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ドイツ代表の未来を確約されていた男。ヨハネス・ガイスがケルンへ

ブンデスリーガを普段見ることが多いが、いつしかレバークーゼンに所属していたハカン・チャルハノール(現ACミラン)が好きになっていた。10番が似合う男。必殺の無回転FKに加え、精度の高いサイドチェンジやキラーパス。部活をしていた時に間違いなくキックの部分では参考になったプレーヤーだ。そんなチャルハノールの次に「こいつなんかヤバそうだ」「このFKヤバいな」と漠然ながら記憶に残っていたのが、今回の主人公ヨハネス・ガイスだ。

ヨハネス・ガイス シャルケ→ケルン

 1年でのブンデスリーガ復帰を目指すケルンに世代別代表経験もある戦えるプレーメイカーが加わった。チームはマティアス・レーマンを始め、マルコ・ヘーガーやヴァンサン・コジエロも離脱とセントラルハーフに怪我人が続出。そんな中ガイスに白羽の矢が立った。

若かりし頃は長髪だったガイス。グロイター・フェルトはなかなかブンデスリーガに上がってこないですね。 

 ヨハネス・ガイスはTSVグロースバードルフというチームを経て、15歳の時にグロイター・フェルトのユースに移籍。ユース年代ではフェリックス・クラウス(現ヴォルフスブルク)が所属しており、10/11シーズンに2人揃ってトップチームデビュー。しかしガイスはその後トップチームに定着はならず、リザーブリーグでのプレーが増える。12/13シーズンになるとトップチームはブンデスリーガに昇格し、ガイスもシーズン終盤にブンデスリーガデビューを飾るも,大きな結果は残せずチームも降格してしまった。しかし世代別代表での活躍も認められ、ガイスはマインツに移籍することになる。

「中核を担っていたユース年代」

 常連だった世代別代表。世代別代表ではU16からコンスタントに選ばれる選手であり、2015年のU21欧州選手権のベスト4メンバーにもなった。ガイスは主にセントラルハーフのポジションを任されていたが、ジョシュア・キミッヒ(現バイエルン・ミュウヘン)やエムレ・ジャン(現ユベントス)など現在ビッククラブで活躍する選手がいる中で、ガイスはスタメンで出場する機会も多かった。しかしこの年代の総決算であるリオ五輪のメンバーからは外れている。ベンダー兄弟のOAやゴレツカ、マイヤーの選出もあり、メンバーからは外れてしまった模様。

U21欧州選手権はベスト4でベルナルド・シルバ(現マンチェスター・シティ)やジョアン・マリオ(現インテル)などがいたポルトガルに0-5の大敗。リオ五輪はご存知の方も多いですが、決勝でネイマール(現パリ・サンジェルマン)のいるブラジル代表に敗北。


 クラブに話を戻す。移籍先のマインツではトーマス・トゥヘル(現パリ・サンジェルマン監督)のもとで33試合に出場し、7アシストを記録。ユリアム・バウムガトリンガー(現レバークーゼン)とのセントラルハーフはチームに安定をもたらしていた。また自慢の右足からの精度の高いパスは日本代表の岡崎慎司(現レスター)のゴールも演出していた。結果マインツは7位でフィニッシュ。ブンデスリーガで旋風を起こすことに成功した。

 岡崎はマインツでエースとして得点を量産。ガイスからのチャンスメイクにも応える活躍を見せていた。

 トゥヘルはドルトムントに引き抜かれたが、2年目のシーズンはキャプテンマークを巻く試合もあり、リーグ戦全試合に出場。正真正銘チームのリーダー格に成長した。マインツでの活躍が認められ、15/16シーズンは1000万ユーロの移籍金でシャルケへ移籍することを決めた。

 マインツ時代や世代別代表でもロリス・カリウス(現ベシクタシュ)とは多くの時間をピッチで共有している。昨年のCLの舞台では再会となった。

 加入後すぐさまレギュラーポジションを掴むと、ほとんどの試合にスタメン出場を果たす。ボルシアMG戦でアンドレ・ハーン(現アウクスブルク)への悪質タックルにより、3試合の出場停止を受けるなど、印象が悪いプレーもあったが、シーズンを通して28試合に出場した。

 かなり悪質ではあったものも、本人はすぐさま謝罪。もちろん意図的ではないし、本人もかつてのチームメイトであるエルキン・ソト(引退)の大怪我も近くで見ていたこともあり、反省の色を見せている。

 16/17シーズンは開幕5連敗と最悪なスタートを切る中だったが、前年同様の出場機会を得ていく。しかし後半戦はベンジャミン・スタンブリやナビル・ベンタレブ(共に現シャルケ)がセントラルハーフで起用されるようになり、ガイスの出場時間は減っていった。スタメンを外れることが多くなると、17/18シーズンはセビージャへローン移籍をする。

 セビージャでは序盤ポゼッションサッカーを信仰するエドゥアルド・ベリッソの下で、クレマン・ラングレ(現バルセロナ)とCBのコンビを組むなど、本職ではないポジションでの起用もあった。シーズン中盤にはCBでの起用がなくなり本来のセントラルハーフのポジションに戻るが、スティーブン・エンゾンジ(現ローマ)とキド・ピザーロ(現ティグレス)の控えに甘んじており、レギュラーとしての稼働とはならなかった。

フランスがロシアW杯を制した時にはインスタグラムでスティーブ・エンゾンジ(現ローマ)に対して祝福のメッセージを送っている。

  今シーズンはシャルケに戻ったものも、リザーブリーグでの1試合の出場のみと事実上の構想外に。今冬にはシュツットガルトや古巣のマインツなどブンデスリーガクラブからのオファーもあったが、ケルン移籍を決意。将来を嘱望された男がここまでのキャリアは大成するまでとは行っていない。2部からの大逆転を狙う準備はできた。

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プレースタイルはシュバインシュタイガー。

中盤の底から正確なフィードに加え、一撃必殺の強烈なシュートも持っていることもあり、マインツ時代にシュバインシュタイガーのようなプレーヤーだ。と言われていたらしい。

体重制限、トレーニング等かなりストイック。

サッカー選手なら当たり前のことなのかもしれないが、ガイスのトレーニングへの意識は相当高そうだ。頻繁にインスタグラムでも投稿している。

FKマイスター。ゴラッソメイカー

 かつてコリーさんにも取り上げられたようにガイスはブンデスリーガ屈指のフリーキッカー。巻いて落とすシュートが主だが、スピードも充分あるので簡単には止められない。

https://www.youtube.com/watch?v=mJ7xQboKaJ8

↑ 2015年までのシュート集。超ロングシュートも含まれています。


今回はここまでです。冬の移籍市場も半分が折り返し。といってもどのチームも駆け込み補強がありますし、これからどんどん活性化していきますので、こっちでもどんどん発信できたら良いなと思います。

最後までありがとうございました。

就活生です。サッカーばかりでしかもコアなところを攻めています。少しでも驚き、笑いがあった方はサポートお願いします。