#99 面談では盛り上がらなかった共謀罪

石井さま

今日も僕は面談仕事を4件こなしましたが、「共謀罪」については親御さんとは全然盛り上がりませんでした。

1つは法の施行前だということ、1つは「自分とは関係ない」とみなさん思っていること、1つはそんな共謀罪やテロよりも自分の家の中ではもっと凄まじい(と親御さんたちは思っている)出来事があったり過去にもっともっと凄まじい夫婦間の出来事があったりしたため、報道ステーションが多少騒ごうが「それはそれ」という感じでした。

その感じは僕もよくわかります。

けれども一方で、この「無風状態」が「共謀」と解釈されてしまう可能性も半分冗談ではありながらも考えてしまうのです。

面談にやってきた親御さんからすれば、施行もされていないしそんな政治的な動きには関心ない(ほとんどの方はそうです)自分とは関係ない、それよりも我が子が家で暴れる現象をなんとかしてほしい、我が子の暴力のほうがよっぽどテロリズムだ、というわけです。

僕からすると、そんな子どもたちに仕事や自分の引退のことを語る親御さんのほうがよほどテロリズムだと思ったりもするのですが。

つまりは、目の前にある「困ったこと」に対してはリアルに想像できるけれども、はるか西の彼方で起こっている暴力現象に対しては想像しにくいし、それがニホンのなかで悪利用されることもリアリティを抱きにくい。この感じも僕はよくわかる。

僕もだいぶ年をとりました。

石井さんはどんな感じ?★

                                                                                                  田中

「共謀罪で逮捕するぞ!」

田中さん

おはようございます。共謀罪の朝、なんとなく思考に靄がかかったような、自分でかけてしまったような気持ちの悪い朝でした。

ぼくが思ったこと、感じていること、体験してきたことで言えば、いろいろな形で指摘されているようにNPO法人の委託事業漬けのデメリットは、NPO法人等ソーシャルセクターから批判性を奪うことだと思うんですよ。

政府が打ってる政策が「飯の種」になっている以上、政府批判はしない、できない(いや、していいと思うんだけど)。そして、その政策の現場である各省庁とダイレクトに関わっているリーダーは、言葉するにせよ、しないにせよ、言語非言語で現場に言論統制を敷いちゃうんですよね。

それが、担当省庁や行政担当課への「愚痴」や「厭味」はよく耳にするけど「批判」は聞こえて来ないという、気持ちの悪い若者支援業界の今ですよね。ぼくもあんまり自信ないけど、批判性というものを持ち合わせているソーシャルセクターのリーダーは少ないですよね。

要するに骨抜きにされていくわけですよ。その結果が「仕様書に書いてないことはしない」という、摩擦抵抗を限りなくゼロにしていくという現状維持に固執したクライエント・セカンド戦略となる。

だったらNPO法人なんか辞めちゃえよって思うんですけどね。それが「共謀罪」で加速しちゃうんじゃないかなって心配しています。

なんて、自戒を込めつつ逮捕されない程度のことを書いてみました。

                                いしい

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