友野雅志の宇宙ーTomocosmosー作品いろいろ

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友野雅志の宇宙ーTomocosmosー作品いろいろ

Tomocosmosは、友野雅志のpainting.poetry.photo.haiku.essay.blog を集めた世界です。

マガジン

  • TomoLitEssayー友野雅志の文学エッセイ

    文学についてのエッセイいろいろです。noteスタートからの最近のがのっています。それ以前は下をご覧下さい。 https://ameblo.jp/tomolitessay

  • TomoPoetryー友野雅志の詩

    日々書きためた詩の中から、noteスタートしてしばらくしてからの最近のものをのせています。それ以前は、下をご覧下さい。          https://ameblo.jp/masapoetry

  • TomoHaiku友野雅志の俳句

    日頃書きためた俳句です。noteスタートからの最近のものだけのっています。それ以前は、下をご覧下さい。 https://ameblo.jp/tomohaiku

  • TomoPaintingー友野雅志のパステル画

    パステル画を好きで描いていますので、それをのせています。昔は油絵中心でしたが、今はパステル画のみです。古い絵は下にあります。               https://ameblo.jp/tomopainting/

  • TomoPhotosー友野雅志の写真

    散歩で出会う小さなうつくしさを残します。 古い写真は下にあります。                   https://ameblo.jp/tomophotograph/

最近の記事

奄美と島尾敏雄②

戦争末期、特攻艇部隊180名の隊長として奄美の加計呂麻島にやってきた島尾敏雄は、その島の長老の中国語の読み書きをし多くの書籍を持っている老人を本を借りるために訪ねるようになる。 その老人の娘(実の娘ではない、1歳の時養女できた).小学校教師のミホと恋をする。 ミホは、夜、岩場の海辺を岬を回って、島尾敏雄に会いに行く。 二人は戦後東京にでる。二人の子どももできた頃、島尾敏雄は浮気をする。ミホは自殺しようとするし、錯乱状態が続く。それから二人で精神病院に入る。ーーこの頃のこ

    • 奄美と島尾敏雄

      日本で詩を書いていた大学ノート30冊をロンドンに送ってもらった。その中から100篇ほど、ロンドンで買ったノートに書き写した。その後、英語の詩を書いている友人もできて、英語の詩をタイプライターで打ち始めた。 100篇ほど打ったところで、どうしても訳してみたいと思っていた、島尾敏雄の『死の棘』を訳してタイプライターを打ち始めた。その頃、英語に訳されてなかった。今はどうだろう? 二十歳の頃、名瀬市の図書館長をなさっていたので、司書を通してアポイントをとって1時間ほどお会いするこ

      • Tomo俳句、啄木忌。

        **Tomo俳句、啄木忌。 手のひらに光を満たし啄木忌 清しけがれしか手をみる啄木忌 啄木忌チヂミ三枚買ってかえる 啄木忌生きるとは死なないことや 安スーツくるくるまわす啄木忌**

        • Tomo Poetry、春のからだ。

          きみはすきとおり くずれる滴になる 両手では掬いとれない きみのからだ 春ではない かなしみではない 絶望ではない のこる記憶の音 ぽとん ポトン しっとん きざまれた時の ひとつひとつ いくつかとびこしながら 思いだす 存在しない きみのからだの 痙攣と なみだ 風がすぎるのはどこだろう わたしのかなしみ きみの 存在したはずのからだ 目黒川をあるく きみの記憶で びっしょり濡れた シャツをかわかしながら 川は きみの春のワンピース 避けている間に ときに ひかる

        マガジン

        • TomoLitEssayー友野雅志の文学エッセイ
          29本
        • TomoPoetryー友野雅志の詩
          148本
        • TomoHaiku友野雅志の俳句
          58本
        • TomoPaintingー友野雅志のパステル画
          11本
        • TomoPhotosー友野雅志の写真
          84本
        • TomoVideoCreation
          1本

        記事

          TomoPoetry、過去へむかう鳥。

          鳥がないた 別れの知らせ 巣からはばたく 過去へむかって かれが知らないはずの わたしたちには見ることができないはずの ひらく扉がない方向へ 鳴き声と羽ばたきもきこえない方向へ 空がない 方向へ 鳥に 一本の光が見える ほかに見えるものも 聞こえるものもない かれが生まれる前の 世界へ 空がない 鳥は眼をとじている あおい波も みどりに揺れる星も あかくながれる涙も すべてをうけいれる闇も 空もない かれが飛ぶはずの 鳥は去った 記憶を ふたたびたどるために 生まれる前の

