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「もみ消し(Stifle)」について  第3回

獰猛、なかむぅです。
前回に続き、「もみ消し」についてお話ししていこうと思います。今回は前回の続きで「もみ消し」で対象にする能力の後編になります。

「もみ消し」で対象にする能力(後編)


前回同様、まずは、お話しする各項目を表示します。
その後、各項目に沿って個人の意見をお話ししたいと思います。

前回までの項目①〜⑥
①各フェッチランドの起動型能力
②不毛の大地の起動型能力
③その他土地の起動型能力(カラカス、演劇の舞台、セジーリのステップ、イスの迷路、ボジューカ等)
④石鍛冶の神秘家
⑤その他クリーチャーの起動、誘発型能力(キリがないため今回割愛)
⑥ストームの誘発
注意:今回はここからになります。
⑦プレインズウォーカーの起動型能力
⑧サイクリングの起動
⑨安らかな眠りの誘発型能力
⑩仕組まれた爆薬(等の類似したもの)の起動型能力
⑪各装備品(装備コスト、起動型能力、最近トークン等)
⑫追記
では、進めたいと思います。

⑦プレインズウォーカーの起動型能力


 現在のレガシー環境において、プレインズウォーカーは多くの頻度で見るようになりました。私がレガシーを始めた頃はプレインズウォーカーを採用するデッキはほとんどありませんでした。当時のプレインズウォーカーはカードパワーがありながらマナコストが高くテンポの面で不安がありました。コストが高くてもコントロールには復讐のアジャニや精神を刻む者、ジェイスが採用されていたのをおぼえています。そんな中ヴェールのリリアナが登場した時は衝撃でした。3マナでありながら除去とハンデスをこなし、奥義で大きなパーマネントアドバンテージをもたらします。それからは強力なプレインズウォーカーが増えては禁止される(レンと6番や王冠泥棒、オーコなど)こともありましたが、レガシーで採用されるプレインズウォーカーは増えてきました。
 前置きが長くなりましたが、実際にレガシーで採用されているプレインズウォーカーを例にもみ消しを考察したいと思います。
⚫︎ヴェールのリリアナ
 最近では黒単ポックスやコントロールに採用されているのを目にします。もみ消しでの対処には大きく2点あります。
 対戦相手が1番目の能力(互いディスカード)を使用する時はもみ消しは使用しません。互いにディスカードをしているため、ハンドアドバンテージは五分か、相手がリリアナキャスト分アドバンテージが落ちています。そのまま相手が奥義(対戦相手のパーマネントを半分にする)を使用した時にもみ消しを使うことで、相手は大きくゲームプランを崩すことになります。
 対戦相手がリリアナの1番目の能力を使い続ける中で、もみ消しを持っている場合はクリーチャーを展開するのは問題ありません。リリアナの2番目の能力(クリーチャー1体を生贄に捧げる)を起動した際にもみ消しを使えば、返しのターンでクリーチャーでリリアナを除けば問題ありません。
 余談ですが、リリアナの忠誠値が高くない状態でクリーチャーに2番目の能力を起動してもらい、火力呪文でリリアナを除去する方もありますが、明らかにアドバンテージを損なうので、火急に対処する際に行います。
⚫︎精神を刻む者、ジェイス
⚫︎復讐のアジャニ
 これらのプレインズウォーカーについてももみ消しの使い方はリリアナの時とおなじです。
 こちらのクリーチャーを除去する能力を起動する際はもみ消しを使用し、返しのターンでそれらを除去します。
 明らかに奥義を起動されるまでに忠誠値を上げられてしまったら、奥義にもみ消しを使います。
⚫︎時を解す者、テフェリー
 こちらは早急に対処が必要です。というよりも戦場に出ることを許すと、もみ消しはほぼ意味を成しません。こちらのインスタントタイミングを封じられてしまうため、確実に呪文の際に打ち消すか、返のターンに除去できないとゲームが苦しくなります。
⚫︎覆いを割く者、ナーセット
 こちらについては自分のクロックや手札との相談になります。ナーセット自体はクリーチャーを除去する力はないため、もみ消しを使うタイミングは単純です。こちらにクロックがある場合はもみ消しを使い、対戦相手が除去を手に入れるのを妨害します。こちらにクロックがない場合はもみ消しは使用しません。対戦相手は2回能力の起動を許しますが、3マナで2枚のアドバンテージであれば許容します。起動した能力が不発になることもありますし、火力呪文を持っている場合はナーセットの1度目の能力起動時にスタックで除去できればアドバンテージの差を少なく済ませることもできます。
 プレインズウォーカーは強力な効果を起動し続けるパーマネントですが、効果が強力なものほど起動コストがかかり、持続性もないためもみ消しによって対戦相手のゲームプランを大きく崩すことができます。

⑧サイクリングの起動


 次にサイクリングの起動についてもみ消しを使っていきます。サイクリングについては、サイクリング先によりもみ消しを使い分けします。
 サイクリングがドローの場合は決定的な場面以外ではもみ消しを使用しません。対戦相手のデッキの内容によりますが、より決定的な起動型や誘発型能力まで取っておきます。
 サイクリング先が土地の場合は自身のハンド内容により使いわけます。不毛の大地が手札にある場合に基本土地をサイクリングする場合はもみ消しにより打ち消すこともあります。または、対戦相手のより脅威になる起動型、誘発型能力まで取っておきます。基本土地であればそれほど脅威ではないのですが、特定の土地を持ってくる場合はもみ消しで打ち消すことがおおいです。特定の土地を持ってくる場合は明らかにシナジーが組まれており、それを許すことで勝率が下がることがあります。
 そして、最近のカードで「永久のドラゴン」があります。これについては土地をサイクリングする能力はスルーします。それよりも墓地からドラゴンを戦場に出す起動能力の方が脅威です。そちらに確実にもみ消しを使用します。

