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『さよなら すべてのハルマゲドン01』〜はじめに〜


 ハルマゲドン、いわゆる「世界の終末」を意味する思想は、言ってみれば(全人類に近いくらいの)西洋文明に属するすべての人たちの体と心に刻み込まれた、「呪い」のような役割を果たしているかもしれない。

 もちろん、聖書に予言されたハルマゲドン以外にも、たとえば仏教にも「末法」思想なんてものがあって、鎌倉時代には社会情勢の悪化と関連して、終末思想のように捉えられたこともあった。

 そうした意味では、人類のどこかしらに「世界の終わり」を想像したり、感じたりする根源的な「不安」があり、それは恐れでありながら、同時に「不安だらけの現実世界を一掃してくれる希望」としての役割を果たしながら、これまで信じられ続けてきた、と考えることもできるだろう。
 

 さて、これから私がお話する物語は、数千年に及ぶ有史以来の人類が抱えてきた「呪い」から、あなたを解き放つものである。

 それは特に、聖書やキリスト教に依拠してきた、西洋文明に属するすべての人の「解放」を意味する。

 なーんて言い出せば壮大なお話になるのだが、なんのこっちゃない。話はシンプルだ。

「ハルマゲドンは来ない」

なぜ、そう言えるのかを、ちゃんと説明してみよう、ということである。


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 その前に、まず覚えておきたいことがある。それは、僕たち私たちが信じてきた、あるいは「刷り込まれてきた」キリスト教的概念や、聖書に基づく世界観は

「誤解・誤認・誘導・思い込み・勘違い」

を多分に含んでいるということである。これはとても、とてつもなく巧妙にできていて、西洋文明に属している人間は、ほぼ100%に近いくらい、どれだけ気をつけていてもどこかで「引っかかる、騙される」ということが起きている。


 なので、これからお話する内容を読み進めるにあたっては、読者諸君もできるだけニュートラルな気持ちでいてほしい。いわゆる「常識」の中にも、聖書やキリスト教が仕込んできた「誤認・誘導」が含まれているから、それも含めて一旦リセットする必要がある。

 しかし、そうしたものから一度すっかり離れて、客観視ができるようになるとこれから始まる物語は「とてつもなく面白く、そして感動」が沸き起こるだろう。

 ユーレカ!

という感嘆の声が、すべての人から上がる、そんなお話だ。


 私たちは、この物語を読み進めるうちに、どんどん自由になり、そして「真理・真実」に目覚めることになるだろう。なんだかそんな言い方をするとまるで

「新しい宗教」

がスタートするかのようだが、安心してほしい。この連載を読み進めると、あなたは真理を知るけれど、その分、救われず放り出される(笑)

 この話を知っているものは少数で、いわばあなたは選ばれた民、選民思想みたいになるのだが、逆にいえばこれから起きるのは

「頼るものをすべて失った、喪失体験」

でもある。これまで信じてきたものが、すべて崩れ去るのだから。

 何も持たず放り出されることは、自由になることでもあるのだ。

 自由になるということは、頼るものを失うことでもあるのだ。


 さあ、それではそんなドキドキも織り交ぜながら、話を進めよう。

 もう、ハルマゲドンはやってこない。

 「さよなら、すべてのハルマゲドン」の幕が、今開かれる。


(つづく)




  

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