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コーヒーのサードウェーブって実際なんなんでしょうか?

(Quoraより、回答を転記。リクエスト回答)

珈琲屋です。
回答リクエストありがとうございます^^

サードウェーブ、突然出てきたような言葉ですよね。
私もいまだに謎が残ってるキーワードなんですが、
私見としてお答えします。

ちょっと紐解いてみます。
まず、「サードウェーブ」という言葉なのですが、
元々はサンフランシスコやシアトルあたりで出てきた
「セカンドウェーブを超えようぜ」という潮流から生まれてきています。
よってアメリカ産の言葉になります。

これが2000年前半くらいの動きで、具体的には
「セカンドウェーブ=スターバックスなどのシアトル系カフェチェーン」を
指しています。

ちなみにファーストウェーブはスタバなどによって塗り替えられたその先代の
珈琲文化のことを指します。
アメリカの珈琲文化に詳しい方、ぜひ聞かせてくださいm(__)m

要は、「スタバみたいに画一化されてアメリカ全土どこ行っても店の中に入ったら
同じ匂いのする珈琲屋はもうたくさんですよね。」
という(主に)若い人たちによって、スタイルが確立されていきます。
大量消費主義のカウンタカルチャーとして出てきたのがサードウェーブです。

日本では、最終勝ち組となった「ブルーボトル」がよく話に出てきますが、
フォーバレルコーヒーやハンサムコーヒーなど、初期のサードウェーブでは
群雄割拠の時代があり、それはそれは多様性がありました。
※今も一部残っていますが、大方ブルーボトルが事業を買い取ったと伺ってます。

他の方の回答にも書かれていますが、日本の多様性のある珈琲のあり方は
若いアメリカの文化からすると、ちょっとうらやましいというお話も聞きます。
実際、サードウェーブはほんの少し日本の珈琲文化影響と、
多大にスペシャルティコーヒーという新しい文化が
フォーカスされたものだと思われます。

日本でもサードウェーブ系の珈琲が日本人の手によって生み出されているのは
とても興味深く、日本人のオマージュ文化というか、昔からの神仏習合のような
考え方は、寛容さと創造性をいつも感じさせてくれます^^

と、ここまでが普通の「サードウェーブ」の捉え方だと思います。

ここから先はちょっと余談です。

++++++++++
サードウェーブという言葉は結構便利なので、
いろんな切り口で「こうじゃないの?」という評価が生まれています。

【エスプレッソと焙煎について】
元来、エスプレッソや100年ほど前にイタリアでルイジ・ベゼラが生み出し
パヴォーニが広げ、チンバリやマルゾッコが浸透させた文化ですが、
この時、イタリアやフランス移民がそれぞれ、オーストラリアやカナダに
機械を持っていって世界に広げていきました。
このころは割と中くらいから少し深いくらいの焙煎豆がエスプレッソに
使われていました。これがファースト。

それがアメリカに入り、シアトルでスターバックスが台頭してくると、
深煎りに転じていきます。ミルクとの相性、そして私の予想ですが、
アメリカ的にいい豆をしっかり使っているという証拠として
深煎りにしたのではないかと考えています。これがセカンド。
(。。長くなるので質問あれば、また今度話します。)

そして、サードウェーブは先述の通り、エスプレッソに関しても
スペシャリティコーヒーの浅焼きの影響で、浅煎りをエスプレッソで淹れてみる
という現象が発生しています。見方によったら結構おいしいです。
ラテとかは、香り高い乳酸飲料みたいな感じで。

【日本のサードウェーブ】
日本も、戦後、同じ3回の波が来ています。

戦後から高度経済成長期までは、純喫茶や軽食喫茶などが各地に作られ、
ブルーカラーの方たちが朝珈琲をひっかけていくという風景があったようです。

バブル期付近から、旧来の喫茶店が減り、スターバックスのような
コーヒーチェーンが増え始めエスプレッソ文化も定着します。
(実は昭和40年代に一回エスプレッソブームがあったんですが、、)

そして、スペシャリティコーヒーや、旧来の日本の焙煎屋さんのスタイルが
2010年くらいから改めて自家焙煎店として軒を増やしています。

++++++
結果的に、時系列や世界的に見た地域性でとらえ方が全然変わってきますが、
珈琲文化を三つの黄金期に分けるという大雑把な運用が「サードウェーブ」の
うまい使い方なのではないかと思います。

結果的にフォースと呼ばれる文化も楽しみですね。
自分は自家焙煎の文化が来てくれればと願っています。
焙煎の技術による味の変化のポテンシャルはあまり日の目を見ていませんから。

それでは、今日も良い珈琲を。

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