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この時代にあえてアルバム単位で音楽を聴く」第4回 Nirvana「BLEACH」

今回はNirvanaのファーストアルバム「BLEACH」です
Nirvanaはやはり「Nevermind」が有名で、ちょっとコアなファンは「いや「In Utero」こそNirvana!」となる感じでこのファーストは忘れられがちなイメージです。
僕もIn Utero派でBLEACHはあまりちゃんと聴いた事ないです
というわけで今回一枚通して聴いてみました

1Blew
真っ当にカッコいいロックです
何が飛び出してくるかちょっと構えていたのですが僕の知ってるNirvana、って感じでしたね
。僕はIn Uteroのザラザラした質感が好きなのでそもそもこういう音は好きなんだと思います
2 Floyd the Barber
1曲目同様重くメタリックな曲です
その反面ギター音が細いから(たぶんまだ安物のギターなんだと思います)
他にない一種独特な世界観になってます
「軽いヘヴィさ」なんて完全に矛盾してるんですが
3About a girl
これは名曲。この時点でカートの必殺技、文体はすでに確立されてますね。
静寂と轟音、古いような新しいような、暗いような明るいような、リリシズムとシニスズム
古今東西Nirvanaでしか聴けない奇妙な味はすでにここで生まれています
4 School
重いですね…
ちなみに僕はあまり英語わかりませんがカートにとって高校がロクでもない場所だった事は伝わります笑
5 Love Buzz
カバーらしいんですがこの不安になる曲展開はまさにNirvana
音楽って実は作詞や作曲でなく編曲こそそのバンドのカラー決めるんじゃないかと思います
6 Paper Cuts
これ何歌ってるんですかね…
なんだか歌詞がデヴィッドリンチみたいな世界観
暗いこのアルバムの中でもひときわ歌詞も曲も重く暗いです
7 Negative Creep
タイトルが最高ですね
カートの声がいつにも増して絶望感溢れてます
8Scoff
この重いアルバムではこの曲すらわりとポップに聴こえるような笑
9 Swap Meet このアルバム基本曲のパターンはほとんど同じなんですよね。でもこの一本調子な感じ嫌いではないですが…
10 Mr. Moustache
個人的には7曲目以降の後半は若干失速してるように感じます。このあたりちょっと集中力切れてきました
11 Sifting
この重い感じ、やはりカートはブラックサバス好きなんだろうなあと思います
12 Big Cheese
社会不適合者のアンセムかと思いきやレーベルの経営者(プロデューサー?)からのプレッシャーを歌った歌だそうです。 
13 Downer
疾走感溢れながら爽やかさは全くない笑
暗渠を全力疾走な感じ
もう俺に近づくなという逆ギレ感がすごいが
カートの処女作に近いらしくまず言いたい事が生のまま入ってる感じ

まとめると印象はやはり「Nevermind」より「In Utero」に近く、特に印象に残った曲はない反面全体のカラーが統一されて聴きやすいです。そしてNirvana全体として改めて聴くとやはり「Nevermind」だけむしろ音的にクリアでポップでNirvanaのディスコグラフィーの中で異質な気がしてきました
しかし同時に、描かれてる内容が憂鬱だったり
メロディがダウナーにのに、アレンジやミックスがキャッチーなため逆に奇妙な凄みや味がNevermindにはあります。カートが納得してなくてもやはりNevermindこそカートコバーンという陰鬱で皮肉でしかし実はユーモアや稚気もある人間性を最も正確に映してた気もするのです。毒を抜かれたようでいて実際はその毒は聴き手にBLEACHやIn Utero以上に浸透したのではないでしょうか
BLEACHレビューなのに最後はNevermindの話になりました笑

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