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初めての韓国式あかすりの話

私がスーパー銭湯ラバーの民であることは以前お伝えしたかと思う。

このたび晴れて喪(緊急事態宣言)が明けたということで、混雑を懸念しつつも禁断症状に負けてさっそくスパ銭キメさせていただきました。
案の定午後から続々とファミリー連れがやってきて混み始めたけれど、密というほどでもなかったので安心しつつ、岩盤浴でダバダバと汗を流し、クールダウンがてら約束のネバーランドを読み(本当は東京リベンジャーズが読みたかったけど人気作だから棚になかった)、再び岩盤浴で“私はローストビーフ”と自己暗示をかけながら内臓からじりじりと加熱され…を、4時間ほど繰り返し、満足したので風呂で全てを流して終えようと浴場へ向かいました。

ところで、風呂で何が一番めんどくさいかって身体を洗うことじゃありませんかね?
人体の構造複雑すぎるだろ。自力できちんと洗えない場所があるなんて欠陥もいいところじゃないか。

風呂に浸かるのは気持ちいいしスッキリするし、髪の毛を洗うのはだるいけど、ちょっと洗わなかったらヤバいことになる部位なのでやむなし。しかし身体の洗い甲斐のなさったらなんなのか。スッキリよりもどっと疲れるあの工程。やることが、やることが多い!

ということで、自宅の風呂でもスパ銭でも身体を洗うのがめんどくさい私はこのたび金で解決することにしました。

昔から気にはなってた「韓国式あかすり」。
だけどおっさんばっかりがやってるイメージがあって(ド偏見)チャレンジする勇気が湧かず今に至ってたわけですが、私も十分中年になったわけで、さらにはあかすりは浴場の中にあるわけで、何が恥ずかしいことがあるかーい!と、腹を括って韓国人のおばちゃんに30分コース一丁と頼んだわけです。

前述の通り浴場の中にあるので、まっぱで挑むのかと思いきや、エステ等で履かされる何もどこも守ってくれない頼りない紙の紐パンツとマスクを支給され、口元と局部のみを隠すという通報待ったなしスタイルでベッドに横たわりました。
しかし風呂でマスクをつける日がやってくるとは思わなかった。うつ伏せになったらマスクがびちゃびちゃに濡れて溺れるかと思った。致し方なし。

早速おばちゃんに石鹸的なものをBUKKAKEられて、ザリィィィ!と音を立てて我が肌を這い回るあかすり。
実は肌が弱い方なので痛みに耐えられなかったらどうしようかと思ってたんですが、優しめのあかすりでお願いしたので痛いっちゃあ痛いけど耐えられるレベルでした。

それにしても、足から腹、デコルテに腕、どこを擦られてもザリィィィ!ザリザリィィ!!と派手な音がして、まるでこう、柱をカンナがけするよな、いや、シャケに粗塩を塗り込むような…いや、なんかもっとこう適切な例えが…。

キムチだ。

四肢をあかすりタオルでめくり上げるかのようなこの動き、白菜キムチを漬けているような動きではないだろうか。
なるほど、だから韓国式なのか!!
このあかすりには白菜キムチを漬けるときの熟練の動きが必要なのだ。だから韓国人のおばちゃんがやってるんだ!!

きっと違う。

きっと違うんだろうけれど、そんなことを考えながら白菜(私)はそのままされるがままとなった。
ただでさえ存在意義が疑わしき紙パンツの紐を引っ張られてTどころかIバックにされて尻もザリザリやられた。その時は白菜が憑依していたとしても尊厳の全てを失った顔をしていた。

とまあ、無事白菜がしっかりと漬かり、キレイニナッタヨ〜とシャワーで全身を洗い流してくれておしまい。えげつない量の垢が出てたらどうしようと思ってたけれど、まあ想定内ぐらいだったので安心した。生まれて初めてのあかすりだったから、これまでの風呂生活の杜撰さが全て露呈してしまうのではないかと思ってたけれど、意外と洗えてたのね。
セナカサワッテと促されて腕や背中をするりと触ってみると、あらまあ中年なのに素晴らしい卵肌。つるっつるで明らかに一皮剥けとる。生まれ変わっとる。中年なのに。
自分で洗うのとは明らかに違うし、自分ではなかなか気合い入れて洗えない背中の真ん中をゴシゴシやってもらえて爽快感パネェ。これは、年に一回くらいなら金で解決するのはアリよりのアリの方向だと思った。

ということで、初の韓国式あかすりはとってもスッキリさっぱりトゥルトゥルになって大満足でした。
トゥルトゥルな身体で露天風呂に浸かって脳みそ溶かしながら、緊急事態宣言が明けて、この最高のリフレッシュタイムをまた楽しめるようになった喜びを噛み締めた日曜日でした。

最後にひとこと。

世の中のつるつる肌を目指して高い美容品を塗り込む女子たちよ、まずは身体をきちんと洗え。変わるぞ。

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