巻き込まれて生きていく #羊7

2019年1月1日。元日に久々にnoteを開いた。
2018年の年末に羊齧協会主席の菊池さんから「例の羊本が当初想定していたのとはまたちょっと違う形で動き出す」と連絡があったからだ。

そもそもこの一連の文章「巻き込まれて生きていく」を書き始めたのは、菊池さんから「羊本プロジェクトを何かしらの形で記録したい」とのリクエストを受けてのことだった。いわゆる「中の人」ではない自分が、第三者的な目線から記録を残すことに何かしらの意義を見いだせるかもしれないと思ったから。二つ返事で「やりましょう」と返事をした。

まずはプロジェクトの概要をプロジェクトに参加しているメンバーのインタビューを通じてぼんやり見えてくるようにしようと、イントロダクションから3名のインタビューまで書いた。それで、そこで止まっていた。1つ目の記事が2017年7月、6話目が2018年5月になっているのでおおよそ1年くらいをかけて記事を書いてきたことになる。
そこから半年ほどが経っていた。
自身のカフェ計画が動き始めるなど、身の回りが慌ただしくなったことはもちろんあるが、羊本プロジェクト自体もなんとなく行き詰まった感があったこともある。とはいいながら菊池さんとは、四川フェスやそれ以外のいろいろのことについて、コミュニケーションを取り続けていた。2018年10月にオープンした中国茶カフェ「甘露」についても気に入っていただけたようで、ちょくちょく仕事や打ち合わせなどで足を運んでくれている。

そんな12月のある日。
いつものように甘露に来た菊池さんと話をしていた。
「そういえば羊本の話、動き始めましたよ。少し前に講談社からお声がかかって、話してきたんです。とはいえ編集部は乗り気だけど役員が…ってパターンはこれまで何度もあったので、そんなにうまくいかないだろうとタカをくくっていたら、9月末ごろに『菊池さん、出版決定しました!』って連絡がありまして。でもちょうど羊フェスタに向けてめちゃくちゃ忙しい時期だったので、羊フェスタ終わるまで待ってくださいって言って、それで11月の半ばくらいにようやく打ち合わせしたら『1月中旬までに原稿揃えてくださいね』ってなりまして」

時間、全然ないですね。

「そうなんですよ!シェフの選定、アポどりまでやらないといけなくて。前に東京ラムストーリーを出した時はもっと楽だったんですが、今回は作業量がかなり多いんです」

東京ラムストーリーは、羊齧協会編で2014年に出版した本だ。今でこそ羊は魅力的な食材として注目され始めているが、出版した当時は「羊は臭い」という偏見という評価が世のほとんどを占めていた、と思う。当時のことは知らないからあくまで推測だけど。
兎にも角にも、それから4年の間に羊をめぐる景色は大きく変わって来ている。例えば雑誌で「羊好き」なる特集が組まれてしまうほどに。
ただここで気にかけておきたいのは、このところ菊池さんがよく口にする「羊をブーム化させない」というフレーズだ。ブーム=一過性の流行は必ず廃れる。そうならないように正しい情報を提供し、コントロールする。食べて美味しいと、ちょっと変わった食材の愛好者が集って飲み会をし、それが高じてフェスまで開いちゃった、みたいなサブカル的というか地下アイドル的とでも言えるフェーズは既に過去のものとなっている。役割から見ればこれは完全なる業界団体だ。業界関係者でも生産者でもなく、消費者の団体だけど。

そして羊本プロジェクトだ。今わかっているあらましをまとめておく。

全96ページからなるこの書籍のコンセプトは「羊レシピ本」。
和・仏・中ほか、プロのシェフによるレシピ、一般人によるレシピ、羊肉の扱い方、羊肉を買える店の紹介など、羊肉食を楽しむためのノウハウが詰まった本になるようだ。もちろんそれ以外にも羊にまつわる情報が満載で、羊肉食の普及に一役買う本になるだろうことは間違いない。

これが4月17日に発売となり、4月29日の「羊肉の日」に開催されるラムバサダーフェスティバルを迎えるというスケジュール。
ちなみにこの本が上梓される日とラムバサダーフェスティバルのちょうど間に、自分も実行委員として携わっている四川フェスが開催される。先の記事でも書いたように、菊池さんはそこでも重要な役割を担っている。なのでいささか不安ではあるが、なんとかなるだろう。この寒い季節の向こうに待つ春が、今から待ち遠しい。


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Naoya Mukai

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