#60 ぼくらの高校内カフェ

田中さん

タイムリーにぼくと田中さんの活動が新聞記事になった高校内カフェ事業について、少しお互いの思いやビジョンを交換できたらと思います。

ちょっと振り返ると、ぼくがなんとか高校に転がり込んで、学校図書館での交流相談「田奈Pass」をはじめたのが、平成23年の6月頃だったかな。

その後、ドーナツトークの辻田共同代表が見学に来てくれて、平成24年9月に西成高校で「となりカフェ」がオープンして。

「カフェかあ、すごいなあ〜」と思ってるうちに、大阪ではみるみるカフェ事業が展開して8カ所にまでなったんですよね。

そうこうしているうちにぼくはスポンサーを失い(泣)、26年度はついに学校から撤退を余儀なくされながら、復活を虎視眈々と計画して、NPO法人パノラマの設立を決意し、クラウドファンディングや民間の助成金を集めて、12月に「ぴっかりカフェ」として復活したと。

ちなみに、このカフェ事業は、田奈高校の金沢先生の発案で、ぼくに「田奈Passをバージョン・アップさせた『ぴっかりカフェ』やんない?」って言ったのがきっかけなんだよね。カネのあてもないのにさ(笑)。

でも、すぐにそのアイデアにぼくも、司書さんも食いついて、どう実現しようかって考え、信頼のおける方々に相談しに行ったりして。だからパノラマの理事には司書の松田さんがいるんだよね。

蓋を開けてからは、Facebookや新聞記事なんかで見ての通りなので、ここからどうしたいのかっていうビジョンを次回は語りたいと思います。

田中さんのところはどんな風に始まったのかな?

                                いしい

追伸:この間、地元紙に掲載されたぴっかりカフェの記事です。


石井さま

最近よく「となりカフェはどんなふうに始まったの?」って聞かれることが多くて、それに対して僕と辻田は、「偶然の出会いなんですよ」と答えています。

正確には偶然というよりは、「関係者のすべての思いがその(時)点に焦点化された」ということになります。

関係者とは、当時はまだ前のNPOに在籍し半年後officeドーナツトークをつくった僕と辻田、肥下先生や山田校長先生(当時)をはじめとした西成高校の先生のみなさん、事業を公募していただいた大阪府の青少年課の担当の方々、そしてこれらの動きを後押ししてくれた、具体名は書けませんが多くの方々、を指します。

もちろん、石井さんや田奈高校の先生方にも大きく背中を押してもらっていますね。

これらの人々が、3年前のあの年、それぞれの機関や組織のなかでそれぞれの動きを模索したのちに「高校の中に居場所をつくってもいいのでは」となり、それが辻田の発案した「となりカフェ」という旗のもとに結集することができました。

一つひとつのエピソードを書くと深すぎて長くなります(たとえば僕にしても、20代の編集者時代から「学校内に居場所をつくる」はある種の夢でした)。

僕が不思議なのは、何か重要なことが始まる時とはこういうもので、すべての人々のタイミングが何かに引き寄せられるようにして集まり、そこが結集点となって始まっていくということです。

すみません、曖昧な書き方で。

でも僕としては、その後のメディアの方々の結集も含め(テレビドキュメンタリーや新聞記事等)、「その時に高校内サードプレイスは求められていた」としか言いようがない。

だからこの動きを、ぴっかりカフェの動きとともに消すことなく、同時に常にバージョンアップしつつ続けていきたいのです。恒常的システムになるまでは。★

                                 田中

写真は、今年の「となりカフェ」グループアート(模造紙6枚の大きさです。右下書籍と比較)


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