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【毎日映画_0059/1000】8/27_『ブロードウェイと銃弾』

ウディ・アレン作品は、ウディ・アレンが出演していない作品の方が好きだ。

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『ブロードウェイと銃弾』(1994)

監督:ウディ・アレン
脚本:ウディ・アレン
主演:ジョン・キューザック
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〈ストーリー〉
売れない劇作家のデビッドに、劇場支配人からスポンサーがついたと連絡が入った。スポンサーはマフィアのボス。お金を出す条件は、演技もろくにできない愛人を主演にすること。
過食症の俳優はボスの愛人に手を出すわ、今では落ち目の大女優や愛人のボディガードが脚本に口を挟むわで、稽古もまともに進まない。果たして舞台の幕は上がるのか、という話。

〈感想〉
こういう舞台のようなひとつの大きな場所に、様々な人間模様を持った人たちが集まって、そこから物語が展開する表現技法を「グランドホテル方式」と言うのだそうです。へぇ。
平たく言うと「群像劇」。

ワンシチュエーションの群像劇といえば、三谷幸喜さんなんかを思い浮かべますね。(正にホテルの群像劇で「有頂天ホテル」など)
ウディ・アレンに三谷幸喜、コメディの巨匠です。

そういえばワンシチュエーションの群像劇って、コメディが多いなー、なんでかなーと考えたときに思いついたのが、
「感情の長さ」についてです。

「笑う」って、支点・力点・作用点みたいに、設定・フリ・オチの3点が、明瞭にその落差が大きな笑いを生むものだと思うんです。
一方「泣く」って、小さな感情が積み重なって、そのピークに表出するものかなと思うんです。
坂道で例えると、「笑う」は短くて急で、「泣く」は長く緩やかであることが、より大きな感情になる、みたいな。

「笑う」って、2時間の映画をもたせるには感情が短くて、自ずとたくさんの人を登場させる群像劇と相性がよくなるのかなー、みたいな。
一方「泣く」って、1人の主人公の感情をどれだけ積み重ねられるかが大きな感情に導くのではないか。

そう、この映画を観ていて、この映画の感想よりも、ずっとこんなことを考えることになってしまいました。映画面白かったのに。

今度は笑えるヒーローものか、泣ける群像劇を探して観てみようと思います。


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