteamKOKAJI JASOは準備段階のメンバー選定で迷走していた。

4月3日 昨年参加してくれていた女性メンバーの山路さんから一本のLINEが届く。理由は割愛するが、今回参加できないということであった。そこで、山路さんに同じ秀岳荘で誰かいないか?と代替メンバーを探してもらうこととした。

山路さんから、同僚の泉さんを推薦いただき、4月18日、何とか女性メンバーは決まった。

女性メンバーが決まったのも束の間、今度は、私が・・・。

5月6日 私からオーリーさんに1本のLINEを送り、今回出場を辞退したい旨と誰か他のメンバーを探して欲しい旨お願いした。

理由は、1年前からフルマラソンのタイムを縮めることに労力を費やしており、それをしていく上では、アドベンチャーレースはリスクだと考えていること。そして、レース前週にサロマ湖100kmウルトラマラソンに出場するという強硬スケジュールでもあり、さらに、アドベンチャーレースに関する練習は1ミリもできないこと。

これらを考慮するとチームに迷惑かけることは必至でアドベンチャーレースを体験したい人がいるなら、その方にお譲りしたいと思った次第である。

数名の候補者がいたが、皆さん参加が難しいらしく、結果的に私がぶっつけで参加ということをオーリーさんに理解してもらい参加する決心をした。

その後、竹内さんから、、、

5月23日 腰の状態が悪いらしく、今回参加を見送りたいとの連絡が入り、これまた振り出しに戻る。まぁ男性メンバーなので何とかなるかなと思っており、幸いにして、すぐに同じ秀岳荘北大店で働かれている双樹さんに決まった。

紆余曲折あったが、今年のteamKOKAJI JASOは以下のメンバーで確定した。
山中 真 チームリーダー ランニング
折館 広記 トレイルランニング
泉 沙也香 沢登、クライミング
双樹 智道 沢登、クライミング

左から泉、オーリー、山中、双樹

後にも述べることにもなるが、泉さん、双樹さん。彼らがいなければ、今回JASOがフィニッシュラインを超えることはできなかったであろう・・・。

初顔合わせ

メンバーは決まったが、私自身、アドベンチャーレースに向けての練習は1ミリもしなかったので、メンバーと会う機会を持たず。レース当日が刻一刻と迫ってくる。さすがにヤバいという気持ちになりつつ、オーリーさんからZOOMミーティングでもしませんか?との提案をもらった。そこで大会3日前の6月27日ようやく4人そろって話す機会を持てた。

そこでは、過去の大会の雰囲気やオーリーさんが講習会で聞いた話、泉さんが事前ブリーフィングで聞いた話などの共有をして、当日の集合時間、チーム装備などの確認を行った。

あまりにも即席過ぎるチーム体制で不安しかありませんでした(笑)

出発から遅延

何度も言うが、アドベンチャーレースは競技種目が多い。また、普段から行っている競技であれば土地勘もあるので、問題ないかもしれないが、普段やらない競技の場合、持ち物には細心の注意が必要である。

そんな注意をしていると、時間がいくらあっても足らない。私は前日から準備をしていたが、あれやこれやと、あとから色々気づいては、持ち物がどんどん増えていく。持ち物が増えるから、あれがあったか?となる。そんなこんなで気づくと出発時間。

そして、いざ車にMTBを乗せようと思ったところ、思うように入らない。今年に入って車を代えたが、一度もMTBの練習をしなかったことが影響した(笑)

色々乗せ方を変えて、ようやく入ったが、出発時間を30分も超えてしまっていた。

そして、定山渓あたりで、ふと、コンパスを忘れたことに気づく・・・。
泉さん、双樹さんが予備を持ってくれていたので、お借りできたので、良かった。

結果的に到着時間はかなり遅れてしまい。メンバーを待たせる羽目に・・・。スタート前からもうバタバタであった。

行き当たりバッタリはダメダメ。

スタート前も出遅れる

スタート会場に到着し、メンバーとあいさつ。リアルでは『はじめまして』である。そして、クライミングギアを双樹さんから借りて、使い方を教わり、スキルチェックへ。(ぶっちゃけ、用具の名前すらわかっていませんでした。)