⑨安らかな眠りの誘発型能力


 次は「安らかな眠り」についてです。こちらのカードは、戦場に出た際に誘発する能力があり、解決時に全ての墓地を追放するというものです。そして、その後に墓地に置くカードを追放していく置換効果も持っています。
 レガシーのクロックパーミッションデッキにはこの効果が激的に効きます。影響を受けるカードは以下があります。
⚫︎敏捷なマングース(現在使用率低い)
⚫︎タルモゴイフ
⚫︎ドラゴンの媒介者
⚫︎濁浪の執政
 余談になりますが、墓地を追放されると「神秘の聖域」による呪文の使い回しも不可能になります。
 これに対処するためにもみ消しを使うことがあります。安らかな眠りの誘発型能力をもみ消しで打ち消すことで、これまでの墓地が追放されることを防ぎます。これにより、タルモゴイフはPTを確保でき、濁浪の執政もキャストがしやすい状態を維持できます。
 ここで注意なのは、必ずしも安らかな眠りにもみ消しを使わなければならないわけではありません。秘密を掘り下げる者や他墓地に影響を受けないクロックが確保されている場合は、対戦相手のフェッチランドや他の脅威にもみ消しを温存しておくことも必要になります。

⑩仕組まれた爆薬(等の類似したもの)の起動型能力


 次は仕組まれた爆薬等の起動型能力による全体除去への対処になります。こちらについては、基本、能力の起動にもみ消しを合わせてこちらのパーマネントを守っていきます。
 しかし、対戦相手の除去の起動が、こちらのパーマネントを1枚以下しか除去できない場合、もみ消しを使用しないこともあります。クロックパーミッションは基本一対一交換の戦術を取るため、この内容であれば問題にならないことが多いです。
 しかし、こちらのパーマネントが明らかに対戦相手へのキーカードになっている場合は全力で守りにいきます。

⑪各装備品(装備コスト、起動、誘発型能力、細菌トークン等)


 次は装備品への対処になります。こちらについては各項目に合わせてお話しします。
⚫︎装備コスト
 まずは装備に関してもみ消しを使うことです。装備品は強力なものが多いですが、その分装備コストがかかります。これらの装備に対してもみ消しで打ち消すことができれば、対戦相手の勝ちを遠ざけることができます。
 しかし、装備にもみ消しを使用してはならない場面があります。それは装備の起動を複数回行える時です。その際はもみ消しで装備を妨害することが叶わないため、別のプランをとります。
⚫︎装備品の起動型、誘発型能力
 対戦相手の装備がすでに済んでおり、その後にもみ消しを使う時になります。
 レガシーで特に使用率が高い装備品は「梅澤の十手」、「火と氷の剣(二色剣)」があると思います。梅澤の十手については、戦闘ダメージを与えることで誘発し、解決時にカウンターを置き、カウンターの消費により強力な効果を起動できる装備品です。これについては誘発型の能力にもみ消しが使えると被害は少なくなるのですが、起動型能力にも使用し、被害を少なくすることもあります。
 火と氷の剣のような二色剣については、戦闘ダメージ後の誘発型能力が強力なため、これらにもみ消しを使用し、対戦相手のアドバンテージを削ります。
 最後に細菌トークンへの対処にもみ消しを使用します。細菌トークンが誘発される装備品は強力なものが多いですが、その分マナコストが高いものが多いです。細菌トークンがついてしまうと強力なクリーチャーが誕生してしまいますが、細菌トークンを戦場へ出させなければ、対戦相手はマナコストの分テンポをロスすることになります。場合によっては、そのまま装備品が使われないままゲームを終えることもあります。それほど、細菌トークンへのもみ消しでの対処は強力になります。


⑫追記


 最後に最近増えてきたもみ消しの対象を話して終わろうと思います。
⚫︎耐え抜くもの、母聖樹
 こちらは起動型能力によるアーティファクト、エンチャント破壊です。近年では強力なアーティファクト、エンチャントが増えてきたため破壊対象が多いです。クロックパーミッションを使う側では、「相殺」や「狂乱の呪詛」、「無のロッド」など対戦相手によって致命傷となるカードがあります。しかし、もみ消しがなければ、「耐え抜くもの、母聖樹」を打ち消すことができません。もみ消しの採用の重要度は上がっていると思います。
⚫︎永久のドラゴン
 こちらについてはサイクリングの時にお話しせているため割愛します。
⚫︎ウルザの物語
 こちらについては、各起動、誘発型能力にもみ消しを使用できます。戦況に応じて使い分ける必要がありますが、選択できる強みもあります。
 まだまだ細かい点でもみ消しの対象はありますが、今回はここまででで終わりにしたいと思います。
 次回は、やってはいけない「もみ消し」の誤った使い方をお話しできたらと思います。
 毎度、お付き合いいただきありがとうございます。

ではまた。なかむぅでした。

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