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ドリップコーヒーの失敗例で「雑味が出る」とあるのですが、雑味というのが具体的にどのような味なのか想像がつきません。わかりやすい日本語で解説できますでしょうか?

(Quoraより、回答を転記。リクエスト回答)

回答リクエストありがとうございます^^

雑味ですね。
どんな豆でも存在しています。

以下3点、でご説明します。
①雑味とは何か?
②ドリップする前までで雑味が残る要因
③ドリップ中の雑味が出る要因

【①雑味とは何か?】
私の主宰している珈琲塾では、コーヒーの味をわかりやすく
7つに分けて説明しています。(詳細は割愛します。)

1、香り(アロマ、フレーバー)
2、酸味
3、甘味
4、旨味
5、コク(キレ)
6、苦味
7、雑味(一部、塩味)

このうち、7つ目の雑味についてですが、
基本的には、ゴムのような硫黄系の重い味や
舌に残る強いざらつき、不快な金属味、
収斂味(口が渋い、きゅっとなるような味)
美味しくない強度の苦味や渋み、などが該当します。

人によっては、美味しいと感じる方もおられるので
厳密には雑味は個人個人で異なります。

ただし、今からご説明する雑味が少ない珈琲であるほど
いろんな人が飲みやすいと感じるのも事実です。

【②ドリップするまでに雑味が出る要因】
雑味の要素は、基本的には、焙煎豆の状態までで
発生しつくします。抽出以降は、雑味を如何に切り取るか?
というところに主眼が置かれます。
雑味はどんな豆にでもありますが、極端に避ける場合には、
以下の点を気を付けると避けることが可能です。

イ、雑味の少ない産地、品種、精製、輸送工程の豆を利用する
 雑味は、国や地域による土壌や肥料の状態、土の養分を反映する品種、
 豆といっている胚乳を取り出すまでの精製方法や現地での選別、
 輸送までの保管や期間によって異なってきます。
 話すと長くなりすぎるので雑味が少ない候補だけお伝えすると、

 アフリカ産の原生種、ティピカ系品種あるいはブルボン亜種の
 ウォッシュド精製&できれば無農薬で完熟収穫、
 現地でハンドピックを行っているもの、可能であれば空輸輸送品。
 品名で言うと、エチオピア イルガチェフ ウォッシュドのG1クラス以上、
 ケニアのSL28などのAAクラス以上のウォッシュドなどが該当します。

ロ、日本での手選別がしっかりされていること
 雑味の要因として、カビ豆や傷豆、発酵豆の混入が大きいです。
 基本的には手選別(ハンドソート、ハンドピック)と呼ばれる、
 カビなどの欠点豆を目視で取り除く方法が有効です。
 また、雑味を取り除くのであれば、多少香味が落ちますが、
 手早く生豆を水洗いするのも有効です。(私はしない派です。)

 手選別をしっかり行っている豆にしてから、焙煎を行っている
 焙煎店を選んでください。

ハ、焙煎がしっかり行われていること
 雑味として出てくる要素は、前述のイとロに加えて、
 最終焙煎でも大きく変わってきます。
 特に影響するのが、内外差と呼んでいるものです。

 簡単に言うと、豆の表面と内側の焙煎度合いが近いほど、均一であるほど
 雑味が少なくなります。これは、同一の温度帯で味や香りの素となる成分が
 温度と時間を確保できている状態になると、未反応の物質が減り、豆全体に
 統一感が出ることで、中途半端な反応をしている豆が少なくなるためです。

 この内外差をきっちり埋めている焙煎屋さんはかなり少ないので、
 うちに連絡ください笑 ちなみに焙煎度合いは関係ありません。
 浅煎りと深煎りで内外差の埋め方が変わってくるので、そのあたりわかってそうな
 熟練度の高い焙煎屋さんを選んでください。これは機械の性能と関係ないので
 知ってるか知っていないか、差を埋める努力をしているかの問題になってきます。
 もちろん手網焙煎でも実現可能ですので、お時間ある方はやってみてください^^

以上のイ、ロ、ハがすべて条件として整えば、ひとまずドリップするまでの
雑味は抑えられています。

【③ドリップ中の雑味が出る要因】
ドリップなどの抽出は、前述の7段階の味や香りのどこを出し、どこを削るかを
決めるものとお考え下さい。上手に淹れることが出来れば、雑味や、苦味を出さず、
他の美味しいところだけを液体に残すことが可能です。

熟練の抽出士は、豆に関係なく雑味を切ることが可能ですので、
ドリップの腕を上げておいて損はないと思います。

今回のご質問に対して、雑味の味を想像できればよいかなと思いますので、
同じ豆を使って二つの淹れ方をしてみてください。
これで出る違いが、おおよその雑味です。

パターン1 雑味多めパターン
条件①:お湯の温度を95℃で淹れてください。
条件②:粉面から30㎝程高いところからお湯を注いでください。

パターン2 雑味少な目パターン
条件①:お湯の温度を80℃で淹れてください。
条件②:粉面からできるだけ近い位置でお湯を注いでください。

他の淹れ方(粉の量やお湯の量、速度や待ち時間など)は全く同じでオッケーです。
(多分状態が変わるので多少差が出るとは思いますが、、、。)

このパターン1とパターン2の違いが大体「雑味」のあるなしだと考えていただいて
おおむね問題ないと思います。


最後に、雑味はある程度必要という方もおられます。
極端に雑味をそぐと、要素的にはコクなども少し少なくなりますので、お好みで。

それでは今日もよい珈琲を^^

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