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青春35


仕事は仕事
って切り分け、メリハリ。
いまいち感覚が掴めないし、まだ、僕は修行しないといけないとわかったし、なんだか、あの小説、からあげ、書けた感動が冷めない。

ゴッホを見て感動した自分は、絵を描き、太宰治を読んで感動した自分は小説を書き、今度はもっと楽しいことがしたい。

朗読が楽しかった。

もう一度したいなあ

ネットを開き情報を集めると近々またこの前のイベントをやるらしく「もう一度、より力強くやりたい。」この気持ちだけで、もう一度会場に向かう。

「お、出るんですか?」
話しかけてきた人物は、アクトという人で、色々と話すと価値観が合いそうで面白い人物だ。
「一緒に出ましょうよ!」
アクトは曇りない眼差しで僕に提案してくる。
「あ、じゃあ僕撮影しますね!」
もう一人、ゲノという人物が現れて、僕を撮影してくれると言う。

出演できるかは、抽選。
前回もそうだったが、たまたま当たって出演できたが、今回もそううまくいくだろうか。

抽選は外れ。
どこか陰謀めいたような空気を感じ取った僕はアクトに愚痴を吐く
「前回はなんだか、単純に出演者に主催者の知り合いが少ないように感じたんだ、今回は恐らく主催者の顔馴染みが多いような口ぶりが見えたし、不正なんじゃないか?」
アクトは頷き「ああ、そんな感じがします。僕が知っている有名な人が飛び入りで急に出演できたりするのを見ると、なんだか違和感を感じます。とりあえず僕らは僕らでステージにあがっちゃいましょう!」
そう言うと、駆け足で彼はステージに上り、ゲリラ的に出演をしようとほぼ反則行為をしようとするも主催者に止められ、僕も止めに入る。
「今回は運がなかったってことにしようよ。」
アクトは「せっかく出演するモチベーションになったのにもったいない。何が何でもやりましょうよ。」
僕はアクトの情熱を感じつつも、とりあえず数分後に主催者にお詫びをしに行った。
「先ほどは勝手にステージにあがってしまい、申し訳ございませんでした。」
「いやあ、あれくらいの情熱は僕、好きですよ。」
「アクトって人は、京都から詩人になるために東京に上京してくたらしく、どうしても出たいという気持ちがあったみたいです」
僕と主催者が話していると、アクトが途中から話に入ってきて、二人でお侘びをして、バンドの話や、詩の話をしていると主催者が口を開く。
「あのね、今、ステージで演じている人がいるんだよ。しかもねその人はね僕の彼女なんだ。それは場への敬意が足りないと思わないか」
急に主催者の表情が変わり、僕は困惑し、アクトは怒りを抑えられずにいた。
僕はどんな状況であれ、お詫びは迅速に行うべきだと判断して、主催者へ駆け寄った訳だが、アクトは最初に持っていた疑念を確信に変え「僕はあなたの彼女だと知って邪魔をする形で謝罪しにきたわけではありません。その怒りは僕らに敬意がないじゃないか」と声を荒らげて、主催者に訴える。
主催者はただ一言「じゃあ帰れ」

そのあとは、とにかく口論が絶えず、僕は真ん中にちょこんと仲裁するわけもなく、傍観するような形で口論を見守っていた。

闘技場を思い出す。
男同士の戦いに誰も入る隙はないし、入ろうと思うのは、それこそ敬意がない。

熱が冷めたように、アクトはその場を後にして、僕も一緒にステージを出ると、ゲノが待っていて、色々と経緯を話して、これは青春なのではないか?という結論に至ったのである。

連絡先を交換し、帰宅。

僕はなんだかやりきれなくて、本当は加戦して戦いたかった。
戦わなかった僕はアクトに負けた気もするし、アクトにも失礼なような気がして、僕は僕なりの戦いを今から見せよう。
そう考え、インターネットに書き込んだ。


僕なりの礼儀と皮肉。
これで主催者がわからない人間ならば、人間関係を今後結ぶことはないだろう。


よろぴく!