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poem あの頃

あの頃

私の口から紡がれる
ことばいつも苦しげで
重く冷たく雨のよう

それでもこうして
今という
時に身を置き
生きている

私の口から紡がれる
ことばはどこかあたたかく

もう戻れないあの頃が
切なく遠く
愛おしく
思える歳になりました


ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。