貴方が転職先で活躍できるか否かは"運ゲー"である

人生は運ゲーが多いなと改めて思った次第です。まぁ運を掴める人は得てして準備してますけどね。(私は準備できているのか…)

入社した方の貢献度が安定しない

最近、といっても管理職になってからよく拾うようになった情報で、
・転職したけど思ったように働けない。貢献できない
・転職してきたけど期待してたより微妙。貢献度が低い

なんて話を聞いたり、実際に体験しています。
これはなぜ起きるのか、起こるのか?を考えてみます。

仕事が難しく感じる、思ったように働けない、のは何故?

うーん、これは変な話です。未経験者を除いて、最低限能力面のマッチングで合意した上で入社しているはずです。ということは貢献可能な能力を有しているにも関わらず、時間が経つにつれて前述したようなミスマッチをお互い感じ始めるわけです。

これはシンプルに「スキルレベル=貢献度」では無いことを示していて、深堀すると、「組織の一員として働くためには、スキルだけでは不足している」ことを表しています。ここまでは共通の認識だと思います。
個人で結果を出すなら無関係ですが、人と人が協力する組織である以上、スキル以外の要因も考慮しなければなりません。

個人的にはむしろ、結果を出す上では
「スキル以外の要因」の方がはるかに重要です。

貢献度=仕事内容×環境×行動特性(運では無い)×社内文化

考えた結果、上記が分かりやすいと思いました。
(ちなみにスキルは「仕事内容」の一部であり、スキル自体は貢献度に対して"間接的"に影響している認識です)

①仕事内容
言葉の通り、自身のスキルを活かせる項目です。
何故"スキル"では無いのか。それは会社によって「仕事のやり方」が異なるからです。以下例です。

・○○したいから、期日までに、▲▲を考えてほしい。
※▲は何でも。プレゼン資料、デザイン案など

この時、そのまま「自前のスキルで対応する」では不十分です。この会社では、どこまで考慮すべきなのか、期日までどのレベルに達しているのが望ましいのか、粒度はどれぐらいが適切か、など、その会社の基準を知り、それを考慮することが重要です。「前の会社ではこうやっていましたよ?」が、すんなり通る組織は多くないでしょう。

他にありがちなのは、"出社のみ→リモート中心"の会社に移った途端、上手く結果が出せなくなった、というものです。
例えば国語力が不足していて、何が言いたいのか伝わらない、逆に何が言いたいのか読み取れない。チャットでの確認を怠り、結果大部分がやり直し、なんてケースはあり得ます。

または以前の会社と比べて、コミュニケーションコストが高く、前提条件となる情報を能動的に取る必要があるなど。期待しているからこそ、放置しているという可能性もありますが、それはそれで困りますよね。

言いたいのは「前の会社では~」が通用しないケースがあるということ。自前のスキルをその会社用にチューニングする必要があるということです。どれぐらいの差分があるのか、またそれをすぐ埋められるのかは実際に仕事をしてみないことには分かりません。

②環境
最も大きく影響しているのは上司でしょう。有り体にいうと上司ガチャです。上司によって潰されるメンバーはごまんと居ますし、誰かに潰されたメンバーを管理している上司もいるでしょう。

貴方の仕事を評価するのは上司なので、貴方がどう働こうと上司次第というのが現状です。「どれだけ貢献していたか」が定量的に判断可能でも、それ以外の指標では、やはり上司次第ということになります。

なのに、貴方が仕事しやすいか仕事しにくいか、を大きく占めるのも上司です。いくら好きな仕事でも毎日上司から人格否定されては厳しいでしょう。なので上司ガチャは間違いなく有ると言えます。アタリではなくともレア以上は引きたいものですね。

ちなみに私の考えるレア以上は「人生の邪魔をしない」です。無関心で十分良いです。精神的な病気になる、退職まで追い込まれる、責任を擦り付けられるなど、人生が悪い方に転がることは必ず避けたいですね。ただ上司ガチャのハズレは多い気がします。メンバーにキレて仕事してる感を演出する上司も居るとも聞きます。遭遇したことは無いですがね。

話が逸れました。環境は上司の質がメインで、後は同僚の質でしょうか。協力できる方がいると良いですね。早く結果を出す上で人間関係はかなり重要です。他には勤務地が遠いと十分な睡眠時間が取れません。若いうちは無理できますが、歳を取るにつれて重要な項目です。

もちろん、周囲が仕事しやすい関係で居てくれた上で、結果が出せないのを他責にするのは論外です。丁寧に教えてくれない、といった声を聞きますが、正しいマネジメント研修が無い企業で、それを期待するのは難しいでしょう。実は私も若い頃そう思っていましたが、そもそも上手く教えるスキルを持っている人が少ない現状があります。

言いたいのは、人間関係の質は大事で、結局運ゲーだということです。
ちなみに、忘れてはいけないのが貴方も環境の中の一つの係数だということ。意固地だったり、仕事が雑だったりすると、良いメンバーに恵まれても協力して貰えませんからね。

③行動特性

コンピテンシーです。特にキャッチアップする能力と伸びしろは重要だと考えています。能力が高い方は数か月で係数が最大になります。

キャッチアップはその会社の「仕事のやり方」に慣れる速度に影響します。近年「アンラーン」をよく耳にしますが、この項目に該当します。仕事のやり方を理解したうえで改善してくれるなら、既存メンバーの抵抗感もないでしょう。
キャッチアップが遅い、もしくは「仕事のやり方」に合わせる気が無いと周囲の負担が増えます。初めから抜本的な改善、改革を望まれている場合は、こんな手順を踏まなくても良いですが、そのやり方に至った経緯を知っておくのは悪いことではないはずです。

伸びしろは主にその会社で必要になったスキルの習得速度を指しています。分かりやすい例だと、転職する会社は英語が公用語だが、英語の習得にモチベーションが上がらず、中々英語が上達しない。といったものです。

この項目の良い面は、ある程度個人の力で解決でき、運ゲーではないところです。逆に言えば能動的に動く意思が無いと、慣れるまでにかなりの時間を要します。これは本人が、というより周囲が敏感な部分で、受け身だったり内省しない方は係数低めです。

④社内文化
カルチャーも貴方が上手く働けるか否かを決める要因の一つです。意識高い系を馬鹿にする、残業主義(何においても残業している人が評価される)、パワハラがまかり通っている、有給消化しづらい、向上心の無いメンバーは評価されない、などなど。

会社毎に存在するものだと思います。新卒では見抜けません。
これは個人の力では変えにくいものです。合えばよいですが、合わなければ合わせるか我慢するか。ただモチベに直結するので我慢したところで長く持たないとは思います。

カルチャーを味方につけることが出来れば、社内で動きやすくなり、結果的に十分な成果を残しやすくなります。私の例でいえば、ある会社では個性を出す/主張することが好まれ、ある会社ではイエスマンが好まれる節がある、などです。なので良かれと思って動いたことが結果マイナス評価になることもあります。

つまるところこの項目は運ゲーです。暗黙的なものまでは入社してみないと分からないですから。同じ境遇の方たちとオンボーディングすることで緩和できるかもしれませんね。

その他の要因

その他にも運ゲーはあります。採用担当者が「本当に必要な人材が誰か分からない」ケースがあり、人事が良いと思って採用したがアサインしたプロジェクトとの相性が悪いなど…。

まとめ

運ゲーだから落胆するのではなく、スキル以外の要因があると知ることで、アクションが変わるキッカケになれば幸いです。
※2行のメモがここまで広がるとは



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