MTBやパックラフトを預け、大会ビブスをもらう。

一通り受付が終わり、今度は宿へ。部屋に入り、みんなで今後の打合せをして、すぐに仮眠へzzz

8時頃起床し、準備をして、9時頃大会ブリーフィング会場へ。
出遅れた・・・。食事は殆ど食べつくされていた。ここから戦いは始まっていた(笑)

9時過ぎ、ガイドブックが配られ、地図が配られ、ブリーフィングが始まる。少し複雑なルールなので、しっかり読み込んで、理解を図った。

結局のところレース後半の関門にひっかかるとゴールへショートカットとなることや、TAポイントが60ポイントなので、如何にここを通過するかが勝負の要。そのために、少なくとも最終のTAまでどういうスケジュールで行けば到達できるかを予想した。

この目標にしたがって進むこととし、途中でポイントを取る飛ばすの判断を私がすることにした。ナビゲーションは残りのメンバーで行うという役割とした。

いよいよスタート!

さて、スタートは7/1(土)0時ちょうど、そこに向けて、パックラフトをMTBに括り付ける準備やMTBをスタートゲートに準備する。ここは比較的早く動いたので、3列目に位置することができた。

最初のセクションは、

Leg1 マウンテンバイク
距離:約19km 累積標高:300m(+) 700m(-)

CP1:源泉
CP2:三角点
CP3/TA1:左岸の橋下

さて、スタート前は徐々にボルテージが上がってくる。これから36時間の戦いが始まる。雨は降っているが、そんなことはどうってことない。暗闇と高まる気持ちが忘れさせてくれる。

そしてカウントダウンが始まる。3・2・1・プーーーー。
7/1(土) 0時ちょうど、スタートの合図がなり、前列が動き始めた。

スタートしてすぐ、下り基調のMTBであり、スピードがでる。各人が好きなペースでいくとメンバーを見失うと思い、私は、メンバーの名前を叫びながら、泉さんがいることを確認し、泉さんからは、2人は前にいるという声が聞こえたので、それを信じて、恐らく自分が一番後ろにいる。あとは、ただひたすら先を急いだ。

3km手前、ロードから林道に入るところでメンバーと合流できた。
ここは分岐で、トップチームは左へ行くも、戻って右方向へ。

我々JASOは慎重であった。また、他のチームについて行ってしまえ!とは誰も思っていなかった。

自分たちの進行方向に対して入念に話し合いをした。ここで当初4、5番手くらいを進んでいたが、13番手まで順位を落とすことになった。

とにかく、準備段階、スタート前、スタートしてすぐ、まぁ出遅が過ぎた。

その後は、順調にCP1、CP2とゲットしていく。

その間、MTBでは常にオーリーさんが先頭を走り引っ張てくれた。今回の特攻隊長。にしても、オーリーさんが速い。ついて行くのがやっとであった。おかげで、林道で5チームほどかわし8位までジャンプアップ。

ロードに出て少しホッとし、ここまでを振り返る。

「今日はのっけから出遅れまくっているなぁ・・・」
「そして、毎回、無駄な動きが多い・・・」

蛇のように、にょろにょろ、あっち行ったり、こっち行ったり。まぁ、仕方ない。我がチームの由来だから・・・”JASO(蛇走)”。

それに、これがアドベンチャーレース。
この出遅れを無理に取り戻すことは考えない方がよい。

長丁場のレースというものは、あるポイントで大きく変化することがある。そのポイントを逃さぬよう、着実に歩をすすめることが肝要である。

だから、今は、順位とか時間とかあまり気にしてはいけない。
まだまだ序盤である。勝負は2日目の夜を迎えるあたり・・・

そんなことを思いながら、真っ暗な夜道を、みんなで会話を交わしながら、TA1へと急いだ。

次章、鬼漕。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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