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風がみえる家づくり〜窓を自然の空調機として考えるパッシブデザイン〜

あなたは暮らしの中でどれくらい風通しを大事にされているでしょうか。

花粉の時期は躊躇しますが気候の良い季節は窓を開けて過ごしたいと思う方も多いと思います。

風通し良い家のメリットは気持ちが良いこともありますが、窓を開けることで手軽に室温の調整ができることも非常に便利な機能です。

例えば・・・家のほとんどの窓を開けないと風が入ってこない家と、とりあえず入口と出口の2つの窓を開けておけば風が抜ける家では後者の方が圧倒的に快適です。

その風通しを根拠を持って設計することの重要性をお伝えしていければと思います。


建築士はどこまで通風を考えて設計しているか?

ハウスメーカーや工務店の建築士がどのように通風を考えて設計しているかというとあくまで経験値で設計しています。
その経験値にはばらつきがありますし実際の家の通風にもばらつきが生まれます。
例えばあなたが風通しの良い家にして下さいと要望するととりあえず大きな窓を設けたり、普通よりたくさん窓を用意すると思います。
「それで風通しが良くなれば良いのでは?」と思うかもしれませんが一概にはそうとも言えません。適切な場所に窓を設けないと風は通りませんし、窓を閉めて冷暖房をしている時期は壁より窓からの方が暖気や冷気が逃げるので空調コストが上がることになるからです。
住宅設計で大事なのは全てバランスです。

環境シミュレーションを利用した設計のメリット


風解析イメージ

環境シミュレーションを利用して設計することは以下のようなメリットがあります。

1 風の流れの可視化:
環境シミュレーションを使用することで、風の流れをリアルタイムで可視化することができます。これにより、風が建物や周囲の地形にどのように影響を与えるかを直感的に理解することができます。
2 エネルギー効率の最適化:
風の解析を通じて、建物の配置や形状を最適化してエネルギー効率を向上させることができます。風の方向や速度を考慮して、風のエネルギーを最大限に利用することができる場所に窓や通気口を配置したり、風通しの良いデザインを採用したりすることが可能です。
3 居住者の快適性の向上:
風の解析を通じて、建物内の風の流れや温度分布を予測することができます。これにより、快適な居住環境を提供するために必要な設計変更を行うことができます。たとえば、適切な通風を確保することで、夏の暑さや冬の寒さを緩和し、居住者の快適性を向上させることができます。
4 建物の耐久性の向上:
風の解析を通じて、風の荷重や風による建物への影響を評価することができます。これにより、建物の耐久性を向上させるための適切な構造設計や材料選定を行うことができます。特に、風の強い地域では、風の解析を通じた設計が建物の安全性を確保する上で重要です。
5 環境への配慮:
風の解析を通じて、建物の周囲環境への影響を評価することができます。風の流れや風速の変化が周囲の植生や生態系に与える影響を考慮し、環境に配慮した設計を行うことができます。

窓を自然の空調機として考える

GROW LDK

風通しが良い家に住むということは自然をうまく使って暮らすということです。
例えば窓を自然の空調機として考えるととても便利なものに思えてきませんか?
これは私自身の経験から断言できますが、しっかり考えられた快適な家で暮らすことは思っている以上に幸福度が上がります。
ある研究では性能の良い家に住むと疾病率も下がる傾向にあります。
日々の土台になる暮らしをより健康的に、より快適にするために風通しのことも大事に考えて家づくりをしてみてください。


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