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キャントリップとは 第2回(ファストトリップについて後編)

獰猛、なかむぅです。
 前回に引き続き、キャントリップについてお話ししたいと思います。
 今回は、前回のファストトリップの後編として以下の内容で進めたいと思います。

◎ファストトリップ


今回は右2枚


 キャントリップといえば、多くの方がファストトリップを使用していると思います。
代表的なカードとしては、
⚫︎渦まく知識(1マナインスタント)
⚫︎思案(1マナソーサリー)
※今回はここからのお話になります。
⚫︎定業(1マナソーサリー)
⚫︎思考掃き(1マナインスタント)
これらのカードについてメリット、デメリットを考察したいと思います。

◎定業(1マナソーサリー)

占術の強み


 占術2を行い、その後カードを1枚引く。(占術2を行うには、あなたのライブラリーのカードを上から2枚見る。それらのうち、望む枚数のカードをそのライブラリーの一番下に望む順番で置き、残りをそのライブラリーの一番上に望む順番で置く。)
〈メリット〉
 定業の最大のメリットは占術によりライブラリーからのドローの質を上げる点です。渦まく知識や思案とは違い、予め確認できるカードが2枚と少なめですが、これらのドローを並び替えるのではなく、有効度の高いカードをライブラリーの上へ、有効度の低いカードをライブラリーの下へ置き、欲しいカードのみを引くことが可能になります。もし、ライブラリーから見た2枚のカードの中に、有効度の低いカードしかなくても、全てのカードをライブラリーの下に送ってしまえば、不要なドローを回避できます。この点だけを見れば思案よりもライブラリーからのドローの質を上げる力があります。さらに言えば、ライブラリーシャッフルによる助けを用いず、ライブラリーからのドローの質を上げることができるため、ライブラリーシャッフル手段が少ないデッキにおいては、定業を優先したり、数あるライブラリーシャッフル手段を渦まく知識に取っておくなどの選択も生まれます。
〈デメリット〉
 デメリットについては、渦まく知識や思案と比較すると、ライブラリーから確認できる枚数が少ないことと、これによるゲームプランの安定性が劣るところです。キャントリップは、
自身のデッキが勝つためのプランを、最大限後押ししてくれるもの』
と個人的に定義づけていますが、ライブラリーという不確定な情報を確定づけることは、プレイングに大きな自信と確信(いい意味でも悪い意味でも)をもたらしてくれます。その不確定な情報を確定づける際には、より多くの情報(これからドローするカード)が欲しいところです。この差がレガシーにおける採用率につながっていると考えます。
定業の総括
⚫︎定業はライブラリーからのドローの質を上げる。
⚫︎定業はライブラリーシャッフル手段を用いずとも、有効度の低いカードのドローを回避する力がある。
⚫︎近年ドラゴンの怒りの媒介者や帳簿裂きが定業の役割を担い、ドローの質を高めている。

◎思考掃き(1マナインスタント)

墓地を増やす

 プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを2枚切削する。
カードを1枚引く。
〈メリット〉①自分の墓地を増やす
 思考掃きの最大のメリットは墓地を増やすことです。キャントリップにおけるドローは1枚と少なく、ドローする前のカードも確認できるわけではありません。しかし、このカードにより明らかに強くなるカードが多くあります。
特に以下の内容は多くの恩恵を受けます。
⚫︎探査(墓地のカードが呪文のコストになる)
⚫︎発掘(墓地にあることでドローを置換し墓地をさらに増やす)
⚫︎マッドネス(墓地にカードが落ちた時の誘発型能力)
⚫︎フラッシュバック(墓地にあることでフラッシュバックコストでキャストできる呪文)
⚫︎その他、墓地にある時。または墓地を参照することで効果を十分に発揮するカード等
 レガシー環境においては、特に「探査」をもつカードが強力で、墓地にカードがあることにより少ないマナで強力なカードをキャストできます。
 さらに、自分のライブラリーの上に有効度の低いカードがわかっているのであれば、思考掃きにより墓地に送ることができ、ドローの質を上げることができます。
〈メリット〉②対戦相手の墓地を増やす
 
対戦相手を対象に使うことは少ないかもしれませんが、以下の時に思考掃きを対戦相手へキャストすることで、対戦相手をコントロールすることができます。
⚫︎対戦相手がライブラリーに有効度の高いカードを置いている時(各種チューター、各種キャントリップによるライブラリーの操作時、神秘の聖域、アカデミーの廃墟等)
⚫︎対戦相手の墓地を増やしたい(カード種類含む)時(ドラゴンの怒りの媒介者の昂揚を満たして攻撃を強制する、湖での水難の対象範囲を増やす、漁る軟泥のような墓地を追放することで効果を発揮するカード等)
〈デメリット〉
 デメリットは思考掃きによるドローは1枚であり、そのドローも不確定であるということです。1マナ使用して墓地を2枚(思考掃きを入れると3枚)増やし、不確定なカードに差し代わるというものです。つまり、墓地を増やすメリットがないデッキでは、1マナ消費して手札を入れ替えるだけになります。この場合、個人的に考える、キャントリップとは『自身のデッキが勝つためのプランを、最大限後押ししてくれるもの』に即していません。デッキのコンセプトに墓地を増やすメリットがない場合、思考掃きの採用は優先されません。
思考掃きの総括
⚫︎自身の墓地を増やすことで勝率が飛躍的に上がるデッキには採用。
⚫︎対戦相手のライブラリートップを操作できる。
⚫︎対戦相手の墓地を増やし、対戦相手のゲームプランをくずすことができる。
⚫︎対戦相手を対象にキャストする機会は局所的で有効度が少ない。

ファストトリップの総括


 レガシーにおけるキャントリップの中でも代表的なファストトリップをお話ししてきました。
 下記はそれぞれのキャントリップの主な特性を簡易的にまとめたものになります。
⚫︎渦まく知識
 フェッチランド等のライブラリーシャッフル手段があれば、手札の質、ライブラリーからのドローの質をそれぞれ向上する力がある。インスタントであることで多くの状況で活躍できる。
⚫︎思案
 ライブラリーのドローの質を上げることができる。フェッチランド等のライブラリーシャッフル手段を用いることで有効度の低いカードを引く前にライブラリーをリフレッシュできる。そもそも、確認したカードに有効度の高いカードが確認できなかったら自身の効果でライブラリーをリフレッシュできる。
⚫︎定業
 ライブラリーからのドローの質を上げることができる。フェッチランド等のライブラリーシャッフル手段がなくとも、自身の効果でライブラリーからのドローを操作できる。
⚫︎思考掃き
 自身の墓地を増やすことができる。対戦相手のライブラリーの上2枚を墓地に落とし、ドローを操作できる。
今回は以上になります。
 
 次回は「スロートリップの内容とキャントリップの使用例」などお話しできればと思います。
ほぼほぼ自分への備忘録になってしまっていますが、今回もお付き合いいただきありがとうございます。
ではまた、なかむぅでした。

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