イタリア人にはない、日本人の「四季感」って、本当に素敵だと思うのだ。

イタリアとイタリア人をこよなく愛する僕でも、
時々、イタリア人と生活するにあたって彼らを残念だと思う事がある。

そのうちの一つが今回のテーマ、四季に対する考え方である。

イタリアにも日本と同様に、四季があるが、
日本人の四季感とは全く異なる四季感をイタリア人は持っている。

彼らには夏が一年を通して「唯一の楽しい季節」であり、
それ以外の春、秋、冬は夏を待つための
面白みがない季節だと認識している。

イタリアで海開きが始まるとFacebookは喜びの書き込みで溢れ、
寒くなって海に入れなくなると、まるで大切な人が亡くなったかのように哀れむ彼ら。
そして、雪が降るようになるとそれに嫌悪感を示して、
号泣している顔文字がいたるところで見られるように笑。

日本人に「好きな季節は」と聞くと、
人それぞれに答えが分かれると思うが、

イタリア人に同じ質問をすると、
決まって人々は「夏」と答える。

「いやー、1年後にはまた海に入れるでしょ!」って思うのだが、
彼らイタリア人は海に入れる瞬間を、
サッカーで遊ぶ瞬間と同様に楽しみにしているので、

海に入れない時期は残念な季節以外の何ものでもないのだ笑。

一方で、日本人には一つの季節のみが特別ということはなく、
それぞれの季節にイベントがあり、楽しみ方も色々だ。

春は、「始まり」の季節。

花見を仲間で揃ってするのも楽しいし、
新年度が始まるこの季節、
新しい後輩や友達に恵まれる機会も特に多い。
イタリアでは新年度が始まるのは9月なので、
春は冬の寒さから解放される季節という印象が
やはり強いかもしれない。

夏は、「祭り」の季節。

日本では各地の伝統的な祭りでその地の花火を
浴衣をきながら見る事ができるし、
音楽フェスや山登りといったイベントもある。
イタリアの夏に比べて「海水浴」だけに
とどまらない楽しみがあるのも
日本の夏の魅力であるように思う。

秋は、「行事」の季節。

「○○の秋」という言葉があるように、
運動会、芸術鑑賞、紅葉、月見、読書など、
どこか心を落ち着けて、趣味を深めるような、そんな季節。
大人にとっては、松茸、秋刀魚など、
美味しいものが食べられる季節でもあるよね。

冬は、「伝統」を楽しむ季節。

正月や成人式など、しきたりを大切にする日本の冬。
その年の苦労を忘れるために執り行われる宴会「忘年会」を
年末にする人も多いかと思うが、
元々自営業がほとんどで、仕事に生活の重きがないイタリア人からすると、
日本人の仕事やそこで関わる仲間を重んじるその姿には情緒を感じられる。

1年を通して、それぞれの季節を楽しめる日本の文化は、
この国独特で、これからもずっと「大切にするべきだ」と思う。

イタリアから来た留学生なんかは、いつも
「春秋冬って本当はこんなに楽しいものなんだね!」と言って、

日本での四季のあり方に感嘆している。

日本人の四季感って、本当に素敵だと思う。

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