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陽炎6 仮面の忍者赤影 二次小説 2264文字

「まあ、そうだろうな。一撃で殺せる、いい道具だ」
外の風よりも、強い風は止まり彼ら3人、普通に立つ事ができていた

皆、ほっとした。風が止んで
皆、錫杖が飛んできて刺し殺されると思ったからだった。でも、それは違った
頭領一人だけが、夢から覚めたような顔をしていた

陽炎の左手の男、眼帯が口を開いた
「名の知れた、隊の頭だった者達よ」
頭領ともう一人は、頭を左右に振った
眼帯も、遅れて頭を振った
三人、何か変だといった感じだ

ふふっと、笑う陽炎
付き合ってやろうと言う顔だ
「体を壊して、抜けようと思った面々だろう。皆、相当な腕であろう事は足音で、推察はつく」陽炎は、左右に男2人の顔を見、二人ともびくりとする

瞳孔もない白眼が、見えるように動くのは、気味が悪いし、そら恐ろしい

「お前達は、面白いなぁ」嘲るように言い、「身体の損傷か、病で思うように動けないから、都合よく抜け忍になったのだろう。仲間内でも、知られないようにしてるようだが」と笑う、笑う陽炎
その姿に、普段の陽炎はない

「お互いを騙せても、私には無理だ」

「なんだと」
飛影の左の髭面が怖音を効かせたものの、図星であり、いつもなら突上げ窓から見える夜の空に、一息つきたくて見たものの、聞こえてくる谷底の川の音もいつも聞き慣れた音であるのに、その音さえも深い底無しの闇から女と共にやってきたと思えるばかりか、女が口を聞くたびに、女の指が手が空(くう)を描く度に、只ならぬ妖気が広がってるyいうに見え、叫び声を上げるかのように女に刃を打ち下ろしたくなるのに、いざ打ち下ろしたら裂かれた身体から人が意味嫌う、おぞましい百足でが一気に飛び出てきそうで...
百足や蜘蛛なぞ慣れてはおるが、それは圧倒的な数100、200、500匹といった数多あまたの数の百足が、冥府と繋がった場所から無限に出てくるような恐怖に、男は元忍者を自負しているものの、女の異次元のようなあり得ない様子に、唾をゴクリと飲みんだ

その時、谷底の川の流れる音が大きく響いた
大きな、流木でもあったのだろうか

眼帯は、急に変な考えに取り憑かれていた
大きな流木の流れる音、あれは自分がこの女に殺され川に投げ込まれ流れ、滝に落ちた音ではないのか?
血を流し転がっている2人の死体
俺の身体がここにないのは…
殺された自分は気づかずに、ここに霊体でいて一連を見ているのではないか?
眼帯は、隣の頭領の腕を叩いていた

頭領の顔が、目が、自分向けられ左脚を軽く蹴られる、なんだと

そこで、自分は死んでいないのだと、気のせいだと、ほっと確信した

恰幅の良い髭面は、この女を見ていると巨大な白い百足が化けているように、どうしても思えてならない
知り尽くしたと思う程に歩き、昼夜構わず歩き、飛び走り回った山林、攫った女達を離しては人狩り
山の中をぎりぎり追い回し、3日目に血の海に転がったのを沼に沈めたり、時には木に吊るしたり、木に手足を釘で打ちつけ手に入れた刀の試し斬り、向こう側の景色が見える位になった女の上半身、女達がどんなに泣き喚こうとも、深い谷底の流れる川の轟音が響く中では意味もなく、絶望に恐怖し歪んだ顔、泣き腫らした顔を小雨の中、追い這いつくばらせ泥にまみれ首を絞め... どんな美女もすがって泣き出し、嗜虐心を与える笑いが腹の底から上がり愉快でしかなく、この山中は俺に喜びを与える庭だと思っていた

でも今は、目玉が飛び出しそうな程の恐ろしい気持ちでいるのに、頭は急速に扉が開くように思い出していく

鬼に追われているような顔で逃げる女、男も同じ顔をするが、女の方が面白い
まるで、なにか悪い事をしたから、こんな目にあってると思っている女の顔、後ろから襲いかかり鉈や斧を体に入れてやるのは、ハッ、ハッ、ハッと笑いが止まらなかった

ここは、この場所は俺が、自分が悪い事をしたから、こんな目にあってると思わないでいられる場所で(脚を悪くした事を悔やまずに)、狂喜が全開できる場所、攫ってきた人間が、女が苦しがって、人でなしと叫び死んでいくのを見るのが生きがになっていた

人里離れたこの山で、川の流れる轟音の響く中で、悲鳴を気にせず殺せる解放感に愉悦した気持ち、声を出せずに殺すのが忍び、だが思いっきり刀を斧を振り込め、声を、悲鳴を、叫び声を上げさせるのは快感だ
今迄と反対の事が、気持ちがいい

腹に、刀を尽き立て引き裂き、相手の声を聞くのがこんなに快感だとは思わなかった
転がった相手に上から下に胸部中央を刺す、骨に当たった音に、一気に腹迄引き裂き吹き出す血と共に飛び出す内臓に、生暖かい血の匂い出口からも耐えかねてゴホッブハッと吐き出す血、血まみれでは女も色気がないなと思った

押し入った庄屋の旦那が、「金は幾らでも出すから、臨月間近い女房と中の子を助けてくれ。金は幾らでも出す」と叫ぶ、旦那を抜刀し切り殺す。鞘から出してない相手に言うものではないと、つくづく思ったよ。そんな事言われたら刀を抜かなといけないと思うではないか、笑いが止まらなくて仕方なかった

「ひっ」と声を上げ「お助けを、お助けを」と言う亭主を殺された女房を蹴り飛ばせば、転がる転がる
デカい腹でも転がる事に、笑った
開いた障子から開いた縁側の戸から庭に落ちる。腹を上にして落ちてる女のデカい腹に刀を刺す。女は驚きすぎて失神したが、そのまま死ぬなと思った

その日は、月も綺麗で、臨月間近い腹に刺した刀も月の光で映え「絶景かな、絶景かな」を真似て、「つき山だ、つき山」だと大声を上げた


外道と言われる事をやって、なにが悪い!と思った

続く→陽炎7
仮面の忍者赤影 二次小説

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