tiny song かたちなきもの
音 音 音なんて
無い 無い 無い
闇 闇 闇だらけ
ここは どこなんだ
はじまりの鐘は
街に響くひとの声
それは ゆれているだけの
空気の振動だ
虹 空に 光受けて
そこに あると知る
それは ゆれているだけの
小さな 水の粒
影 黒く 伸びる
夕日 落ちて
それは ゆれているだけの
光の 残像だ
ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。