          Tomo俳句、春分。

          春を噛むきみのからだのあたたかさ ブラウスのブルー春の波池の端 天の雲、ぼたもちの色のこりおり 昼も夜も天をわけつつ春すすむ 春の襟、濡れた昨夜のかおりあり

          TomoPoetry、風がはこぶ古いかおり。

          語らなかった 子どもたちのうえに降る 花のような焔 木の棒になった 自立を望んだ子どもたち だれも語らなかった 背をかじる あかい海老 まるいテーブルで まわる皿 フォークで刺されるのは オマール あるいは アメリカ あたらしい皿には しあわせを詰めたという まるい赤 ならんでいる あなたが捨てたものが 風がはこんでくる あなたの記憶からきえたものを レッドベリーと ソーダ水で 口をあらう だれも見なっかった でも ときに 胸をきざんでいく かおり そう そこは歩いた

          TomoPoetry、風がはこぶ古いかおり。

          TomoPoetry、きみを何と呼ぼう。

          きみを何と呼ぼう なまえのないきみを きみを何と表そう 色も形もないきみを きみを どのように抱きしめよう わからないきみを 存在しているのか わたしに 触れることなしに あたたかさを与えるきみを 何と呼ぼう 焔のあとに かおりだけを残していく影 踏もうにも そこがない そら すべてが それぞれの位置に帰っていく もう 正座して 世界は 足先から崩れていく ひとつひとつの なまえのない口 声が発せられるはずの しずかに ひろい闇に 戻っていく それぞれの位置へ もどるとこ

          Tomo俳句 3.11

          Tomo俳句、3.11。 鍵盤のなみとおいこえ青く透き あの日よりきみの影飛ぶ空と海 今日ひとひきみの息耳にやさし 静かなりひかる脚星めぐりゆく 裸足、きみの細い指に触れられる

          きみがひっかくこの星

          きみの親指が 星の経線を 傷つけ傷うけながらはしっていく ながれる血と涙 かなしみとよろこび 33分の 叫び 悦びの そしてさみしさの わたしたちの裸体は投げられる 心地よい肌のうえ 裂かれた肉体のなか どこまでもひろがる きみのたましい わたしは凍った箱舟になり 浮いている コーヒー味のアイスクリーム 血が溶けている アジアの 水が けがれていく音 靴音と 歓声と 悲鳴 わたしたちは わたしたちの歓喜を なにと交換しようか ぶーん ばーん ぱらぱらぼーん きみの指が 複雑

          TomoPoetry、きみは何を語るのか。

          さあ 言うがいい きみを槍で刺し 笑う男に 呟くがいい きみの血がながれるのを 喜びおどった男に 死の扉のむこう どこまでも落ちていく闇について 一言 語るがいい おおくの耳が きみの声を待って 何千年だろう 目が覚めると 星が洗われるような 耳鳴りがする それは 聞こえないきみの声が 世界から欠けている せいだ 朝の道に 無意味な耳鳴りが 反響している バス停で 横断歩道の白を跨ぐとき 自動扉がひらくとき わたしは聞く 生きよ 生き血よ きみの声か わからないわたし

          あなたが人であるなら

          あなたが人であるなら わたしは人でない かれは口を閉じた 人から発するものを 吐き出した すべてからになるまで 言葉 のぞみ 糞尿 涙 そして血 乾いた葦になり 数分からからと燃えた あなたが牛のステーキを切るとき かれは骨だけになった自分を 削っている あなたが 頰に風を受けて歩くとき かれは 風のなかを かるい種と一緒に ながれていく あなたが人であるなら かれは人ではない きらきら光る いのちだ 一度死んだ命 かれが降りそそぐ朝 わたしは どこにも行きつか

          よあけの前に

          灰色の空気 色なくくすんだ風 そこを歩く どこへ向かうのか 背がななめのきみは  こたえない 灰と水を踏むわたしは 何も 知らない 何も知ろうとしなかった 今朝もきみは その道を踏んでいる 赤いヒールを捨てようかなと思いつつ コートと 合成皮革のかばんを 捨て去ろうと思いつつ わたしは もう 凍えている しかし はだかだ 風も声もつき刺さる わたしの 色がするところ わたしのなかの かくせないところに そこでは 死んだ彼のかおりがする もういない彼女の 声を風がはこぶ