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『短編小説』原宿

このお話は、とある街で生まれた少年が、少年のまま生活をし、いつの日か、彼は、あることを思った。
そんな話。


いつも通りネットを開く彼は、いつも通り、いつもと同じメンツといつもと同じようにふざけ合う。
ふざけるのが大好きな彼は、いつもおちゃらけて人を笑わせるのが大好きだ。

けれども、難しい話や、哲学も大好きな彼は勘違いされてしまう。

こいつ、道化だな?

そう思われる日々、部屋の中は窮屈で、すぐに飛び出る街、原宿。

もう癖というか、習慣というか、煙草を口に咥えてはぷかぷかするが、最近吸い始めたばかりなため、「ふかす」というような吸い方になってしまい、仕事では上司にばかにされ、ちょっとバカにされないようにちゃんと吸えるように練習している。

煙草の煙は魂が抜けたように感じる。
彼は、それがとってもお気に入りで、ぷかぷかする。

原宿に行く前に必ず寄るのが表参道で、大きな道路と、歩道橋、人混み、ファッション、人種や、動物、建物の歴史や匂い、流れを感じるのが好きなのである。

生きてる。

魂を吐く。

彼はいつもそう。
誰かに勘違いされても、誰かにバカにされても、彼は、すぐに思い返す。

ただ、生きていること。

ヘッドフォンをして音楽を聴く。
流れてきたのは、きのこ帝国のクロノスタシス。

ああ、これだ。

時計の針が止まって見える。


よろぴく!